カテゴリ:ゲーム
![]() ちょっと前の事を思い出した。駄文でいいなら読んで下さい。 私はエグい物書きだからという評価もあったんでしょうけど、まどマギがブレイクした後にエロゲのオファーが来たことあったんですよね。その要求仕様っていうのがかなりアレで、体調を悪くしていたこともあってご遠慮させていただいたのですが、その時の話を思い出すことがありまして。 ちなみに ・ひぐらしのような形で売れるのがいい ・まどマギみたいに売れるのがいい みたいな要求仕様でした。経営者からの要望。 前者は「広告費をかけずとも口コミで売れるようなゲーム」という要求と、「ひぐらしみたいにメディアミックスが大量に出来てパチンコとかも含めてよそに売りさばけるようなコンテンツを」という、異常とも言えるコスパを満たすような要求仕様。 で、後者はもちろん当時話題だったまどマギにあやかって「鬱もの流行っているからそれで」という、エヴァの時にもあった「〇〇のようなものを作って下さい」というヤツ。 エロゲ業界ってかなり厳しい状況が続いているんだけど、『経営者の本音』みたいなものを見た気がします。 ひぐらしについての『経営者の評価』ってのは、「絵が下手でも同人作品でも、非常に良い商売になる」ということのようで、そのヒットの背景にあったネガティヴなものは見えていないかあるいは見ていないようなんですよね。ひぐらしのヒットが過分に運部天部的な部分があったことや、過程において商業じゃ出来ないようなことをやっていたこととか。例えば最初の一本を丸ごとネットで無料公開したような、会社としてやれば先行でごっそり経費がかかるようなことはガン無視。ひぐらしの美味しいとこだけしか見ていない。 まどマギみたいな~に至っては、当時はもう『いちゃラブ』ばっかりになっていたんで(商業でインモラルなネタは本当に潰れていた)、作れそうな人そのものがほとんど居ない状態だった模様。私も久しく物語の中で人を殺していなかったし、そういう重いのは同人作品でも具体的に敬遠されていました。ゲーム感覚でサクサク雑魚を殺すような異世界ものはネット小説とかで氾濫してましたけど、人の命に重量を与えるような創作って、受け入れがたいものだったようです。まどマギでがっちり人を殺すまでは。 まどマギの後に一時期、人死に肺腑をえぐるようなエグさを乗せる人が少し増えましたが、ほとんどが付け焼き刃でモノにしていた人はそんなに居なかったと思います。 別に『経営判断』みたいな所に文句を言う筋合いは無いし、引き受けなかった話なので蒸し返すのも何か筋違いのような気がするのですが、貧すれば鈍すという言葉もあります。若い絵師さんとかが「絶対に売れるコンテンツの絵師をやらせてください」ということを臆面もなく言うのに似たような感覚を覚えます。そんな「絶対売れるコンテンツ作り」なんてものを保障出来るなら、俺は自分でゲーム会社でもなんでも立ち上げて、実績のない新人じゃなくてベテランの売れる絵師を使うっての。 ボヤキの上に愚痴まで出ましたけど、経営者に近い人にほど『現状把握』はお願いしたいところです。外注を受けることもそれなりにやぶさかではありませんが、無理難題を超える無茶ぶりを当たり前のように言うのは、結局はモノヅクリを阻害してしまうような気がします。 まどマギの虚淵さんだって、自分の作品が100%ヒット作なわけじゃないんですしね。
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