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こんにちわ♪

こんにちわ♪

日本のODAを考える

ODA (Official Development Assistance: 政府開発援助)のこと。



この課題を書くのは。

正直難しく。

そして、結構厄介なんだ。

日本はそれはそれは、世界の開発途上国に多額の援助をしているんだけれども。

それは、本当に援助として機能して、そして途上国のためになっているんだろうか?



フィリピン在住中。

俺は、このODA事業の末端で仕事をしていたのだ。

俺の任務は、フィリピンに酪農産業を根付かせ、貧しい国民へ栄養供給しようということだ。簡単に言えば。


フィリピンは、確かに貧しい人たちも大勢いる。

でも、お金持ちも結構いて。

そういったお金持ちは、日本のお金持ちとは比較になんないくらいの大富豪だったりする。

つまりは富の占有だ。

そして、貧しい人たちもいるけれど。

そういった人たちが必ずしも飢えているかというと。

決してそういうわけではない。

だってフィリピンは、南国の楽園だもん。

働かなくても、おなかすいたら、ヤシの木登ってヤシの実食べれるよ。


フィリピンへは、日本からそれはそれは多額の援助がされているんだ。

その援助には、大きく分類して2種類あり。


無償援助と有償援助。


無償援助というのは、いわばドネーション。返還の義務はない。

有償援助というのは、いわば貸付なのだ。国家間で行われている長期ローンだ。

ただし、ほとんどが無償援助。

それじゃぁただのドネーションなのか、というとそうでもない。

インフラ整備などが無償援助の実態であり、それには日本の企業、いわゆるゼネコンしかその落札に参加できないような仕組みをとっている。

つまりはあれだね、日本の道路工事の延長を海外の発展途上国でしていると思えばいいことなのだ。


 『ゴルゴ13』という漫画を知っているでしょうか?

主人公は国際的なスナイパー(殺し屋)で、次々と人を殺しまくる。

依頼者もいい人から悪い人までいろいろといる。

だから、同じ殺し屋といっても『必殺仕事人』みたいな正義の味方ではなく、もっと中立的な存在。難民を救うこともあれば、革命をつぶすこともある。

そんな漫画だ。

こんな漫画だけれども、非常によく国際社会のことが分かるので、そういった分野の人にはお勧めの漫画のひとつだ。

この漫画は、ベストセラーとなっており発行部数も多い。

さて、その単行本95巻に『日・米コメ戦争』という作品がある。

元J○CA職員の藤岡氏という人物がこのストーリーの主人公である。

この作品はかなりJ○CAに批判的である。藤岡氏はこう語る。

『たしかに日本は援助金を出す…しかし、その一部は現地政府高官のポケットに入る。あとは開発事業を受注した日本企業が回収…』

『カネは巡り巡って日本へ帰るわけだ…』

『おまけに、その一部が民自(自民)党の政治献金に化ける!』

『現地には、油ぎれの発電機、ヒューズの飛んだレントゲンの残骸が残るだけだ!』

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ゴルゴ13・95巻『日・米コメ戦争』より。

これはフィクションの漫画であり、実在の人物とも全く関係のない作り話である。

俺自身も『かなりうまいストーリーを考えているなあ。でもそんな事はないだろう・…。』と当初は思っていた。

でも、実際に某プロジェクトに参加して、この主人公に同感してしまう事が多々あったんだ。

特に彼が言っている最後の言葉『現地には、油ぎれの発電機、ヒューズの飛んだレントゲンの残骸が残るだけだ!』には、本当にそんな現場を見てしまったので痛感した。

このような矛盾な援助は。

受け取る側のフィリピンにも否はあるとは思うが、援助をする日本側に否が全くないとは言いきれないと思う。

しかし、あえてJ○CAを非難するつもりはない。国際協力をする機関であるJ○CAといえども、日本の国益追求や企業の利潤追求の目的から逃れることは出来ない。

国際協力した結果、本当に日本より発展した国が世界にいっぱい出来てしまったら、日本人や日本企業は困ってしまう。スポンサーは日本政府な訳だからそれは出来ない相談なんだ。

どうしてもやりたければ、NGOを立ち上げるしかない。

ボランティアというのは、相手が自分より低い地位にいるというある種の安心感があって初めて成立する物である。

相手が力を付けると困るような場合、議論が起こるであろう。

北朝鮮向けのコメ支援がいい例なんじゃないか?

フィリピン国内ではフィリピン人同士の金持ちとそうじゃない者の利害関係も存在するし。

俺ら日本人に出来ることは、この日本から大量に流れてくるモノを有効に利用していくということだけである。

モノは既に存在しているわけだから、それをどのように使おうと誰も文句は言わないだろう。

油ぎれの発電機があれば、油をさせばいいし、油がなければ代用品を探せばいいわけである。無ければ解体して別のことに使えばいい。

ヒューズ切れの撮影機があったら、ヒューズを交換すればいい。ヒューズがなければ自作すればいいんだ。

俺の意見はもう少し地元の現状を把握しての援助を行なって欲しいという事である。

必ずしも高額な機材や日本でしか入手不可能な資材が必要なわけではない。

無駄な援助は要らない。

しかし日本は援助しなければならない。まさに税金の無駄遣いである。

このシステムはなかなか変える事はできないであろうが、それに関わる人間は少なくともこの事実を把握しておく必要があるのではないだろうか?

一番問題なのは、これらに関わる人間がこの事実を理解しておらず、援助=善意と捉えてしまう事であると思う。

そして、あまり書きたくない事なんだけど。

こういった援助で、私服を肥やしている日本人の輩も少なからず実在するという事。

皆さんも、知っておくといいかもしれません。



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