ふうせん老人日記

7時にバス停に向かう。影が長くて助かるが、建物の切れ目に来ると、たまらなく暑い。バスからみると1分の間に、7人ものランニングをする人を見た。

病気だね。

JR堅田駅でバスを待つ人は50人くらい。みな美術館に向かうのだろうか。

今日（14日）から始まる田中一村展。先日のテレビで見たためか、交通の不便な場所にしては結構な客だ。

内容は素晴らしいの一言。観察からくる細かな描写。

秋の紅葉した葉の虫に食われた跡、キツツキや尾長やトラツグミの細かな描写など若冲にも通じる。

「アダンの海」の砂の細かな描写と沖から次々寄せてくる波の列は素晴らしい。

7歳の時の作品が出ていた。とても7歳には見えない。左の中央部分が一部切り取られている。父親が手を入れたのを気に入らず破り捨てた跡だとか。

この時、藤原定家と父俊成の話を思い出した。

入館時にもらったバスの時刻表を見てミュージアムショップで一村の絵を張った奄美焼酎を買った。まだ時間が余り、日展で田中一村を落選させた東山魁夷の絵を見たが、やはりつまらない。東京美術学校では田中と東山は同期だった。

帰りのバスは西武系の近江鉄道バス。整理券の番号が表示されるが12から6まで表示されて次は3で4と5が抜けた。

50年前に同じバスに乗った。その時には車掌が大きな整理券の束をあちこち繰りながら客に渡していた。人使いが荒い会社だと思ったが、その後の西武は皆さまご存知の通り。

カイラス書房　古本買取案内4

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