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テーマ:野鳥好きっ♪(17085)
海岸に群れをなして飛来するアオバトが海水を飲む行動が、そろそろ見られる時期です。 鳥友から海水を飲んでいる姿を観察したが、何を食べているのかと質問をもらいました。 (アオバトは樹上で果実を採餌する) こまたん(1992)が神奈川県大磯町で調査した結果では、桜の実、ミズキの実、クマノミズキの実を食べていたことを述べています。このほか、文献にマツ科モミ、ツガの実、アカガシ、ツクバネガシ、ミズナラ、コナラ、シイの実および新芽、クリの花、エノキの実、ヤマグワの実、マツグミの実、テリハノイバラ、ヤマザクラ、ナナカマドの実、ウメの花、ダイズ、タンキリマメの実、ニセアカシアの実、ユズリハの実、ガンコウランの実、ソヨゴの実、ツルウメモドキの実、マユミの実、ミツバウツギの実、ヤマビワの実、ノブドウの実、ヒサカキ、サカキの実、ナワシログミの実、ハリギリの実、ミズキ、クマノミズキ、ヤマボウシの実、カキの実、イワトコの実、エゾニワトコの実、ミヤマタニタデの芽を採餌していた事例が記載されていると記しています。 その上で、キジバトが地上で採餌するのと対照的な採餌方法と報告しています。 (昆虫、ミミズ類も採餌している可能性が高い) 漆谷(2019)は、広島県茗荷谷鉱泉で調査した結果を報告しています。 報告では、飛来個体の中に総排出腔から白色紐状物体をぶら下げている個体を観察し、採取に成功し、観察した結果、条虫と判明したと述べています。 さらに、「条虫の多くは、まず中間宿主となる昆虫やミミズなどの無脊椎動物の体内で、約1~4週間で虫卵が孵化した後、感染期幼虫へと発育し、次に終宿主となる鳥の体内において約2週間で成虫へと発育する。このたびの観察から条虫がアオバトを終宿主として寄生している可能性が高いことがわかった。すなわち、本種が新芽や果実以外に条虫の中間宿主である昆虫やミミズ類などの無脊椎動物を摂食している可能性が高い」と記しています。 これまでは、こまたん(1992)が述べているように、「キジバトは果実も食べないわけではないが穀物類も摂取し昆虫類や腹足類などの動物質も少量は摂取する。アオバトの食性はここが違う」と考えられてきました。 アオバトと出会った際、飛来個体の中に総排出腔から白色紐状物体をぶら下げている個体がいないか注目してみる必要があります。 (引用) こまたん.1992.大磯町照ヶ崎海岸におけるアオバトの生態. かながわ野鳥ライブラリー1.日本野鳥の会神奈川県支部.p32. 漆谷光名.2019.条虫を排出するアオバトの観察.山階鳥学誌第51号.p116-121. (写真:いずれも神奈川県大磯町) 一枚目:2014年7月21日、二枚目:2016年7月17日、三枚目:2017年7月17日、 四枚目:2019年8月3日撮影 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.06.09 17:06:37
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