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テーマ:特撮について喋ろう♪(4715)
カテゴリ:特撮趣味
先月末のDVD発売からしばらく品切れ状態が続いていて、先日ようやく手に入れて観賞 いたしました。 ウルトラマン誕生40周年記念と銘打たれた本作は、タイトルが示すように、新旧の ウルトラマンが相並んだ、真に”親子で”楽しめる娯楽作品に仕上がっていると思います。 正直、ストーリーについては取るに足らない内容と言っていいのですが、子供”も” 楽しめることを前提にするならば、方向性はいささかもブレていないですし、何より本作 は、「当時の俳優が当時の役のままで出演する」という企画を実現した時点で、およそ 8割方は成功していると言っていいでしょう。 当時の俳優は当然ながら相応のお歳を召されているわけですが、劇中では約20年前に ヤプール人の怨念を封印する為に、光のエネルギーのほとんどを使い尽くし、変身能力を 失い、人間として生活している、という設定は、これしかないと思われるほど秀逸である と言えます。 人間となったからその年月分歳をとっているという理屈は、充分納得できるのではないで しょうか? ハヤタ役の黒部進、モロボシ・ダン役の森次晃嗣、郷秀樹役の団時朗のお三方は今でも たまにお見かけすることもありましたが、北斗星司役の高峰圭二については最近まったく 見ることがなかったものですから、本作で久々に拝見して、何となく嬉しくなったもの であります。 ここに東光太郎こと篠田三郎が出演していないのは非常に残念ですね。 オープニングの「ウルトラQ」風の演出に、音楽は原曲をうまくアレンジし、終盤の最も 盛り上がるところでは当時の映像を挿入するなど、いちいち”わかっている”演出の数々 が、本当に好きな人間しかできないと思わせるところがニクいですね。 造形も、初代ウルトラマンは初期のAタイプと呼ばれる、吊り目で表面にシワが入って いるものであったりとか、ザラブ星人の声は当然ながら青野武が演じているとか、細かい 部分を数え上げたらキリがないのでほどほどにしますが、こういった制作者側の愛情を 感じ取れるというのは、結構大事なことだと思うのですよ。 以前、当ブログでも採り上げましたが、前作『ULTRAMAN』が、本作と同じく 親子で観賞というのをコンセプトとしながらも、内容的に成功とは言い難い事実を踏まえ、 単純に比較できるものではありませんが、単なるアプローチの違い、だけではなく、 諸々の反省点に対してきっちり答えを出した姿勢は評価できると思います。 あえて苦言を呈するならば、終盤の戦闘におけるCG映像のチープさ、ぐらいでしょうか。 監修は前作と同じくあの板野一郎ですが、PS2のゲームと見紛うようなシーンが多く 目に付いたのが気になりました。 技術的な面については詳しくないので多くを述べませんが、何というか、決定的にセンス に欠けるような気がします。 それでも着ぐるみとミニチュアを使用した従来の技法と、CG技術が上手く融合した箇所 もあり、問題なのはオールCGの部分なのかもしれません。 エンドクレジットでは40周年の記念レセプションの様子が挿入されており、劇中では 登場しないものの、フジ隊員役の桜井浩子、アンヌ隊員役のひし美ゆり子、南夕子役の 星光子、そして何故かウルトラマンを演じていないMATの南隊員役の池田駿一が、 それぞれ懐かしい顔を見せてくれます。 監督の小中和哉は、コメンタリーの中で、お祭りに相応しい作品が撮れたとコメントされ ておりましたが、私もそう思います。 当時熱中していたオッサン世代にこそ観て欲しい作品ではありますが、子供と一緒に観賞 して、当時の記憶なんかも披瀝すれば、子供とのコミュニケーションツールとしても機能 するのではないかと推測します。 反面、当時をよく知らず、現役も今更という20代前半までの方には少々退屈であることは 否定できません。 それでもあえて本作の制作姿勢は正しいと断言します。 何度もできるものではありませんが、この作品自体には間違いなく40周年という節目を 記念する、大きな存在意義があると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 27, 2007 01:39:35 PM
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