案山子の世界

2007/08/13(月)12:30

初夏の風

詩(54)

初夏の風 06.6.6案山子 海辺をぶらぶら散歩する 漣の向こうから 初夏の風がやって来た さわさわさわさわと からだにまとわりながら 憂いを含んだその風は あいさつもせず去っていく 見上げる空は雲ひとつなく 紺碧の海より出た初夏の風は 紺碧の空へと去っていく 山辺をとぼとぼ散歩する 稜線の彼方から 初夏の風がやって来た ひゅうひゅうひゅうと からだに衝突しながら 夏草の香りのその風は あいさつもせず去っていく 見上げる空は雲ひとつなく 新緑の大地より出でた初夏の風は 新緑の空へと去っていく 街角をきょろきょろ散歩する 電車道の線路から 初夏の風がやって来た むしむしむしと からだを包み込み 夏の予感のその風は あいさつもせず去っていく 見上げる空は雲ひとつなく ビル街の谷間から出でた初夏の風は ビル街の隙間へと去っていく

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る