2007/08/13(月)12:30
初夏の風
初夏の風 06.6.6案山子
海辺をぶらぶら散歩する
漣の向こうから
初夏の風がやって来た
さわさわさわさわと
からだにまとわりながら
憂いを含んだその風は
あいさつもせず去っていく
見上げる空は雲ひとつなく
紺碧の海より出た初夏の風は
紺碧の空へと去っていく
山辺をとぼとぼ散歩する
稜線の彼方から
初夏の風がやって来た
ひゅうひゅうひゅうと
からだに衝突しながら
夏草の香りのその風は
あいさつもせず去っていく
見上げる空は雲ひとつなく
新緑の大地より出でた初夏の風は
新緑の空へと去っていく
街角をきょろきょろ散歩する
電車道の線路から
初夏の風がやって来た
むしむしむしと
からだを包み込み
夏の予感のその風は
あいさつもせず去っていく
見上げる空は雲ひとつなく
ビル街の谷間から出でた初夏の風は
ビル街の隙間へと去っていく