169071 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

案山子の世界

案山子の世界

みちのく紀行記

松島や ええ?松島や んん?松島や

連休2日前に急に思いついた旅、それが今回の「みちのくお気楽一人旅」だ。早速インターネットで検索すると、具合良く高松から仙台のJAL直行便があった。それも行きが23日、帰り便が25日と連休をフルに利用出来る。高松空港から1時過ぎにJAL2932便にてフライト。快晴とは言えないが、まずまずの天気。それにしても直行便は便利だ。わずか1時間余りで杜の都、仙台に着く。

さて、空港に降り立ったものの、これといった当てもなく、ふらっと松島行きのバスに乗った。乗ると同時に名前を聞かれ料金を徴収されたので、もしや観光バスかと尋ねると、乗合だとのこと、へ~んなの。

松島に着く。空港から以外と遠く、4時半発の島巡り船便にぎりぎり間に合ったが、そのため歌に名高い瑞巌寺参拝を諦めた。

大小さまざまの島を縫うように、「仁王丸」は進んでいったが、絶景と言うには今ひとつの感。多分季節が悪いのか、時間帯が悪いのかなって思ったが、芭蕉の訪れた時代には、海も青々として松の木々も生き生きとしていたのだろうと推察した。

さて、お気楽旅行の拠点はシティホテルで充分なので、仙台駅から地下鉄1駅の場所を予約した。思えば、仙台は学生時代に東北一周した時以来だ。でも、随分変ったでしょうってホテルの人に聞かれても、何せ訪れたのが30年以上も前の話だから返答のしようがない。
仁王丸仁王丸松島2松島3

義経の 凛々しき弁当 内素朴

朝七時、ホテルの焼きたてパン食べ、そそくさと仙台駅へ。目指すは奥の細道「平泉」。駅で「義経弁当」なる高い駅弁を買い、東北新幹線で一路、一ノ関へ向う。
車中で駅弁を開けてビックリ玉手箱!弁当箱の豪華さと反比例して、な、なんとシンプル(写真参照)。まま、いいか。味がよければと車窓を楽しみながら食べる。何か五目ずしの感あり。味も今一なり。食べ終わった後、お品書きを見て感心した。よくもまあこんなにうまく表現するものかと・・・。たとえばイクラは「中尊寺、金色堂のように光輝くイクラ」玉子焼きは「戦いに必要なたんぱく源を当時は貴重であった玉子から」などなど。そういえば、この駅弁だけは中身を見せてなかったっけ・・。

義経弁当1義経駅弁外観
義経弁当2義経駅弁中身
平泉駅平泉駅

弁慶も 車の騒音 泣き所

一ノ関から普通列車に乗り換えて3駅目。待望の平泉に到着。駅前でレンタルサイクルを借り、一路中尊寺へ。途中の長坂に辟易しながらも、愛馬「レンタル9号車」に鞭打ち、やっとこさで弁慶松に着く。松やお墓はそれなりに風情があるのだけれど、すぐ側に幹線道路があり、車が引っ切り無しに走ってる。これでは弁慶も静かに眠るって訳にはいかないだろうなって思った。
弁慶松

今もなお 栄華を放つ 金の堂

愛馬を陸橋の下につなぎ(お寺の指示で~す)大杉の生い茂る急な坂道をとぼとぼと歩く事10分程で中尊寺の寺寺に到着。連休半ばのせいか、時間が早いのか、人もまばらだ。拝観料を払い、待望の「金色堂」へ。入館と同時にいきなり黄金の仏像群が目に入った。その土台は螺鈿細工で出来たりっぱなもの。藤原三代の栄華をこれでもかって見せ付けられ、威圧感に体が痺れる様だった。しばし凝視する。

中尊寺金色堂

風雅なる 肖像の横 睨み顔

金色堂の横の讃衛蔵なるところで、義経展が催されていた。大山積神社では義経や頼朝の武具、弁慶の薙刀などを拝観しているが、ここでは、かの有名な義経、弁慶の肖像画を見た。書かれたのは後年だが、その気品と迫力に圧倒され、泰衡の首桶
に身震いした。

芭蕉像芭蕉像
平泉風景衣川を望む

わんこそば 残す御膳に 身を引かれ

途中、毛越寺で平安時代そのままの庭園を見、尺八を聞き、そそくさと平泉駅へ愛馬を向けた。途中、ガイドブックに載っていた、わんこそば屋へ寄ることにした。
すごく豪華な御膳だが、食し方が今一わからないので、店員さんに指南をうけた。「色々な薬味を色々に入れて食べてください」う~ん、よくわかったようなわからんような・・・。さて、食べ始めると、いと簡単。つまり色々なものをぐちゃぐちゃに混ぜて食べる・・・。結構上手い。ただ、まだ昼前だったので、義経弁当がじゃまをして、三膳残してしまった。でも満腹だ~~。

毛越寺毛越寺
尺八名手尺八名人
わんこそばわんこそば



駅に着くと同時に電車が~~~。待ち時間はたっぷり1時間ある。計画のなさが露見。ただし、これはまだ迷走の序の口だった・・・。つづく。


ハヤ達を 集めて遅し 蹉跌川

それは、やっと来た列車で平泉を離れた時から、耳の周りで呪甦の如く繰り返されていた。「平泉に来たら、げいびきょう見ないとね・・」「そうそう、げいびきょうはいいよね・・・」ん?げいびきょうって何や??
気がつけば、一ノ関から猊鼻峡行きの列車に乗っていた。日本百景の1つらしい。30分余りで無人の辺鄙な駅に着いた。カオス理論のように、予想のつかない行動を起すことは、案山子の本領発揮の場かもしれない。ともかく、駅からとぼとぼと歩く事数分、猊鼻峡の船着場に着いた。ほとんどが観光ツアーの一行の中、個人観光者を集めた船に乗った。東北の舟下りは、30数年前の最上川下り以来だ。
舟下り猊鼻峡舟下り

岩盤に 船頭の声 澄み渡る

川の流れは緩やかで、水深も浅くのどかな舟下り(行きは遡上)だったが、ハヤ(うぐい・四国名イダ)が客の投げる餌を求めて群れでついてくるのが一種異様な光景だ。秋の紅葉の季節ならすばらしいのかもしれないが、あまり変化のない景色がつづき、船頭の駄洒落が木霊する。ただ、帰りの船頭の民謡、甚句などを楽しみにしていた。が・・・・。
舟下り2猊鼻峡

風情より 欲世に嵩じる 馬鹿親子

どこの場所にも、情緒感のない輩がいるものだ。船頭の駄洒落には大笑いしてた隣の親子三代。美声で歌いだすと何の興味もないのか、もっぱらうぐいに餌をやっている。その飛沫が自分や周りの人にかかってもお構いなし。一所懸命聞いてる側で親子そろって高笑い。こんな所で注意するのも嫌なので、ずっと我慢してたが(限界点を超えていたかも)旅の風情もどこかへ行ってしまった。船頭さんがかわいそ~。
うぐいはや

いつまでも 三つ子の魂 繰り返す

船から降り、またとぼとぼと猊鼻峡駅へ向った。そして時刻表を見て、思わず目が点になってしまった。待ち時間2時間58分・・・・がび~~~ん。せっかく四国から東北へやって来たのに、貴重な時間を何の変哲もない無人駅で過ごさねばならないのか・・オ~マイゴ(迷子)~!
そして待つこと2時間余り。突然列車が停止した。おお、これかこれか。と、なんの躊躇もせず飛び乗った列車。確か下りだよな~~。でも何か違う予感。車中の客に聞くと、何と逆方向。そうか、東京以北では下りは北へ向ってるんだった。慌てて運転手に事情を話すと。次の停車駅で降ろしてくれるとの事。本来は上り列車とのすれ違いのため乗客は降ろさないのだが、車掌の昇降ドアから降りることになった。その上りの列車こそ、本来乗るべき車両だった・・・。そういえば子供の頃からよく上りと下りを間違えて乗ってたのを、ふと思い出した。三つ子の魂のなせる性かな。とほほ・・。
やっとこさで仙台へ着いたころには8時近くなっていた。午前中、平泉を2時間程観光して、午後から殆どの時間を猊鼻峡に費やした訳だ。

翌日は大雨。そういえば仙台に二泊もしてるのに、地下鉄の往復だけの行動。青葉城にある伊達政宗の像だけは見ておきたいと思った。そこで仙台城跡南行きのバスに乗り込む。東北大の校舎を縫うように走るバス。雨足は益々ひどくなってきた。そして仙台城跡南に着く。雨をさえぎる物はなにもない。思いっきりずぶぬれになりかけていると、天の恵みか空車のタクシーが・・・ありがたいことに運転手さんが傘を貸してくれ、すぐ近くの正宗像で記念撮影もしてくれた。そしてすぐ仙台空港行きバスターミナルまで直行。バスとタクシーの乗車の時間を引くと、仙台での観光は2~3分だった。
伊達政宗像正宗公像

東北は 遠きにあらず 物産展

仙台空港から無事高松に着く。11時10分に仙台を経って、地元のスーパーに着いたのが1時30分過ぎ。東北も隣町の感あり。そして、買物にスーパーへ入った途端、「まつしぃまぁぁの♪さぁよ~~ずぃいがんじぃ~」って歌が流れて来た。何とタイミングがいいのだろうと、場内を見渡すと、なななんと!東北物産展をやってるではあ~りませんかぁ。どっと疲れがでて、そそくさと家に帰り、睡眠をむさぼった次第。また行きたいみちのくの旅を夢見ながら・・・。
仙台空港雨の仙台空港



© Rakuten Group, Inc.