合唱コンクールに対する私見
第75回全日本合唱コンクール全国大会がすべて終了して10日ほど過ぎました。昨年、新しく常設団体になった男声合唱団に入って、全日本合唱コンクールに参加し都大会を抜け、全国大会でも同声部門1位金賞という、ある意味コンクールの頂点に行ってしまいました。そして今年はシード団体としていきなり全国大会に出場、3位金賞という成績となりました。ということで、コンクール全般を経験したのを踏まえて、合唱コンクールに対する私見を書いてみたいと思います。合唱や吹奏楽のアマチュア対象のコンクールに対しては、いろいろな意見があります。音楽に順位をつけるのは間違っている。審査基準が明確ではなく、審査員の好みで結果が左右される。とくに学生さんですが、コンクールで良い成績を取ることが目標となってしまっているため、ブラック部活問題などが発生している。これらは全てある意味事実でもあり正論でもあるかと思っています。では、なぜ自分自身がコンクールに参加しているのかを振り返って考えてみると、一番の原点としては、メンバーと一緒に創った音楽を多くの人に聴いてもらいたいということだと思います。多くの人に聴いて頂く方法としては、演奏会とかイベントで演奏するというのももちろんありますが、コンクールの特徴として、少ない曲を徹底的に追及した演奏が出来る。いろんな他団体と比較して自分たちに不足している点などを客観的に見つめ直すことが出来る。ということが、通常の演奏会とは違った面になるかと思っています。井の中の蛙にならず、いろんな音楽へのアプローチを実感できる場なのではないかと思っています。私の中で、音楽を演奏する意味というのは、聴いて頂いた人の心を動かすことだと思っています。聴衆無しでの音楽芸術は成立しないと思っています。ただし、人の心を動かす演奏というのは、そんなに簡単なものではなく、その目的を達成するためのツールの一つがコンクールなのだと思っています。