怪獣と暮らす日々（セカンドバージョン）

なぜばれたのか？
けして許さない！

それまでの和やかな空気は一転し、ワタシは不愉快な気持ちになり、彼はそれに怯える...
隠し通すこともできたモノを、些細なだらしなさが真実を暴いてしまう。

およそ、こういうときに働く勘というのは当たるのだ。






決定打は「忘れ物」だった。



会社にかけてきた電話を急いで切ろうとしたり、おそろいのコップがいくつも出してあったり（洗ってあった）と、微妙にちぐはぐな雰囲気を感じてはいたのだが、思いつかなかった。



会社から帰って一緒に買い物に行き、重い荷物を持ってくれたのでなんだか気が緩んでいたのかもしれない。（最近やけに親切にされるので嬉しいようなコワいような）


ふと、我が家のモノではない野球帽が目に入った。



「これは、なに？」


「あっっっ。それは....そのぉ、忘れ物で。」


（ドラマの浮気のばれた夫のような反応だ）


「お母さんの留守にだれか家に入れたねっっ？」


「いやその、○○君と△▼君が家を見たいっていうから...」




嘘つけ！
小学生が友達の家を見たいなんて
最近郊外の建て売り住宅を買った上司に対する入社３年目の若い社員のおべっかみたいなこというもんか！


ちょっと寄っていけよ、くらい言ったんだろうに。



絶対にダメ。





親の留守に子どもだけで入り込むなんて許しません。

そんな常識も身に付いてないなんて情けない。

来る方も来る方だけど、まあイマドキの親にそんなしつけを期待してもダメか。

ワタシもイマドキの親なんだけど。