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テーマ:ゲーム日記(30973)
カテゴリ:社会人のゲーム事情
「スーパーロボット大戦」の記念すべき第一作がGBにて発売されてからすでに15年
近くの歳月が経過いたしました。 FC版を経て、SFC版の「第3次スーパーロボット大戦」から徐々に人気に火がつき、 現在でも様々なプラットホームにて発売されております。 複数のハードで発売された人気シリーズは数あれど、 GB、GBA、FC、SFC、N64、GC、WS、SS、DC、PS、PS2 これだけのハードで展開されたシリーズは同シリーズ以外ではちょっと見当たりません。 まさにハードを選ばない稀有なタイトルでもあります。 今回ご紹介するのは、同シリーズのシステムを継承しながらもまったく別の方向へと 訴求対象をシフトした一品。その名も「スーパー特撮大戦2001」です。 同シリーズの歴史からは完全に黙殺されているのが少々気にかかりますが、そんなメーカー の思惑など軽やかに無視し、掘り起こしを進めたいと思います。w さて、本作品をご紹介する前に簡単に背景をご説明しておきたいと思います。 「スーパーロボット大戦」とはシステムが異なるものの、設定上繋がりもある「ヒーロー戦記」 というSFCソフトがあります。 後に少ないながらもシリーズ化される「スーパーヒーロー作戦」の元となった作品ですが、 実はこの作品、ヒーローと謳ってはいるものの、何故かガンダムも出てくる意味不明の 仕様で、この不自然極まりない設定ひとつとって見ても、この種のキャラクターゲームが いかに「ガンダム」に依存しているかが窺い知れます。 しかし、タイトルを御覧になればお分かりのように本作品にはガンダムもマジンガーZも 登場しません。 ”特撮”です。特撮とは実写です。CGのことじゃありません。 身も蓋もないですが、これ以上ないくらいわかりやすいタイトルだといえます。 更に、本作品に登場するキャラクターを見ればその偏りっぷりに度肝を抜かれることは 間違いありません。羅列になりますが、省略せず全部ご紹介します。 ・仮面ライダー(1号・2号) ・仮面ライダーV3 ・仮面ライダーBLACK(RX) ・ウルトラマン(初代) ・ウルトラセブン ・帰ってきたウルトラマン ・ジャイアントロボ ・スーパーロボットレッドバロン ・大鉄人17(ワンセブン) ・人造人間キカイダー ・キカイダー01 ・イナズマン(F) ・秘密戦隊ゴレンジャー ・宇宙刑事ギャバン ・宇宙刑事シャリバン ・宇宙刑事シャイダー ・・・いかがでしょう? キてますw、アホです(←ホメ言葉)最新作の「仮面ライダーBLACK RX」にしても 20年近くも前の作品です。 女子供はカエレ! 付いてこれないヤツは付いてくるな! という無言のメッセージが強烈に伝わってきませんか? そう、これはゲーム界のロックンロールなのですw 先の「スーパーヒーロー作戦」を例に挙げるまでもなく、「スーパーロボット大戦」シリーズ の方法論として、登場キャラクターの選定については新旧取り混ぜて行うのが暗黙のルール となっており、ファーストガンダム原理主義者も、SEED最高!の小僧もまとめて 面倒みるぜというか、あわよくば双方新たなマーケットの開拓ができれば超ラッキー! というようなスケベ心が見えなくもないですが、ともかく保険的な意味合いも含めた 煮え切らない構成がスタンダードとなりつつあった頃だけに、このタイトル群には 強烈すぎるインパクトがあったわけです。 昭和40年代生まれの男子のみにスナイプした本作。 当然その他のユーザーは一切眼中にないわけですが、マーケティングの観点から 捉えた場合、現状のゲーム購買層の主力という実情を鑑みれば、一応ターゲットは 間違っていないともいえますが、如何せんいくら狙いが良くても銃に込める弾丸が 出鱈目では話になりません。 たとえて言うなら実弾だと思っていたものが模擬弾どころかBB弾だったようなもの でしょうか? ともかく、大きな的にもかかわらず着弾率が非常に悪かったのは笑えない結果となりました。 大体余程のスキ者でもない限り「ワンセブン」や「レッドバロン」なんて知りませんってw よしんば記憶の片隅に残っていたとしても、ストーリーやキャラクターまで把握している のは同世代でも極めて特殊な”選ばれた民”以外にはありません。 要はそこのところがどこまで購買に結びつくのかって冷静に考えれば、目隠しして針の穴を 通すようなものと容易に気付くのでしょうが、熱いパトスは時に人を盲目にするようですw 肝心の中身についてですが、一言で言えば不良品です。 基本は「スーパーロボット大戦」のシステムを踏襲していますが、「α」より後発にも かかわらず、平面マップに顔面ユニット。退化してますw しかも顔面ユニットは変身前だと人間の顔だけがマップ上に点在し、かなり不気味です。 戦闘シーンは更に退化し、一切セリフの音声はありません。 必殺技等の一部の攻撃で、フィルムをまんま使っているのはありますが、いずれにしても 手抜きであることに違いはありません。 基本的な流れとしましては序盤にザコ(戦闘員)を倒して気力を上げ、変身してボスを 倒す、といった感じです。 主人公はオリジナルで、バイオ系(自分で変身する)とメタル系(生身の人間が強化服を 着る)が選べ、それぞれ微妙に異なるシナリオが2本遊べます。 仕様なのかバグなのかはわかりませんが、理不尽極まるシステム(弾数制限があるユニット がインターミッションで補給されない(できない))とか、破綻しまくったシナリオとか いちいち挙げていてはキリがありません。 特に「スパロボ」に慣れた方であればあるほど納得できないこと請け合いです。 しかし「スパロボ」とは決定的に異なり、尚且つ一番厄介なのは「ウルトラマン」をはじめ とする「巨大ユニット」の存在です。 この「巨大ユニット」は、マップ上では等身大ユニットの2倍強の大きさがあり、同時に マップ上に存在するとそこはかとなく笑えるのですが、問題はこの「巨大ユニット」は いずれもほぼ特定のシナリオでしか使えない、という点であります。 加えて、そのほとんど使っていない「巨大ユニット」のみでクリアしなければならない シナリオとか、下手をすればクリア不能の事態に陥ってしまうような場面が多々あります。 これが為に「デバッグどころかテストプレイすらしてねーんじゃネーの」って 陰口を叩かれる原因となっています。 心ある好事家もこのゲームに辛い評価をせざるを得ないのは、ひとえにゲームとして 完成した商品のレベルに達していないからに他なりません。 しかし、シナリオについては中途半端なぶつ切り感は否めないものの、 製作者の原作に対する熱い思いだけは痛いほど伝わります。 細々したところが妙に凝っていたりしますので、原作に造詣の深い方であればニヤリと させられる部分は少なくないでしょう。 極めてマニアックな層にピンポイントで訴求している分、ゲームのできとしては 最低ながらもどこか許せてしまう、そんな作品です。 言い換えれば登場するキャラクターに思い入れがなければ、「スパロボ」もどきの 完全無欠なクソゲーですねw いずれにしても思いっきり人を選ぶので、その道に通じていなければ避けて通るのが 無難だと思います。 余談ですが、このゲームのイカレっぷりと、同社の「クイズキャラおけドン!」 の問題がマニアックすぎて全然解けないのは多分無関係ではないと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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