かかしのジャンプ

2010/12/10(金)13:02

【死刑無罪判決】殺人罪問われた男性にも無罪 

事件・事故・裁判(579)

【死刑求刑で無罪判決】同様のケースで審理に加わった裁判長 殺人罪問われた男性にも無罪  2010.12.10 12:36サンケイ 高齢夫婦殺害事件の裁判員裁判で、無罪を言い渡した鹿児島地裁の平島正道裁判長=10日午前(代表撮影)  今回の無罪判決を言い渡した鹿児島地裁の平島正道裁判長(47)=熊本県出身=は、佐賀県で21年前に女性3人の他殺体が見つかった「北方事件」の控訴審で陪席として審理に加わるなど、経験豊富な裁判官だ。  最高裁が統計上把握している昭和53年以降、死刑求刑に対する1審無罪判決は4事件(再審の4事件除く)。北方事件はこの中で初めて1、2審とも無罪になったケースだった。  平成17年の1審佐賀地裁判決は、今回と同様に状況証拠を積み重ねた検察側主張を退け、19年の2審福岡高裁判決も被告を無罪と判断。検察側は上告せず、確定した。  平島裁判長の鹿児島地裁着任は20年4月。今回以外に17件の裁判員裁判を指揮したほか、21年4月には母親を殺害したとして殺人罪に問われた男性に「事件当時、心神喪失状態だった」として無罪(求刑懲役10年)の判決を出した。 【死刑求刑で無罪判決】「両親は誰に殺された…」 遺族、涙の傍聴 2010.12.10 12:14サンケイ  「両親は、一体誰に殺されたというのか…」。強盗殺人などの罪に問われた白浜政広さん(71)に10日、鹿児島地裁で無罪が言い渡されたことを受け、被害者の蔵ノ下忠さん=当時(91)、ハツエさん=同(87)=夫妻の遺族は、やりきれなさをつのらせた。法廷では、何度も涙を拭いながら懸命にメモを取っていた。  「『なぜ両親でなければならなかったのか』という疑問は残ったままだ」。裁判員裁判の公判を傍聴し続けた遺族は、結審後のコメントで、率直な思いを吐露した。意見陳述では、白浜さんを前に「死刑以外考えられない」と裁判員らに訴えていた。  両親の変わり果てた姿を、最初に見つけたのは三男だった。「いつも自宅横の畑にいる父の姿が見えず、変だと思ったら窓が割れているのに気付いた。急いで中に入ると、両親が倒れていた」。証人尋問で当時の状況を振り返った。  「母の背中を揺すって『お母さん、大丈夫な』と声をかけた。父は顔中血だらけで正視できなかった」。2人の無残な様子を再現し、声を詰まらせた。  意見陳述では、夫妻の4人の子供が、口頭や書面で悲痛な思いを訴えた。事前に内容を見た平島正道裁判長が、被告の犯人性を主張したとみられる一部の陳述を削除するよう指示し、遺族に「事実の認定は私たちに任せてほしい」と語りかける場面もあった。  ただ、いずれも白浜さんについては「名前も全く聞いたことがなかった」と口をそろえ、夫婦との接点は見えないままとなっていた。  長女の意見陳述では、ひ孫に笑顔で接する夫妻の写真がモニターに写し出された。「父は耳が遠くてガラスが割れた音など聞こえなかっただろうし、母は恐ろしさで逃げ惑ったのではと思うと耐え難い。どこに大金があると思ったのか、犯人に問いたい」。声を絞り出すと、裁判員の一人は目に涙をいっぱいため、聞き入っていた。

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