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「・・もうちょっと、赤い方がいいかな」
そんなこと言ったのは、もちろん、こじつけで。 楓をリラックスさせるための冗談のつもりで軽く口づけた楓の柔らかい唇と、頬を染めた楓のカワイさに、軽いキス、じゃ、とどまれなくなったからなんだ。 そっと顔を近づけると、ハズカシそうに目を閉じてしまった楓がさらに愛おしくて、 ・・・どうせ誰も見てやしないんだ。 と、オレは今度は、本気のキスをするつもりで、唇を触れさせた。 ら。 ガチャ。 と、ドアの開く音。 に。 当然驚いて、すぐに唇をはずして、オレの胸を押して離れようとした楓。だけど、オレは、反射的に、楓の腰を抱いて、さらに抱き寄せて、予定通り本気のキスをした。 というか。 ・・・してしまったんだよな。 だって、その瞬間、オレの中では、 誰かに見られる、という、羞恥心よりも、 キスを中断なんてできるかよっ、という思いが、大きくて。 「・・・っ・・・」 キスした瞬間に、オレの胸を押す手からは力が抜けたが、キスの最中に唇のスキマから、楓が、抗議の吐息を漏らす。その息の熱さに、ヤバイくらい恥ずかしがってることに気づき、俺は、そっと、唇をはずした。 視界の隅には、ゆっくりと開いてくるドア。 目の前には、さらに上気した頬と潤んだ瞳で可愛く睨んでくる楓。 その、拗ねてとがらせた唇に否応なく誘われて、懲りずにもう一度口づけようとた瞬間に、 ドアの影から顔が覗き、息をのむような音に続いて、あきれたようなツッコミ声が聞こえた。 「っ!!・・・ちょっと、おにいちゃんっ」
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最終更新日
2012.01.27 00:59:08
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