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チョ・インソン~ジェミンに恋して

チョ・インソン~ジェミンに恋して

バリでの出来事~あらすじ7

        バリでの出来事~あらすじ7



今日案内するのは、韓国のP財閥の次男坊だと聞かされていたスジョンは、イヌクが

その次男坊ではないかと勝手に思いこんでいた。

「一人旅らしい」と聞いていたので、昨夜一人でいたイヌクが御曹司に間違いないと思い

丁寧に挨拶をした。

「昨日は失礼しました。男の人はみんなそう言うところに行きたがるものですから」

と、イヌクに言うと

「知り合いか?」

とジェミンがおもしろそうに聞いた。


バリにて


「いいえ」

イヌクが不機嫌そうに答えると、そこにヨンジュがやってきた。

「この車なの?」

と言い、さっさと乗り込もうとすると

「おまえも行くのか?」

ジェミンは優しく笑いながら、自分も車に乗り込んだ。

その後イヌクも後ろの座席に乗った。

あわよくば御曹司に気に入られようと念入りに化粧をしてきたスジョンは、美しい女の出現で

あてが外れ、少しふてくされたようすになるのだった。

ともあれ、ガイドとしてのスジョンは車を走らせた。

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狭い車内でおまけにクッションが決して良いとは言えない車の中で、スジョンは気を取り直して

笑顔をつくって言った。

「地上最後の楽園バリ島にようこそ。わお~~」

盛り上げようとしたのだが、3人とも押し黙っていた。

「バリ島の広さは済州島の約3倍で、人工は3百万人。インドネシアでは9割がイスラム教ですが、

バリはヒンドウー教が盛んで独特な文化を有しています。創造神・信仰神など多様な神々がまつられており、

タナロット寺院を始め見所も多様です。」

運転をしながらガイドするスジョンであったが、全く3人の反応がないので

「バリは初めてですか?」

と思い切り作り笑顔で聞いたのだが、相変わらず車内はし~んと静まり返っていた。

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やりがいのないガイドを、不満そうに口をとんがらせてスジョンは続けた。

「代表的なタナロ・・」

と、説明を始めたそのとき

「うるさいわね。静かにして。」

とヨンジュが、いかにも不機嫌そうに説明を遮った。

バックミラーで後ろを見ると、それぞれが何かしらけているように見えた。

013.jpg

仕方なく

「うるさがられるお客様がいらっしゃるので、目的地に着くまで車窓を鑑賞してください」

と、言いガイドをやめた。

(何なの、この人達は・・)スジョンは先が思いやられると思った。

やがてタナロット寺院に着き、一行はバスから降りると

「入場券を買ってきますから、ちょっと待っててください。」

と、スジョンはなにやら大きなリュックを担いで走り去った。

戻ってきたスジョンは

「半ズボンは禁制なので、これを巻いてください。」

とつっけんどうに、ジェミンに腰に巻くように布を渡した。

ヨンジュとイヌクにも渡したが、イヌクには丁寧に渡し巻くのを手伝おうとさえしていた。

「あら・まあ。なんて素敵な腹筋なんでしょう」

薄いシャツごしに見えたイヌクの見事な腹筋をほめた。

「えっ?」

とイヌクが怪訝そうに言うと

「ええ、亀の甲羅みたいですよ。あの・・筋肉の編み目がこうきれいで・・」

とスジョンはにこやかに答えた。

しかし、イヌクは手伝おうとするスジョンの手を払いのけ、さっさと歩き始めた。

それを見て、ヨンジュも後を追った。

「お嬢さん、これはどうやるんだ?」

と、巻けないでいるジェミンが声をかけると

「もう・・・自分のことは自分でやってくださいよ」

と、いかにも面倒くさそうに布を奪いとって、ジェミンの腰に巻き付けるスジョンだった。


バリ寺院


途中、崖にある階段を上ろうとしたときに、ジェミンもイヌクも同時にヨンジュに手を差しのべた。

ジェミンは『何でおまえが手を差し出すんだ・・・』とでも言うかのように、イヌクをにらみつけると、

ヨンジュは一瞬たじろぎ、ジェミンの手を握った。

よけいな事をしてしまったと・・・・イヌクは心の中で後悔するのだった。

ジェミンは何気ない二人の仕草で、ヨンジュとイヌクがただならぬ関係なのではないかと

次第に確信を深めていくのだった。



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