2008/12/28(日)20:50
【ディズニーランド運営の人事戦略】
■不況に負けないオリエンタルランド 東京ディズニーリゾート強さの秘密
警察庁は今月16日、正月三が日の主な行楽地への人出を今年より3万人多い342万人と発表した。
トップはやはり東京ディズニーリゾートで35万人。
「HOT☆FANTASY ODAIBA」の18万人を大きく引き離してのトップだった。
景気減速で海外旅行者数が落ち込んだり、外食産業が不振のなか、今年25周年を迎えた東京ディズニーリゾートは断トツの集客力を維持している。
08年度上半期(4月1日~9月30日)の2つのテーマパークの合計入園者数は、過去最高の1304万8000人(同7.2%増)を記録。
同リゾートを運営するオリエンタルランドが先月に発表した08年9月中間期の連結決算によると、売上高は前年同期比11%増の1810億円に、純利益は同5%増の88億円とそれぞれ増加した。
また金融危機による景気減速の影響でトヨタなどの多くの国内優良企業が業績予想を下方修正しているなか、オリエンタルランドは先月に09年3月期の連結業績予想を上方修正し、売上高を従来予想3739億円から前期比10%増の3750億円に引き上げている。
業績に比例し株価も好調で、日経平均株価がこの2年間で1万8000円付近から現在の8000円台まで大きく下落しているが、同社株はむしろ上昇を示している。
オリエンタルランドのこの強さはどこからきているのだろうか。
東京ディズニーリゾートは日本のレジャー施設では長い間ひとり勝ち状態だ。
首都圏という立地の良さにもかかわらず、一歩足を踏み入れると非日常的な空間が客を待ち受けている。
毎年新しいアトラクションやパレードを次々と導入することでファンを飽きさせない工夫を続け、今年は東京ディズニーランドホテルの開業させるなど積極経営が功を奏している。
だが同社の成長の根幹となっているのは人材育成、つまり従業員による高品質なサービスの提供にあるといえるだろう。
訪れた客を接客でも感動させるために東京ディズニーリゾートでは従業員のモチベーションを高めるための工夫を欠かさない。
同リゾートではキャストの9割以上がアルバイトだといわれているが、職位や権限を経験に応じて与え、やりがいを持ってもらうために責任の範囲を広げている。
さらに独特なのは評価の方法だ。
一般企業では評価基準の多くは直属の上長からの部下に対して行い、評価の結果は昇給という形にあらわれるが、同リゾートでは同僚や他のキャストからの評価も重要視され、評価は給与には反映されない。
評価をめぐってキャスト同士で監視しあうという状態を避け、純粋なやりがいを追求するような環境になっているのだ。
こうしてアルバイトを正社員以上の戦力に育てあげることがオリエンタルランドの強さの秘密となっている。
10月には北米地域以外では初となる、シルク・ドゥ・ソレイユ専用の常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」を同リゾート内にグランドオープンさせたが、同劇場が興行的に成功すればオリエンタルランドの成長をさらに後押しすることになる。
[MONEYzine] (12月23日13時40分配信)
☆不定期労働もディズニーのように経験と人柄・人望によって権限を持たせるようにして、正社員雇用にしたらいい。
新卒雇用制度をそもそもやめるべきではないか。