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　シューベルト：交響曲第６番　

指揮：井上道義
管弦楽：オーケストラ・アンサンブル金沢

３日間に渡って繰り広げられた、『ラ・フォル・ジュルネ金沢』最後の公演です。
会場は地下１階、金沢駅へと続く地下道に直結した交流ホールにて行なわれた無料の公演です。

先ほど協奏曲を演奏し終えたオーケストラ・アンサンブル金沢により
明日東京でのラ･フォルジュルネ・オ・ジャポンで披露されるシューベルトが
演奏されました。


内輪のような温かい空気に包まれて、ホールにおさまりきれないくらい多くの人のほとんどは
立見状態で、惜しむように演奏を耳にしていました。
ほんとの無礼講。井上さんは楽章の合間の大きな拍手に、一旦退場してみせたり
ハンカチでつるりと頭を拭くおどけた動作をみせながら、フランクに演奏が進んでいきます。
最後の３楽章は真剣に一気に演奏されていきました。

優しくて愛らしい美しい楽曲は、ベートーヴェンではないけれど
彼をを心から敬愛していたシューベルトらしいもので、最後に相応しいといえました。


お疲れさま。ありがとう。
観客のみなさんから言葉の代わりに大きな大きな拍手が送られます。
団員の皆さんの顔にはハードな数日間を終えてほっとしたような、素敵な笑顔が浮かんでいます。

井上さんからの挨拶と、普段はこういうことはないのですがという前置きで
この『ラ・フォル・ジュルネ金沢』を成功させるために、大車輪で支えてきたＧＭの方が紹介され
舞台の上にあげられました。
疲労が色濃く残るお顔には、この大きなお祭が成功に終わった喜びがいっぱいに溢れていました。

このイベントが金沢市・石川県にとって大きな賭けであっただろうというのは容易に想像がつくわけで、
どれだけの大変なことがあっただろうと推察するに頭がさがるばかり。


目標観客動員数は５万人。実際の観客動員数はなんと、８万５千人を超えたそうです。
人口４５万人ちょっとの小さな地方都市で、これだけの人たちが音楽を楽しみました。
金沢駅周辺はいつも人に溢れ、あちこちから音楽が聞こえ、笑い声に満ちていました。

多くの人の笑顔を音符にのせて金沢を駆け巡ったこのイベントは大成功に終わったと思います。
企画を立ち上げた人、奔走した人、これがなくては始まらない、資金協力した人･･･etc。
会場でいつも笑顔を絶やさずに働いてた多くのボランティアの皆さんのおかげです。
幸せな時間をありがとうございました。