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カテゴリ:映画のお話!
3日の夜、ほろ酔い機嫌で帰宅し、テレビを眺めていたが面白くなく、棚からビデオを取り出し見ることにした。
何年振りだろう?、これを見るのは。 『アラビアのロレンス』(1962年のイギリス映画) 実在の英国陸軍将校のロレンス中尉が率いた、オスマントルコからのアラブ独立闘争を描いた大作。 冒頭バイク事故で彼が亡くなる場面から始まり、最後は彼が乗ったジープがバイクに抜き去られる場面で終わる。 これは、一体何を暗示するものなのか。 ロレンスは、作戦参謀としてアラブに派遣されたわけではない。 しかし、軍という組織を無視して独走する。 いや、これは暴走と言うべきだろう。 部族ごとの対立でまとまりがない上に、トルコ軍による大砲、そして戦闘機の攻撃で為す術もないアラブの民。 この絶望的な状況を打破するために、彼は英国陸軍に頼らず驚くような作戦を思い立つ。 なんと、砂漠の民ベトウインが神が造った最悪の土地と恐れるネフド砂漠を横断し、敵の要所アカバを背後から陥落させるという。 それも、僅か50人の兵を率いて。 アカバの大砲は砂漠に向くはずもなく、海にしか向いていないのだ。 部族の首長は「正気か?」と尋ねる。 ロレンスは答える。 「土地のことは知らない、自分に賭ける。運命などない・・・」と。 運命は神が決めるのではなく、自分で切り開くもの。 正に、狂気は運命を切り開く。 そして、アラブの民が畏敬を覚える行動をしながらネフド砂漠を横断し、対立する部族をも味方にしながら敵の要所アカバを攻め落とす。 ここで敢えて書こう。 もしこの時ロレンスが亡くなっていれば、彼はチェ・ゲバラのような伝説になっていたかもしれない。 その後、狂気と言われる行動で自ら切り開いた運命に、自ら酔いしれる。 アラブの民から畏敬の念を抱かれ、真っ白な首長の装束を贈られた英雄が、汚れた英雄となっていく。 自ら切り開いた運命に翻弄され、国家の意思に翻弄されながら。 運命は狂気を持って自ら切り開くもの。 しかし、その運命に自ら酔いしれ、翻弄されることはないように・・・。 この写真を見ると、ピーター・オトゥールがロレンスになることは当然のような気がする。 部族の首長役のオマー・シャリフ、そして、アンソニー・クイン。 脇役の名優たちの素晴らしかったこと。 大作が全て名画とも言えないとは思うが、こんな映画に日本で対抗できるとしたら、黒澤明の『七人の侍』くらいか?。 異論はあると思うが・・・。 おっと、ネット上にこんな記事を発見。 『長身がもてはやされる英国で、背丈が低いこと(165cm)がコンプレックスだったという説がある』 これだっ、これが狂気の源ではないか。 この強烈なコンプレックスが彼に狂気の行動をさせたのではないか。 勝手な推測ではあるが。 それではまた。 人に酔い、酒に酔い、人生に酔う!・・・でも、あんまり酔いすぎないでね??? クリックよろしく! 『敗者復活戦』の物語を初めから読みたい方は⇒こちらへジャ~ンプ! 会社のサイトです。 こんな仕事をやっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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