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テーマ:野鳥好きっ♪(16907)
タカ科のサシバは、一夫一婦制での繁殖とされていますが、2羽の雄が給餌に参加する協同繁殖の形態をとったとの観察報告があります。 2023年4月9日に手賀沼沿岸でサシバ雌1羽をめぐって2羽の雄が争奪戦を展開している姿、同月14日同地でサシバ雄2羽、雌1羽が鳴きながら移動する姿を目撃しました。 このほか、2022年4月にも別の谷津田で3羽のサシバが鳴きながら移動しているのを観察しています。 (成鳥を同時に3羽観察した事例) 前澤(1990)は、三重県で成鳥3羽を同時に観察した内容を報告しています。 1988年6月から7月にかけて合計3羽の親鳥が巣内のヒナを養育していた光景を観察したと報告しています。 二羽の雄のうち1羽が巣を訪ねた回数は4回,別の雄が訪ねたのが1回、雌が22回であり、雄の2羽がヒナに運んだ食物はほとんどカエルであるのに対して、雌はシマヘビ、モグラを運んだ。また、雌はヒナの巣立つ2日前さかんに松の青葉のついた小枝を巣内に運びこんだのを観察したと記しています。そのうえで、複数の雄はそれぞれヒナの父親である可能性があると結んでいます。 (複数の雄を識別するために) サシバは、五百沢(2000)が述べているように、淡色型(頭部は灰褐色で眉斑はほとんどなく胸は一様な暗褐色で腹は横斑状)、暗色型(全身黒褐色で虹彩は黄色。性別は外観からわからない)が存在しています。 手賀沼沿岸で観察した個体を復習してみるとほとんどが淡色型ですが、全身赤褐色味が強く胸も赤褐色の個体を2017年7月に見かけたことがあります。 (写真) 一枚目:2017年7月2日、二枚目・三枚目:2023年6月15日、四枚目:2016年4月30日、 五枚目:2019年4月24日、六枚目:2020年6月17日、七枚目:2021年4月11日、 八枚目:2020年4月11日いずれも手賀沼沿岸で撮影 一枚目の個体は全身赤褐色で、胸も赤褐色、虹彩は黄色で眉斑はほとんどなし。 二枚目、三枚目の個体は頭部が灰褐色で胸が濃い褐色で、虹彩は黄色。 四枚目の個体は頭部が灰褐色で胸は小豆色、虹彩は黄色。 五枚目の個体は四枚目の個体とほぼ同様。 六枚目の個体は頭頸部まで灰色で、眉斑はなし。虹彩は黄色 七枚目の個体は四枚目、五枚目の個体とほぼ同様 八枚目の個体は、頭頸部まで灰色で額と喉の白さが目立つ個体。 (引用) 前津昭彦.1990.サシバの複数雄をともなった繁殖例. Strix.第9巻.p225-229.日本野鳥の会. 五百沢日丸.2000.日本の鳥550.山野の鳥.p36-37.文一総合出版. ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.04.13 17:48:21
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