蒼き詩人の世界

2007/11/24(土)21:36

薔薇の狂気

現代詩(1548)

誘われたよ 芳しい香りに 鼻を近づけると 君はその身を震わせた その仕草に君の本性を見た 白百合のように大きくはない 椿のように硬くない 果敢無い花びらだ そんな君だから 棘で身を守るんだね 接吻をしよう 熱く抱きしめよう たとえこの胸に 棘が刺さろうと 腕を解きはしない 惑わせてくれ 狂わせてくれ 戦慄くように 美しく誘いながらも 切っ先を磨くがよい 君の狂気を受け容れる 強く強く抱きしめる 俺の中の炎を全快にして その棘が溶けるくらいに 俺も狂気に身を焦がそう

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