2009/12/27(日)11:00
box 92 ~美莉~
行ってきますのキス。行ってらっしゃいのキス。
お互いにどちらがどちらにしても、ただいつもどおり、玄関先でのキスだと、
軽い気持ちで受けた私は、
ケースケの唇から与えられる愛情の量に、
一瞬、しゃがみこみそうになってしまう。
・・・どーして・・・。
よろけそうになる私のコシに手を添え、片手は顎からはずして私の手をとり、
ケースケはその手ごと、壁に私を押し付けた。
そしてずっとずっと続けられるキス。
・・・こんなキスされたら、、とても立ってはいられない。
私は自由な方の手で、ケースケの背中に触れ、シャツを握った。
唇を離しては、また、重ね、何度も何度も繰り返し、乱れた息で、私からやっと離れるケースケ。
自然に私はケースケの胸の中に凭れこんでいた。
やさしく髪を撫ぜてくれるケースケ。
ゆっくりと深呼吸を重ねる私。
「・・・ミリ。。?」
私は静かに顔を上げた。ケースケはエロイ目つきで私を見下ろしてイジワルにたずねる。
「どした?ひょっとして、キスだけでイっちゃった?」
「・・バカっ」
口を尖らせてそう言った私だけれど、、、。本当に、ただキスだけで、とってもとっても気持ちよくて。
「バカってなんだよ?」
「だって、、びっくりして、、、軽いキスだと思ってたもん」
「いいだろ、別に?・・気持ちよかったろ?」
「・・・そりゃ、、そうだけど、、、」
「俺から・・離れられないだろ?」
ポツリと耳元に囁くように呟くケースケ。はっとして、ケースケの瞳を覗き込む。
ただ得意げに微笑むケースケの笑顔。
・・・・軽い冗談、だよね。
私は、ほっとし、はっとしたことがばれないように、
「それはそっちでしょ?」
って軽く言ってから、玄関に向かう。
背中を向けて、一瞬だけきつく目を閉じる。
・・・お願い、ケースケ、もう、これ以上、、、。
泣き出しそうになるのを必死でこらえながら、私は、強く思う。
・・・もうこれ以上、ココロを揺らされたくない。