2008/04/07(月)10:17
【千鳥ケ淵】の「花喰い鳥」☆
日本古来の美しい文様の一つに【花喰鳥】という伝説的な鳥のデザインがある。
花を食べる鳥というのは、おそらくは鳳凰(不死鳥)の幼生という存在であり、もともと正倉院の文物の模写から転記してとられたものだ。
この【花喰鳥】は、同じように花を食べる鳳凰と一緒に描かれている。
したがって、このデザインのテーマは不老不死の世界を意味していたと考えられるのである。
この【花喰鳥】は今でも着物や帯の伝統文様として再現、常用されている。
さすがに現代なので、おそらくはハチドリなど、色彩については現実の鳥類も参考にしているのだろう。
さて、千鳥ケ淵の桜並木だが、まだ満開したばかりなのに、ハラハラと花が落ちてくる。
どうしてだろうと枝を見上げると、スズメなどの野生の小鳥たちが桜の花に群れて、花を喰いちぎって落としているのである。
イタズラをしているのかなと思ったが、どうやら桜の花にも蜜があって、そのあたりの花の根元を狙って食いちぎっているようなのだ。
伝説の【花喰鳥】を再発見した。
なるほど花に遊ぶ小鳥たちの情景は美しい。