かえるネット福岡

2009/12/19(土)10:16

平和大会レポート

平和大会が、12月11日~13日まで、神奈川県で開催されました。 平和大会に参加した、ひろこさんからレポートを寄せてもらいました。 日本平和大会に参加して、基地や安保の問題を学び、日本の平和について考える機会がもてました。今まで、基地のある街には住んだことはなく、基地問題についてあまり身近に感じていませんでした。けれど、この問題は日本人みんなが考えていかなければいけない問題だと感じました。 基地があることでの危険性と、もたらされる被害は大変なものであることを知りました。 会場となった横須賀市にはアメリカの原子力空母が配備されています。3300万人が暮らす人口密集地であるため、原発も造れない場所ですが、そのような場所に原発よりも数倍も危険とされる原子力空母があることに衝撃を受けました。 動く分科会に参加し、横須賀基地の周辺を船で回ったのですが、原子力空母の周りには燃料タンクの島やミサイルを備えたいくつもの艦船があり、本当に危険な場所であることを認識しました。何かの不具合などで爆発が起これば一瞬にして何百万人の命が奪われる可能性があります。 基地による被害も私の想像をはるかに超えるものでした。厚木基地の周辺の戦闘機による騒音被害を映像で見ました。窓を閉めていても会話は遮断され、テレビの音も聞こえません。ただうるさいだけではなく、お腹の底に響くような騒音で、恐怖感を抱くような音でした。自分がそこに住んで、毎日この騒音に耐えなければならないと考えると、周辺に住む人たちは大変な苦労を強いられていると思います。実際に、騒音に悩まされ、不眠症や高血圧などの健康被害を抱えている方も多いそうです。 米兵による犯罪も深刻な問題だと知りました。閉会総会では米兵による犯罪の被害を受けた2人の方がお話してくれました。米兵に奥さんを殺された山崎さんは犯人が妻に声をかける映像や暴行を行った映像があるにも関わらず、それらは一切見せてもらえず、初めは犯人扱いまでされたそうです。 2人とも刑事告訴は不起訴とされ、民事訴訟を起こしました。日米間での密約があり、米軍が公務外で起こした犯罪についてはできる限り日本が裁判権を行使しないことになっていることを知りました。犯罪の被害に遭い、一番つらい立場にいる被害者が自分で裁判を起こさなければ真実は何も分からないし、被害者ということも認められない事実にどれだけ追い詰められなければならないのかと思いました。 3日間を通して、アメリカと日本の間の不平等な関係を改めて実感しました。原子力空母やミサイル、核兵器の危険、騒音被害、米兵の犯罪。どうして日本の中で暮らす日本人がこれだけアメリカに苦しめられなければならないのだろうと思います。その上、思いやり予算や基地の建設費用などを日本のお金からだし、アメリカの顔色を伺っている日本の政治は本当におかしいと思いました。民主党は普天間基地の移設問題であいまいな態度をとり続けていますが、基地のある街に住み、被害を受けている住民のことを一番に考えるなら、基地を日本からなくす立場に立つべきと思います。安保条約や不平等な日米関係を変えようとする姿勢を持ってほしいです。 大事だなと感じたことは基地をどこかに移して住民の負担を分散するという問題ではないということです。基地のある沖縄の人も、神奈川の人も基地を他の県に移して欲しいのではないと言っていました。自分のところでいらないものは日本のどこにもいらない、未来に基地を残したくない、そう言われていたのが印象的でした。 誰もが平和の中で幸せに生きる権利を持っているのに、基地のある街に住んでいることでその権利が奪われています。どこで暮らしても権利が守られるために、基地のある街だけでなく、基地のない街からも声を上げていかなければならないと思いました。

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