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気ままにでんきこうさく

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イコライザ回路

イコライザ回路

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イコライザアンプ(1)

先日からレコードプレーヤー用のRIAAイコライザアンプを、あれこれと考え中。

真空管入力、真空管出力にしたいけど、それだけだと面白みが欠ける(?)ので、何か出来ないかなと考えています。

ホームページをいろいろ見ていたら、こんな面白いイコライザを作っている人たちがいました。

考えている時が一番楽しいよね。^^
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イコライザアンプ(2)

RIAA特性は、積分形補正回路と積分回路の組合せだと分かったので、その原理に基づいてイコライザ本体の方式を考えてみました。

図1
図2

図1が最初に考えたもので、オペアンプで構成されている部分が積分形補正回路で、その出力に積分回路(ローパスフィルタ)が付いています。

積分形補正回路は、超低域で約20dBのゲインがありますが、中域以上で約0dBとなります。積分回路はカットオフ周波数が約2122Hzになるようになっていて、合成することによってRIAA特性を実現出来るようになっています。

そのためカートリッジの1KHzの出力電圧で低域から高域までが揃うことになります。つまりカートリッジの出力が5mVの場合は、20Hzでも20KHzでも5mVというわけで、この回路の後に46dB程度のアンプが必要です。^^;

図1を書いたあと、後ろの積分回路を前に持ってきたらもっと簡単になるぞと気が付いて書いたのが図2です。

最初に積分回路で高域の補正を行い、その後に積分形補正回路で低域の補正を行います。

ずいぶんスッキリした回路になりました。^^

ま、実際の回路はオペアンプの+入力にバイアスを掛ける抵抗が必要だったりして、ちょっとゴチャゴチャになるんですが。^^;

図1、2とも一般のオペアンプを使用した場合は、入力バイアス電流がカートリッジの中を流れるので、その対策も必要です。(FET入力のオペアンプにするかな)

図1の利点として、オペアンプで付加されたノイズが積分回路(ローパスフィルタなので)で低減されます。
反対に、図2ではアンプに入る前に高域がロスした上にアンプでノイズが付加されるので、図1よりも不利です。
また、カートリッジの出力インピーダンスによって高域のカットオフ周波数が変化するので、軽減用に積分回路を兼ねた抵抗を入力に挿入して変動の吸収をしていますが、そのためにフィードバック抵抗が大きくなり過ぎている(入力バイアス電流のバランスのため)ので、その点でも使うのは厳しいかなと思います。
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イコライザアンプ(3)

このようなアンプを考える場合、ノイズと信号のクリップ(オーバー)について注意しないといけませんね。

例えばカートリッジの出力が1KHzで5mVだとすると、20Hzで約0.5mV、20KHzで約50mVになります。

これらの値は標準的な出力での値ですから、ピーク時に仮に20dB大きい値になったとすると、20KHzでは約500mVになります。(フォルテシモでもここまで大きくはならないと思いますが、念には念を入れて^^;)

CR型イコライザアンプでは、CRイコライザ素子を通過すると信号は20KHzで40dBほど減衰してしまいますから、S/Nを稼ぐためにCRイコライザ素子の手前で増幅しておきます。

このアンプのゲインが40dBだとすると、ピーク時の20KHzは約50Vになります。この値はRMSですからピークtoピークだと約150Vになります。(ゲインを少し落として30dBだとしても、ピークtoピークは約50Vになります)

なるほど…、CR型イコライザアンプが真空管を使ったものばかりになるのも分かる気がしますね。^^;

この信号がCRイコライザ素子を通過すると20KHzで40dB減衰するのですから、ピーク時で0.5V、標準時で0.05Vになります。

ここで更に26dBほど増幅することによって、ピーク時で10V、標準時で1Vとなります。

表にまとめるとこんな感じです。

CR型イコライザアンプのレベルダイヤ

初段と終段のアンプのゲインの和は40dB+26dB=66dBとなります。

つづく
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イコライザアンプ(4)

今度は、5月25日の日記に書いた図1について同様に検討してみます。

図1

図1では、積分形補正回路で低域のみ20dB増幅し、次段の積分回路で高域のみを20dB減衰させています。その後に46dBのアンプが入ります。

各段のレベルダイヤはこうなります。

表1 図1のレベルダイヤ

先に低域の補正が完了して、その後、高域が補正されます。

20KHzでは、積分形補正回路のゲインがほとんどないので、25日に示したCR型イコライザのときのような電圧ピークは出ないのですが(積分形補正回路の後で20KHzが約1.5Vp-p)、積分回路後は入力した電圧よりも低くなっていて、せっかくの入力がもったいないです。

「ロスがある」ということは、言い換えれば「あとで増幅しなければならない」ということですから、S/Nの点で不利なような気がします。(それを言うと積分回路もない方がいいんだけど、それだとRIAA特性にならない^^;)
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イコライザアンプ(6)

例のイコライザアンプをモノにすべく実験中であります。^^

雑音電圧の測定中

方式を決めるのに、雑音電圧を測定しようと思って治具を作っております。

2段式のアンプで約60dBのゲインがあります。

これで、回路の残留雑音を測定しようと思っているわけです。
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イコライザアンプ(7)

以前記載した二つの回路図ですが(下記)、図1、図2という呼び方も説明する時にややこしくなりそうですので、CR型、NF型にならって、それぞれLBHC型HCLB型と呼ぶことにしました。^^

LBHC=Low Boost Amplifier and High Cut Filter
HCLB=High Cut Filter and Low Boost Amplifier

LBHC型イコライザ回路
図1

HCLB型イコライザ回路
図2
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イコライザアンプ(8)

ネットを調べてみますと、HCLB型およびLBHC型のイコライザアンプの例がありました。

見付けたのは、なんと!!ウチのお気に入りブログに登録させていただいています真空管の達人さんのホームページです。

イコライザアンプの方式について言及している部分はここで、リンク先の図3(a)がHCLB型で、図3(b)がLBHC型に相当します。

LBHC型イコライザ回路
図1

HCLB型イコライザ回路
図2

これによると、この手の回路はNF-CR型と呼ばれていて、ハイカットの後にローブースト(HCLB型)するのが一般的らしいです。

安井章さんが「無線と実験」誌に1976年8月、9月号でローブースト後にハイカット(LBHC型)のアイディアを発表しているそうです。

で、真空管の達人さんもLBHC型で製作してMJ誌に発表していらっしゃいます。

なんだか「車輪の再発明」みたいですね。^^;
(そこまで一般的ではないかもしれないけど)
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イコライザアンプ(9)

雑音電圧を測定する治具を作りました。

ゲインは約58.4dB。一応60dBを狙ったのですが手持ちの部品の関係で半端な値になりました。^^;

イコライザアンプのノイズを測定する前に、今回は治具自体のノイズの測定を行いました。

ノイズ測定治具の回路図

使用したオペアンプは、回路図に書いたNJM2114以外に、μPC4558,NJM4580,NJM2068の合計4種類です。

ノイズ電圧の測定結果です。

治具のノイズの測定結果

一番上の「出力電圧」欄は平均値測定,実効値換算の電圧計での測定結果です。

FFTによる分析です。
4558のノイズ分析
↑4558のノイズ分析

2114のノイズ分析
↑2114のノイズ分析

4580のノイズ分析
↑4580のノイズ分析

2068のノイズ分析
↑2068のノイズ分析

FFTの結果を見ると、2114が一番いいはずなんですが、出力電圧で見ると意外なことに2114が一番悪いです。
たぶん、FFTに現れない帯域のノイズが多いのではと推測されます。(前に考察したA特性のフィルタを内蔵させるべきだったかな)
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交流電圧計の故障(抜粋)

やっとやる気が出てきたので、イコライザアンプの実験を開始しました。^^

イコライザ回路の実験

LBHC型イコライザを組んで測定してみました。CRの定数はピッタリのが無かったので、2素子を組み合わせて近い値にしました。

1KHzの電圧値に対して、100Hzで+13dB、20Hzで+19.3dBだったので、結構良さそうです。^^

例のRIAA測定用CDを使ってみたのですが、出力電圧はほぼ一定みたいです。
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イコライザアンプ(10)

初段だけバラックで組んで測定してみました。

RIAA実験回路

1%の抵抗器を買ってきたので、以前よりもすっきりしています。^^

RIAA実験回路図

回路図は、LBHC型にしています。

例のRIAA測定用CDを使用して、CDプレーヤからの信号を減衰させて入力しています。
初段のゲインが20dB、終段のゲインが26dBの予定なので、出力がおよそ50mVになるようにしています。

測定結果です。

RIAA実験周波数特性

上の表の偏差は、1KHzの出力に対するレスポンスを示します。
逆RIAA欄は、今回の測定とは無関係ですので無視してください。

RIAA実験周波数特性のグラフ

ゲインは、1KHzで20.15dBでした。

それほど悩まずに定数を決めたのですが、結構いい線いっているみたいです。^^
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イコライザアンプ(16)

終段のSRPP回路も目処が立ってきたので、全体のゲイン配分について考えています。

RIAA実験回路図

上の回路は以前掲載したものですが、この回路では1KHzで20dBのゲインがあります。

これを28dB程度にするのに、定数をどうしようかと考えて気が付きましたが、オペアンプのインバート入力(マイナス入力)に入っている2Kオームを変更するだけで、イコライザのカーブは全く影響を受けずにゲインを変えられるんですね。

新発見です。^^;;;

今、2Kオームでゲイン20dBなので、28dBにするには800オームにすれば良いことになります。

RIAAカーブに合う定数探索は結構面倒なので、簡単にゲインを変更できる方法が見付かって良かったです。^^
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イコライザアンプ(17)

大失敗!
やってしまいました!

さっき投稿したゲインの変更方法ですが、間違っていました。すみません。m(__)m

反転増幅器ならば記載した通りなんですが、今回の場合は非反転増幅器なので、2Kオームの変更だけでゲインの変更はできないのです。

非反転増幅器の場合は、2Kオームのほかに0.018マイクロFを変更する必要があります。
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イコライザアンプ(18)

昨日のイコライザアンプ初段の定数は、下線の部分の変更でおおむねRIAA特性が出るようです。

イコライザアンプ初段

ところで、SRPP回路の実験も続けています。

NFBを掛けようと思っているのですが、その前後で歪率に変化がありません。
だいたい1%前後の歪率なのです。

しばらくして分かりました。

測定に使っているオシレータ(先日修理したオシレータ)の歪率が、そもそもそれぐらいだったのです。^^;;;

今度、CDプレーヤをオシレータ化したもので測ってみようと思います。
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続く




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