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カテゴリ:テレビ番組諸々
最初に結論から言っちゃいますと、今季では勿論なんですが、ここ近年のドラマの中でも トップクラスの面白さだったと思います。 最終回拡大版って一応番組通しでそこそこ視聴率が良かったドラマが浴する待遇なんですね。 本作で今季のドラマ感想も5本目なのですが、これが初めての最終回拡大版です。 特にケチをつけるところもないのは私の好みも大いに関係しているのですが、出演者、演出、 脚本、細かい遊びの部分に伏線と、どれも非常に丁寧に作ってあって最後まで飽きませんで した。 非常に個性的な建築家、桑野信介こと阿部寛のキャラクター設定が本当に上手く、阿部寛 自身も「半分は素で演じていた」というくらい役者とキャラクターがマッチした素晴らしい キャスティングです。 最初に阿部ありき、でスタートした企画でないとしたら、もう奇跡と言っていいでしょう。 このドラマにおけるポイントは何といっても桑野(=阿部)のキャラクター描写につきます。 他人に対するありえない程の無神経な言動はドラマらしく誇張されているとは言え、似た ような態度の人間を一人くらいは過去に知っているかも、と思わせる絶妙なバランス。 日常の行動パターンや趣味、変なクセや一人でも平気で飲食店で食事できる等、表向き他人 を必要としていない素振りを装いつつ人との係りを求めているという厄介な性格であり ながら、仕草や行動が憎みきれず、どこか可愛げな雰囲気で放っておけない。 私にとっては非常に羨ましい人物像である。 彼を取り巻く三人の女性、仕事のパートナー沢崎(高島礼子)、かかりつけの医師早坂 (夏川結衣)、自宅の隣人田村(国仲涼子)は、いずれもやむをえない事情で桑野と関って いるのだが、そんな彼に振り回されて時にその言動に辟易しつつも、微妙な関係を維持した まま物語は進行する。 本命は早坂医師であることは明白なのだが、ひょっとしたら最後の最後でどんでん返しが あるかも、と思わせる付かず離れずの感覚も絶妙です。 物語の進行上特に関係はないが、ほぼ毎回出演している似非建築家の金田(劇中のHPが実在 します→http://www.ktv.co.jp/shinsuke/kaneda/index.html)、コンビニ、レンタルビデオ、 レストランの店員、大工の棟梁など、細かい変化や表情などを注意して観ると面白いです。 最終回にて不整脈で倒れた母が、 「本当の寂しさをあなたは分かっていない、私が死んだらあなたのことを心から心配する 人間が一人もいなくなってしまう」というセリフはちょっときました。 早坂医師がそれまでの桑野との関係を”ドッヂボール”と表現し、「私はあなたとキャッチ ボールがしてみたい」と自分の想いを投げかけ、それに対して桑野がこたえるところは屈指 の名シーンだと思います。そしてそのセリフの後のどんでん返しも…。 ラストにアホみたいな全員集合の結婚式のシーンで締められたら萎えるところでしたが、 「他人を部屋に入れない」と公言していた桑野が早坂に対して「どうしても来て欲しい」 と言って誘うところで終わったのもいい感じです。 物語中盤のエピソードにおいて、夜店で取った一匹の金魚が二匹になっているという伏線 の使い方も見事です。全編通して細部まできちんと計算された素晴らしい演出だと思います。 このラストなら続編は難しくても、桑野と早坂が本当に結婚に到るまでのドタバタ、みたい な感じでスペシャルくらいは作れそうですね。 ドラマのDVDなぞアホらしくて買う気がしなかったものですが、本作は通しでもう一遍観て もいいかな、と思わせるぐらいいいできでありました。 何か久々にベタ褒めしていますね。 晩婚化が進んでいる現代社会ですが、やはり20代の方よりも既婚、未婚を問わず30代以上の 方のほうがいろんな意味で感じるところの多い作品だと思います。 いや~、でも本当に面白かったです。 ドラマオリジナルで比較的地味なキャスティングでもこれだけ面白いものが作れるのだから まだまだ捨てたモンじゃありませんねw 本作のスタッフは今後要チェックしていきたいと思います。 ↑Vo.の持田香織は最近酒を飲みすぎてるのかヤバいク○リでもやっとるんじゃなかろうか というくらい歌唱力が落ちている気がするのだが、この曲は自然な感じで悪くないです。 ライブで聴いていないので断言はできませんが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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