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テーマ:野鳥好きっ♪(17077)
雨続きの日が続き、鳥友有志で新刊「身近な鳥の素顔名鑑」(SB Creative、pp207)の読書会を催しました。馴染の場所で暮らす鳥たちにスポットを当てて身体能力、行動、地域による違い、人との関わり、不思議な進化といったトピックを紹介しています。 複数の鳥友からクイナの関する章について関心を持ったと意見が出されました、 文中に「クイナはずっと歩いていて飛ぶところはほとんど見かけません」、「クイナは季節によって生活場所を変える鳥。まさか歩いて移動しているとは思えません」と記されている部分です。手分けをしてクイナについて文献を調べて情報を交換し合いました。 いろいろ調べてみると、クイナは歩いて移動するだけでなく、渡りをして移動していることもわかりました。翼はオオバンと同じタイプで水面を助走して飛び立つ可能性を想像しながら読書会を終えました。 (フユクイナを卒業した時代) 吉井(1988)は、クイナについて「日本では全国に分布し、北海道と東北一部の一部では繁殖し、本州以南では冬鳥。(中略)本州中部以南では冬鳥であるためフユクイナともいう」と述べています。主な図鑑類も同様の内容を記しています。 手賀沼とその周辺地域での観察記録を振り返ると、1975年から2022年までは10月から翌年春までの間、葦原の中を移動する姿や鳴き声、餌を物色する姿が目撃されました。 それが2023年5月17日に「キュイーッ」という鳴き声を観察し、翌年2024年春にも同様の声と堆積している水草の上を移動する姿を観察、8月にも鳴き声を観察しました。 (クイナの繁殖分布の変化) 鳥類繁殖分布調査会(2021)は、記録メッシュ数は増加しているが、比較可能な現地調査地点での記録数は変化していないと報告しています。ただし、茨城県について繁殖の可能性がある地点が増加していることを図示しています。 この点に注目し茨城県(2021)の報告に目を通してみると、クイナについては、2005年から2006年にかけては生息は確認されたものの繁殖についてはなんとも言えないとの評価が大半だったものが2016年から2021年の間で繁殖の可能性がある調査地が増えたことを記しています。 (クイナの飛翔) 齊藤(2024)は、「水路を横断するときなどの短距離飛行が見られるくらいだが、夜間上空を飛んで海峡を渡る姿も確認されている」と述べいます。 原(2021)は、津軽半島で2021年、2022年に夜に渡る鳥について調査をした結果を報告しています。その中にクイナが9月27日に初認、ピークは10月19日、10月21日に終認だったと記されています。 (引用) 吉井正.1988コンサイス鳥名事典.p187.三省堂. 鳥類繁殖分布調査会.2021.全国鳥類繁殖分布調査報告 日本の鳥の今を描こう 2016-2021年.p47. 茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p 原 星一.2021.夜に渡る鳥の目視による種別カウント調査.pp12. バードリサーチ調査研究支援プロジェクト. (写真) 一枚目:2024年4月2日手賀沼、二枚目:2024年2月1日手賀沼、 三枚目2023年1月7日埼玉県、四枚目:2022年9月17日手賀沼で撮影 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.06.11 12:14:00
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