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May 25, 2006
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テーマ:ニュース(100160)
カテゴリ:時事あれこれ
本屋やレンタルビデオ店の一角に、1本\500で販売されているDVDソフトがある。
何社かレーベルがあるが、そのいずれにも共通するのが著作権保護期間を経過した過去の
作品、いわゆる”パブリック・ドメイン”(公共物)となったものであるという点である。

ところへこれに異を唱えているのがパラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション。
同社は名作『ローマの休日』の著作権所有を主張し、件の500円DVDに対して販売差し止めの
請求を行っている。↓↓↓↓↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000001-san-soci

今回の報道を受けて初めて知ったのだが、著作権法において、映画の著作権に関しては
平成16年1月1日より改正著作権法が施行されており、従来の50年から70年にその保護期間が
延長されたというものである。

恥ずかしながら私は同法の改正についてまったく知らなかった。
そしてその施行日の解釈について”53年問題”なる論争があるということもまったく知らず、
少なからず驚いているものである。

もとより、この問題については1953年という年が映画の当たり年であるという点に端を発する
という。

上記の記事でも一例を挙げられているが、最も代表的なのが『ローマの休日』であり、
近年トム・クルーズ主演のリメイクでも話題になった『宇宙戦争』、西部劇の名作中の名作
『シェーン』など多数存在している。
ややこしいのは、一方ではこの1953年の映画の著作権保護期間が2003年の12月31日をもって
50年を経過し、2004年1月1日施行の同法の適用にはあたらないという主張と、同法を所管
する文化庁の見解では、2003年12月31日の24時と2004年1月1日の0時は同刻であるとして、
改正法が適用されるという考え方があり、黒白がついていないという点だ。あーややこしいw

文化庁の見解が通れば1953年公開の映画の著作権は、2023年12月31日まで保護されるという
ことである。

シロウト考えでは単なる屁理屈にしか聞こえない文化庁の見解ではあるが、時代を超えて
永遠に愛される名作においては、今後も少なくない利害に影響する部分もあってこの事件の
結末については非常に注目している。

ここでコレクターの視点からご意見をば少し。

件の名作『ローマの休日』であるが、私も大好きな映画の一つであり、制作50周年記念の
デジタル・ニューマスター版の劇場公開も観賞したし、DVDもパラマウント社製のものを
購入したものである。

コレクターというのは一般の人間にはわかりづらい衝動というか、独特の拘りというものが
あって、例えば私は”公式な製品”に拘っている部分があります。

即ち、私にとっての『ローマの休日』の製品は、同社がわざわざ申し立てを行うまでもなく
パラマウント社製が唯一無二のものであり、違法合法を問わず「ただ見られりゃいい」的な
1コインDVDにはあまり食指が動かないものであります。

件の1コインDVDについては、チャップリンの作品をいくつかと最新のリメイク版が近日
発売された『キングコング』のオリジナルを購入したことがあるが、安かろう悪かろう
ではないが、やはり製品として満足のいくものではなかったものである。

パラマウント社の訴えによれば、7~8社に渡って同様の製品が発売されているとしているが、
実際問題として現代において50年も昔の作品を観賞しようとする人間が、その作品を今まで
観たことがない、などというケースは少々考えづらく、またわざわざ購入して手元に置いて
おこうとするものに製品としてクオリティの劣るものをいくら安いといってあえて選ぶ
だろうか?という疑問と、そもそも新作においても大手レーベルでは半年もすれば廉価販売
で大幅に単価が下がるものがいかほどの損害であろうか、という疑問がある。

DVD媒体の普及に伴ってメディアの単価も随分と安くなりましたが、それでもパッケージ含め
て1本\500では大した儲けにはならないと思うのですがどうでしょうか?

勿論本件の争点が「向こう20年間権利を所有できるか否か」という点にあり、現状の瑣末な
製品の単価とその実害を訴えたものでないことぐらいは察しはつくが、それにしても祖父母
の時代のモノにまで権利権利でがっつくのも、関係ない第三者の視点からすればあんまり
みっとも良い話ではないと思うが如何であろうか?

私としては歴史に残る名作というものはその作品に対する個人の主義信条を超えて、色んな
人がやはり一度は観ておくべきもの、と考えておりますので、できるだけその敷居は低いに
こしたことはないと思っています。

パラマウント社にしても『ローマの休日』のDVDについては勿体つけて50周年記念のギリギリ
まで発売しなかった経緯から察するに、50年の保護期間切れというものも強く意識していたと
思われますが、そのあたりの事実関係についてはどう考えておられるのでしょうか。

当時から今日の事態を予測されていた、とも解釈できますが?

ま、半世紀の時を経てもこのように取り沙汰される作品というものはそれなりに価値がある
のは間違いないわけで、もしただ古いという理由だけでこれらの名作を観ていないという方
がおられましたら、1コインででも何でも、是非一度は観ておいたほうがいいとオススメ
しておきます…

…となおざりで適当なコメントでお茶を濁しつつ本文を締めくくりたいと思います。






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Last updated  May 25, 2006 12:46:53 PM
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