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テーマ:野鳥好きっ♪(17396)
オフィス近くの公園でコゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガの混群が鳴きながら移動する姿を観察したと報告しましたら、鳥友から混群の鳥に共通する形態、行動の特徴などについて教えてほしいと質問をもらいました。 (小鳥の混群の基礎的なこと) 小鳥の混群では個体数が多く群れの中核をなし他の種類を引きつける中核種、中核種についていく追随種の存在があります。混群の構成は変化することがあり、中核種になったり、追随種になったりすることがあります。 和田(2017)が「東日本でのカラ類の研究では、多くの場合中核種はエナガ」と研究者の論文を紹介しています。 (混群を構成する鳥たちの飛翔の秘密) 枝から枝に移動する鳥たちに共通しているのは、エナガを除いて扇翼である点です。 翼の長さは長くありませんが、羽ばたきによって肩の負担が少なく素早い羽ばたき、狭い場所でも飛び回れる特徴を持っています。エナガは円翼ですが、体重が軽く翼面荷重(翼の単位面積にかかる重量が軽く長い尾が枝の間をすり抜けて飛翔する時のバランスをとるのに最適なので混群に加われるものと思われます。 (混群の居場所の違い) 混群を観察しているとエナガのジュリジュリという特徴的な声が梢のほうからまず聞こることが多い印象があります。移動速度が速いので先発の役割をはたしているようです。その後、最も個体数の多いシジュウカラが登場します。その後、エナガは細い枝先、シジュウカラは枝、地面、ヤマガラは太めの枝、コゲラは幹に姿があります、混群で行動するといってもお互いの食事の邪魔をしない程度にいる感があります。 (シジュウカラのコミュニケーション能力) 近藤(2024)は群れの個体との鳴き交わしについて、エナガは群れのすべての個体と内側の個体と鳴き交わしていますが、メジロは群れの外側の個体とも頻繁に鳴き交わしていると報告しています。混群を率いるうえで群れの個体と意思疎通をする能力が中核種になるこつが多い秘密ではないかと思われます。 和田(2017)が紹介している東日本での混群の中核種は主にエナガと述べている点は、 移動速度がほかの種よりも早く、いち早く獲物の位置を補足できる能力にたけているからとも考えられます。 (引用) 和田岳.2017.身近な鳥からの鳥類学.第35回カラ類の混群に混じる鳥. むくどり通信.2017年1月号.p9.日本野鳥の会大阪. 近藤雅也.2024.バードリサーチ調査研究支援プロジェクト. 第4回バードリサーチ賞 受賞調査研究プラン. (参考) 斎藤安行.華麗なる野鳥飛翔図鑑.pp191.文一総合出版. (写真) コゲラ:2025年9月25日柏市、ヤマガラ:2020年10月25日柏市、 シジュウカラ:2025年9月26日都内、エナガ:2023年12月23日柏市 メジロ:2025年3月15日柏市で撮影 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.09.27 19:37:36
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