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大きなワンプレートで昼食を食べてるセイルのところに、メイキがやって来て言った。
「どうですか?お口にあわないとは思いますが、機会があれば得意のカレーをご馳走しますよ。」 「いえ、美味しいですよ。カレーですか、いいですね。それより、私、あのミキとかいう二ホン人と一緒に二ホンへ行かないといけないのですか。あの人、苦手なのです、嫌ですわ。」 「あははは、そうですか。そうですよね。あははは。」 「二ホンという国は興味があります。行ってみたいと思っています。でも、あの人と一緒というのはどうも。」 セイルはお嬢様と呼んでいた三木がセイルちゃんと呼び始めたことに嫌悪感を抱いていた。メイキから自分を守れと命令したのが三木であると聞かされても、初めて会った時から自分をコバカにしていた三木を好きになれなかった。 「お嬢ちゃん、俺もあの方が嫌いだったんだよ。だって、戦って敗れた敵国の人だよ。殺してやりたいと思うのが当然だろう。ところが、上官があの方の命令に従えと言うんだ。俺は軍人、命には従う。でも、嫌だ、嫌いだと思って仕えたら、身も心も削られる。だから、嫌なことを見ないで、凄いところをみようと思って仕えているんだ。そうしたら、凄いところがいっぱいあって、今ではあの方の下で働いて良かったと思っているんだ。お嬢ちゃんだって、嫌な人を嫌だなって見ると神経擦り減らすけど、面白いな、不思議だなって見ると面白くなると思うよ。どうせ、避けられないんだから。」 「・・・・・・・」 「お嬢ちゃんとはシュラリべ共和国で会っている、あの時は強くて立派な娘だった。前にも言ったよね。明日は明日の風が吹く。なるようにしかならないさ。セイル外交官殿。」と片目を瞑って、メイキは去っていった。 運転席に戻ったメイキは、食事を終えて助手席で消音銃の手入れをしている三木を見て、(あんなに嫌われているとは)と思わず笑った。 「何が可笑しい。」と三木が怪訝な顔をする。 「いえ、別に。ところで、トレツでの検問、どうします。」 「街に入るのは問題ないだろう。どうも検問所はカメリルが造ったもののようで、カメリル側にはないようだ。ナクルと同じでいい。出れば追ってこないだろう。来たらロケット弾で爆破。隊員にも伝えておいて下さい。それから、荷台の穴だらけのホロ、何とかならないのですか。街中を走るには不自然すぎる。」と三木。 「予備があるかもしれません。確認します。」そう言ってメイキは再び運転席を降りた。 メイキは予備のホロがあるのを確認すると、食後の後始末をしている隊員たちを呼び寄せてホロを交換させた。そして、三木の方針を伝えると、隊員たちがまたじゃんけんを始めた。メイキはそれを笑いながら眺め、出発の合図をして。運転席に戻った。 トラックはゆっくりと駐車スペースから道路に戻るとトレツに向かって走り出した。のどかな田園地帯がしばらく続いていたが、やがて道路脇の住宅や店舗が増えてくる。街に入ったようだが予想通り検問所はない。 セイルはホロの隙間から街並みを覗く。トレツはセイルにとって懐かしい街なのである。セイルが正義院議員になったとき、何も分からないセイルにいろいろ教えてくれたのがこの街の出身ハルルであった。そして、よくこの街を訪れていたのだ。 トラックは街中を走り、やがて街の出口の検問所に近づいていくとスピードを落とし、 検問所に達すると急に速く走る。検問所にいた兵は唖然として追ってもこない。唖然としているのは荷台のロケット砲を手にしている隊員たちも同じ。他の隊員は手を叩いて喜んでいる。トラックはガーゴの街へ向かった。 注) 小説「時空を超えて」をハーメルンという小説投稿サイトに載せていますので、先にご覧ください。 PCでもスマホでも「ハーメルン」と検索し、「時空を超えて」と小説検索すれば閲覧できます。 もちろん無料で、ログインしなくても読めます。この拙い小説もハーメルンに投稿しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 7, 2026 07:57:40 AM
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