266388 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

影男の屋根裏部屋

影男の屋根裏部屋

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Calendar

Headline News

Favorite Blog

くおんのゲーム探究… 久遠2873さん
ゲーム開発者のつぶ… ゲームクリエーターさん
ゲーム雑記 Mappiさん
空想科学の部屋 沙羅!(^0^)/さん

Comments

はーー@ Re:エスパー清田の末路(11/01) やたらマスコミ批判しているふりして自分…
書き人知らず。@ Re:『超人機メタルダー』(02/26) リアルタイムで見た人間にとって、少年時…
山風アレクサンドリア@ Re:新番組『リンカーン』について思うこと(10/20) 気持ち悪いなオマエ
http://buycialisonla.com/@ Re:ソフトバンクホークス誕生(12/26) buy cialis online europecanadian pharma…
generic_cialis@ generic cialis Hello! [URL=http://ventana-windsurf.co…

Archives

Oct , 2024
Sep , 2024
Aug , 2024
Jul , 2024
Jun , 2024

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Feb 14, 2006
XML
カテゴリ:身辺雑記
私にとってのバレンタインデーが単なる2月の折り返しであるという意味以外持たなく
なって久しいが、思い起こせば過去においてもそう現在と状況は変わらなかったなと
感じている今日この頃。

世の独身者の皆様方においては本日、何らかの期待と不安が渦巻いていることでしょう。

我が国においては一部の男子を奈落の底へと突き落としめ、多くの女子にとってはその気
がなくても多大なる先行投資の用にしか供さず、極く一部の男子にとっては一年で最も
虫歯に注意しなければならない日。

折しも先日の日曜日『世界ウルルン滞在記』というTV番組において、バレンタインデー
に合わせる形で原材料であるカカオの産地、エクアドルを訪ねた某女性タレントが、

「チョコは100円のモノをあげて5000円ぐらいのモノを返してくれる人にしかあげない」

などと放言しているのを聞きおよび、このずんぐりむっくりのドブス自称女優のどの口
からほざいているのかと仄かな殺意すら覚えたりもしましたが、そのロマンチックな
由来とは裏腹に、極めて冷徹な打算と駆引きによって成り立っている現状には憐憫の情を
禁じ得ません。

ま、今更バレンタインデーの商業主義的な側面を批判してみても始まらないので、私個人
の思い出話なんかをダラダラと書いてみようかなと思います。

冒頭にも書いたように、凡そ”モテ”というものにまったく縁のない青春時代を過ごした
私ですが、数少ない例外の年もありました。

現代ではどうか知らないのですが、私の小学校時分といえば、男子たるもの婦女子と
イチャつこうもんならそれこそ矢のような攻撃に耐えねばならない運命にありました。

まさに”男女七歳にして席を同じくせず”の精神であり、一歩間違えれば鬼畜米英とか
神風とか叫びかねない、そんな殺伐とした時代でありました。

私自身はと言えば、実はかなり早い時期から婦女子には多大なる関心があったものの、
世間の風潮に逆らってまでそれを表に出すような真似は控えるぐらいの分別は備えて
おりました。


出会いは突然に訪れました。

私が通っていた田舎の小学校は校区が異常に広く、第二次ベビーブーム世代の私達の頃
の教室は、それこそ佃煮にするくらいガキで溢れかえっていました。

ところへ都会から一人の転校生がやってきます。

肩甲骨あたりまで伸びた長く清潔な髪。上品な服。訛りのない洗練された言葉。

都会からきた彼女は、どの要素をとっても田舎の小汚い小娘とは一味も二味も違う雰囲気
をビンビン醸しだしておりました。

私を含む男子の面々は口にこそ出しませんでしたが、皆が皆この都会からきた天使の虜
となり、小汚い小娘共は露骨な敵意を剥き出しにしていたものでした。

天使は可憐でいてかつ意思の強い性格であったために、小汚い悪魔共のいちいち癇に
触るらしく、陰に日向に今で言ういじめらしきものが横行しておりました。

天使にとってはまさにたった一人で地獄に放り込まれたかのような完全無欠のアウェー
状態で誰一人味方することもなく、我々はと言えば卑怯にも皆見て見ぬふりをして
いたのです。

自分たちが責められる危険性がない、と判断した薄汚い悪鬼どもは、天使に対する
いじめをますますエスカレートさせていきました。

私は足りない頭で悩みに悩みました。

愛しい天使を救いたい。でも自分に攻撃の手を加えられるような事態は何としても
避けたい。

相反する虫のいい願いを解決すべく、恐らく一生の内でこれほど脳みそを酷使したことも
なかったでしょう。

そうして私が考え出した案というのが「彼女は実は不治の病に罹っている」という噂を
流すことでありました。

非常に消極的な手段ではありますが、人外の獣どもに残された最後の良心に賭けてみよう、
そう考えたのであります。

噂の出所が自分であることを悟られぬよう、巧妙な仕掛けを行い、非常に短期間でこの噂
を広めることに成功しました。

そして私の目論見通り、天使に対する嫌がらせは潮が引くように減っていき、遂には
皆無となったのです。

まるで今までそんな事実がなかったかの如く、天使と悪魔の関係は急速に修復され、
元より多少の罪悪感もあったのでしょうが、この学校にて初めての友達すらできたのです。

深い哀しみと怒りで結ばれた天使の口元は、いまや幸福と喜びの笑顔に溢れ、
私は文字通り天使の微笑みに酔いしれていました。

しかしそんな幸せの日々は大して長く続きませんでした。

私が流した無責任な噂は計らずも先生達の耳にも届くこととなり、その真偽を確かめる
べく天使本人にその噂が知られることとなったのです。

職員室に呼ばれて帰ってきた天使は、自分の席で突っ伏して泣き出してしまいました。

執拗な嫌がらせを受け続けても涙のひとつも流さなかった天使が、この時ばかりは人目も
はばからず号泣したのです。

私がその理由を知ったのは少しばかり後の話です。

実は天使には妹がおり、その妹というのが何と骨髄性何とかという難病に罹っていて
この時まったく予断を許さない状況であった、というのです。

私は激しく後悔しました。

私の軽はずみで無神経な行動が、何より天使を傷つけるような結果となってしまったこと。
自責の念に苛まれてもすべては手遅れです。

もし時を戻すことが可能なら、私はすべてを差し出しても悔いはありませんでした。

でもそんなことができるはずもない。

私がとれる唯一の方法は、天使にすべてを打ち明けて心からの謝罪をすることで
ありました。

そう決心はしたものの、中々きっかけが掴めない。

いたずらに時は過ぎ年の瀬も押し迫った頃、天使が年内に転校してしまうらしいという
情報を耳にした。

もう一刻の猶予もならない。
今謝罪をしておかなければ一生後味の悪い思いをすることになる。

ある日、とうとう意を決して学校から少し離れた天使の通学路で彼女を待ち伏せました。

しばらく経った後、天使が向こうから歩いてくる姿を発見しました。

心臓は早鐘のように打ち、必要以上の血液が供給されて体全体が火照ったような感じに
なり、耳鳴りに近い感覚とめまいに襲われました。

天使の前に立ちはだかる私。

何のことか訳もわからず訝しげに私を見つめる天使。

長い長い沈黙の後、私は天使に真実を語った。

他の女子にいじめられているのを何とか助けたかった。
妹の存在や、ましてや病気のことはまったく知らなかった。
彼女の心を傷つけてしまったことが心苦しく、ずっと謝りたかった。

・・・ということをしどろもどろになりながら喋ったはずなのだが、その時の状況は全く
覚えていない。

彼女の返事は強烈な平手打ちであった。

その瞳には大粒の涙が湛えられ、私は今更ながら事の重大さを噛みしめた。
無言で走り去る彼女の背を見ることもできず、私は呆然とその場に立ち尽くした・・・。

その年の二学期の終業式。

結局あれから一度も言葉も交わさなかった彼女が、遂に転校する日がきてしまった。

回覧されてきた寄せ書きの色紙に、私は「ごめんね」とだけ小さく書いて廻した。

教壇に立って最後の挨拶をする彼女。
ついに一度も彼女の顔を直視することが出来なかった・・・。


・・・翌年の2月14日。

学校から帰ってきた私に、母が小さな荷物を手渡した。

ピンク色のきれいな包装紙にくるまれた小さな箱には、差出人の名前がどこにもなかった。

不審に思ったものの、大して気にも留めずにバリバリと包装紙を破ると、中から上等
そうなチョコレートの箱がでてきた。

そして床に一枚のカードが落ちた。


拾い上げて見てみると、そこには一言


「ありがとう」


と書かれていた・・・。


























・・・・・・という妄想を今考えついたのですが、お楽しみいただけましたでしょうかw





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Feb 14, 2006 03:11:23 PM
コメント(4) | コメントを書く
[身辺雑記] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X