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カテゴリ:ブレックファスト
京都人で、「ロバのパン」を知らない人はいないだろう。
巨大オムレツのグリル・アローンの看板の近くに、派手な車がとまっているのがそれだ。 京都大学の学生にイノダ珈琲(京言葉で「コーヒっ」という。ちなみに大阪弁だと「ヒーコっ」)を知らない者がいないように。 これは移動式でパンを販売している車なのだが、ほんとうに昔はロバにパンの販売台を引かせていたらしい。 一時は全国に普及し、東京にもあったらしいが、今は京都名物になっている。 こうした商売が生きのこっているというのが京都なのだ。 車につけているロバの絵の商号も大げさにレトロで笑ってしまう。 ![]() 最近の「焼きたてメロンパン」のように何百円もとらない。 すべて一個百円以下なのである。 さらにレトロな「ロバのおじさんチンカラリン できたて焼きたて いかがです」なんて童謡風のテーマ音楽を流しているから、またまた笑ってしまう。 しかし、そこには主人公の大きな誇りがあると見た。 儲けは追及しない。 支店や拡販も目指さない。 もとは「ビタミンパン連鎖店(チェーン)」だったというが、もうそんな組織力はないだろう。 ここだけ長く細く、京町屋の「うなぎの寝床」のように、おとくいさまだけを相手にする京都商売の精神を、この一台の車が自信を持って担っている。 だから生きのこっている。 商売を始めたばかりの人間が、やたら自分の店を持ちたがるのとはワケが違う。 店を持つコストを省いても移動販売を続ける。 商品を売り切り、売ったら帰る。 昔の正義の味方のように。 何かとても素晴らしい仕事のように、曹操閣下には思われるのだ。 楽しみながらやっているね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.02.22 15:59:00
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