2005/11/04(金)11:35
中韓キムチ戦争の拡大
先日のニュースにて、韓国が中国産の輸入キムチに寄生虫の卵が付着していたという
報道を受けて、今度は中国が韓国産輸入キムチから同じく寄生虫の卵が発見され、
しかもメーカー名まで公表して応酬した。
韓国は更に事実無根の報復行為だと非難し、当該のメーカーは中国に輸出した実績はなく、
中国国内で生産されたニセモノであると反論し、泥沼化の様相を呈している。
ところへまたまた、韓国国内から、国産キムチメーカー製品の3.2%から寄生虫の卵が
検出されたと発表。
そのメーカーの中には日本向けに輸出していたメーカーも含まれ、中韓に端を発した
キムチ戦争は日本にまで飛び火している。↓↓↓↓↓
http://news.www.infoseek.co.jp/world/story.html?q=04mainichiF1104m131&cat=2
最初にこのニュースを目にしたときは、正直”どっちもどっち”くらいの印象しか
持っていなかった。
ここで彼の国の衛生事情を論じるつもりはないが、日本と比べてどうかといえば、
両国とも間違いなく日本の足元にも及ばないであろう。
日本は特に衛生面について、病的なほど神経質な民族であるといえる。
話は逸れるが、そのことを端的に表すエピソードがある。
時は明治時代の日露戦争の頃。
先の日清戦争にて、時の明治政府は海外遠征の兵士の死亡原因が、交戦によるものでは
なく、現地にて伝染病等で命を落としたものが圧倒的に多いことに着目。
当時の世界的にも珍しく、軍隊内の徹底した衛生面の向上をはかり、特効薬の開発に
成功する。
従軍する兵士達に服用を義務付けたその薬の名は、”征露丸”
現在でも”正露丸”として広く親しまれているこの薬は、もともと日露戦争を制する
要因であり、対露西亜戦の戦勝を記念して”征露丸”と名付けられたものである。
話を元に戻す。
日本人はとにかく病的なくらいキレイ好きな民族である。
一時に比べれば多少はマシになったが、かつて”抗菌・除菌”ブームの際は、台所周り
の製品のみならず、文房具とかにも派生していたのは意識せずとも記憶に新しい。
そんな民族性にも関わらず、肝心かなめの食品については、先進国の中でもダントツに
低い40%程度の食料自給率しかない。
つまり、日本人が生きていく為には、好む好まざるにかかわらず半分以上外国の食品を
食べざるを得ないということである。
勿論経済的に余裕のある方は国内産の食品のみに拘ることも不可能ではないだろうが、
外食とか、加工品の原材料や畜産物の飼料にまで遡って検証するのは市井の一民間人
にとっては非常な困難である。
悲しいことであるが、現実問題として何らかの形で外国産の食品を口にすること自体は
避けようもなく、そのことについては受け入れざるをえない。
日本人の食にまつわる危機的な情報は、前の日記にも書いた牛肉のBSE問題のみならず
過去には合成保存料や農薬、果ては遺伝子組み替え作物など、数え切れないくらい
多岐に渡っているといえる。
そのすべての危険性を排除しようとすると、もはや市販されている食品で安心して
口にすることができるものは皆無であるという笑えない現実がそこにある。
やれば実行可能な検査を経済的な理由から実施せず、安全性について不確かなモノを
売りつけようとする某国の態度には憤りを禁じえないが、此度の中韓キムチ戦争に
関しては起こるべくして起こった想定の範囲内であるというのが私の感想である。
そういう意味では韓国自らが自国の製品に対するマイナス情報を公開した事については
純粋に評価したい。
ま、単純に国内消費量が莫大であり、主食とも言える食品に対する自浄能力程度は
残されていたと見る向きが正しいのであろうが。
当然のことではあるがすべての韓国産および中国産のキムチが危険なわけでは決してない。
小売店も無思考状態で一斉撤去、みたいな馬鹿な真似は止めたほうがいい。
店側が安全である、という検証をまったく行っていないという事実を露呈して、
すべて生産側に責任を押し付けるような態度にはいつも疑問に思う。
最終的には何処から消費者の手に渡っているのか、という事実を直視し、流通の段階でも
何らかのチェックができる態勢というのが望ましいのではないだろうか。
衛生問題に関する日本人の意欲と取り組みからすれば、決して不可能ではないと思うが
如何であろうか?