歯科コンサルって???どこに?どんな人に?依頼したらいいの?
今回は、歯科医院を経営するにあたり、非常に両立が難しい医療とビジネスの課題です。本記事では、歯科コンサルティングの役割と重要性、集患・人材育成・収益向上の具体的な解決策を紹介。コンサル活用のメリット・デメリットも解説します。またどんなコンサルに依頼すべきか、自院にあったコンサルってどんなコンサルか?をお伝えします。はじめに歯科医院の経営は、医療サービスの提供とビジネスの両立が求められる難しい課題に直面しています。患者さんへの質の高い治療を提供しながら、経営の効率化と収益性の向上を図る必要があるのです。このような状況下で、歯科医院はコンサルタントの力を借りることで、経営改善と業績向上を実現できます。ただしそれは「現場を理解し詳しいコンサルであること」が前提です。例えば、歯科医院で使用する材料名も知らない、咬合に関して知識がない、治療手順は言えてもアシストもできない。など現場を知らないコンサルは沢山存在します。F社やC社は典型例ですね。トレンドや情報弱者の歯科医師向け「なんちゃって豆知識」だけをしゃべって帰るコンサルは「偽物」だと思ってください。「え?あの大手のコンサルが?」と先生方から質問されるケースがあります。はい。その通りです。では、大手コンサルの担当者へ一回聞いてみてください。「フルデンチャーを作る際、印象を取る時にAトレーを使用する場合のアルギン酸の適正量を教えて」答えは「わかりません」です。今まで答えられたコンサルはほとんど存在しません。たかがアルギン酸の適正量を知らないの?と思いますが、知りません。それでどのようにして、歯科を理解して経営改善や業績改善ができるのでしょうか。読者の皆様にはその点をご理解いただいた上で、「現場を理解しているコンサルが支援すれば」を前提として、歯科コンサルティングの役割と重要性、さまざまなサービス内容、利用のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。①歯科コンサルティングの役割と重要性歯科コンサルティングは、歯科医院の経営課題を専門的な視点から分析し、具体的な解決策を提案するサービスです。コンサルタントは、医院の現状を客観的に評価し、目標達成のための戦略を立案、実行支援を行います。②集患・マーケティング支援歯科医院にとって最も重要な課題の一つが集患です。コンサルタントは、医院の立地や周辺環境、ターゲット層を分析し、効果的な集患アプローチを提案します。院内接遇(患者間紹介増加を目的とした)、ウェブサイトの改善、SNSマーケティング、イベントの企画など、具体的な施策をサポートします。集患活動はもともと、商圏が小さい歯科業界では地域一番を目指すべきです。コンサルタントは、地域での認知度向上と選ばれる医院になるための戦略を立案し、実践をサポートします。③組織マネジメント・人材育成支援優秀な人材を確保し、適切に育成することが医院経営の鍵となります。コンサルタントは、スタッフが「辞めない」組織を作ることが重要でそのために、組織体制の見直しや役割分担の最適化、人事評価制度の構築などを提案します。また、スタッフ研修や教育プログラムの策定、モチベーション向上施策にも携わります。人材不足は深刻な課題ですが、コンサルタントは従業員の定着率UP、採用支援や人材育成ソリューションを提供することで、この問題の解決に貢献します。④経営改善・収益向上支援歯科医院の経営課題は、3つの視点があります。1つ目は、コスト面です。現場で日々使用する材料が適正な価格か?技工代や材料費、代替え材料をはじめ歯科で係る費用のあらゆるコストを把握し、低減できるよう把握・見直しを行います。マスク1枚、トレーシート1枚の価格にまでコストを把握し、常に情報提供や徹底した出費改善を提案します。その結果収益性向上を図ります。2つ目が、業務プロセスの見直し、診療体制の最適化、自費診療メニューの充実化と決定精度の向上です。現場オペレーションを見直すことで、人材の適正配置を行え収益性向上を可能にします。更に自動釣り銭機をや予約システムの導入などで業務効率化を図ります。3つ目がキャンセル率低減を含めた、「患者」対策になります。定期的にメンテナンス受診を含め、キャンセル率をコントロールする仕組みやキャンセル予防策を講じます。その結果、15%のキャンセル率が10%まで低減すれば「たった5%」ですが、金額に換算すると大きな収益改善につながります。さて、ここまでコンサルタントがサポートできる支援や役割などについて、いくつか解説してきました。その中でも近年注目されているのが、「デジタル化」です。デジタル化と言っても情報発信、院内おペーレーション改善、患者さんの利便性向上など様々なデジタル化があります。現代の医院経営にはデジタル化は欠かせない要素となっています。何から手をつければ良いか?自分のクリニックに合ったデジタルツールは何か?コンサルタントは、クリニックの実情に合わせたデジタル化を推進させねばなりません。ウェブサイトの構築・運営、SNSマーケティング、オンライン予約システムの導入など、クリニックの状況や運用可能度合いを考慮しつつデジタル化を包括的にサポートしていきます。歯科コンサルティングのメリット・デメリット歯科コンサルティングを利用する際は、メリットとデメリットを十分に理解しておく必要があります。ここでは正直かつ大胆にご説明いたします。◎メリット客観的な視点から医院の課題を把握できる専門知識に基づいた具体的な解決策が提案される院長がコア業務に専念できるようサポートしてくれる人材採用・育成、マネジメントなど幅広い支援を受けられる収益性向上に向けた「コスト管理」が可能となる他院の失敗談や成功体験を参考にすることが可能雑務を含めた事務業務の外注が可能になるデメリットコンサルティング料金が発生するコンサルタントの質や得意分野によってサービスに差があるあまりにも利益重視の体制になる可能性がある医院の理念に合わない提案をされるリスクがある単なる情報屋が担当となってしまい適切なサポートが受けられない来て欲しい時、ちょっと聞きたい時、契約内容や契約範囲によっては対応外になる場合がある歯科診療の知識がないコンサルタントが多く、現場知識がないので、話が噛み合いわないことが多いまとめ歯科コンサルティングは、歯科医院の経営課題を専門的な知見で解決するための強力なツールです。ただし、それは歯科診療の「現場」を理解しているコンサル担当者が担当をしたことが前提となります。「現場」を知っているコンサルタントが支援に入ると、集患から人材育成、業務効率化まで、幅広い分野でサポートを受けられます。注意点として、コンサルタントの費用対効果には注意が必要です。歯科医院は、自院の課題や目標を明確にした上で、適切なコンサルタントを選び、理念に合った提案を受けることが重要です。コンサルタントと医院が一体となって取り組むことで、経営の活性化と持続的な成長を実現できるでしょう。