バリでの出来事~あらすじ2ヨンジュはジェミンの車を運転し自分の家の前に停めた。すると二日酔いのため情けない寝顔で助手席で眠っていたジェミンが目を覚ました。 「親の前ではつくろって・・・お互い様なんだから。」 だらしなく眠るジェミンの姿にそう言い捨てて、ヨンジュは自宅に入って行くと ジェミンはその後ろ姿を見送り、にやりと笑った。 ヨンジュは自分の部屋に入るとバックをベッドに投げだし、そのまま倒れ込んだ。 (あんな男のために、好きなイヌクと別れなければならなかったなんて・・・)と、 ヨンジュはあまりに情けない結婚相手に、いらだたしさを押さえることが出来なかった。 愛するイヌクは自分の婚約を知って、自ら転勤を申し出て今は遠いジャカルタに暮らしている。 「逢いたい・・・せめて最後にもう一度イヌクに逢いたい」 一筋の涙がヨンジュの頬をぬらした。 翌日、ジェミンが会社に行くとヨンジュが一人で旅行に行ったことを知るのだった。 「婚約者を一人旅行に出したままで良いのか」と、ジェミンの兄が情けなさそうに伝えた。 ジェミンは早速秘書にヨンジュの行く先を調べさせて、その晩泊まっているはずのホテルに 何度も電話をかけたが、とうとうヨンジュは電話に出ることがなかった。 ヨンジュはジャカルタにいるイヌクのアパートに向かっていたのだった。 ドアのチャイムを押すと「どなた?」と懐かしいイヌクの声が聞こえた。 イヌクが驚いたようにドアを開けると、何も言わずに中に入りこんでから言った。 「やっと見つけたわ」 ふっと苦笑いをするイヌクは、「ビールでも飲むか」と聞くとそのとたん、 ヨンジュはイヌクに平手打ちをした。 「何故、黙って去っていったの」 プライドが高いヨンジュは、素直に逢いたかったと言えなかったのだった。 ソファに座って、 「ああ頭にくるわ・・何であなたは貧しいの?」と吐き捨てるように言った。 イヌクは苦笑いをしながら 「本当だ・・・」と答える。 「今でも私を愛してる?」ヨンジュが聞くと 「どう答えてほしい?」とイヌクは聞いた。 「もう愛してないと言って・・」 ヨンジュはそう言って、イヌクの肩に寄りかかった。 「私がここにいる間は、私のそばにいて。」 「ああ」 ヨンジュはやがて眠りについた。 翌朝、ヨンジュが目を覚ますと隣の部屋に朝食が用意されていた。 イヌクが作ったものであった。 ヨンジュが起きて隣の部屋に行くと、イヌクは丁度出かける前で 「鍵は管理人に預けて行け」とヨンジュの顔を見ると言った。 それを聞いたヨンジュは、「ここにいる間は私と一緒にいてくれると言ったじゃない」と 怒りだし、寝室に行って靴をもどかしく履き上着をとって帰ろうとした。 「何を怒っているんだ・・」 イヌクがヨンジュの腕をつかみ引き留めると 「ここで過ごす時間が私の最後の時間よ。帰ったら別の人生を歩き出すわ」 と、ヨンジュが悲しげに答えた。 ヨンジュの心の叫びを聞いたように感じたイヌクは、引き留めた腕から手を 離し、会社に電話をかけ今日は仕事に行けないと告げた。 「どうしたい?」 「いつか二人で無人島に行きたいと話したことがあったわね・・」 とヨンジュはイヌクに言うのだった。 ジャンル別一覧
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