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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

大雪の峰々へ

大雪の峰々へ

旅行期間:平成17年9月4日~7日
訪問標的:大雪山登山、蘭越駅訪問

【プロローグ】

4月から違う部署へ異動となったのですが、さほど忙しいところでもなく夏は落ち着いていそうなので、旅行きを決意。嫁のOKも出たので、当初は、九州へ行き、九重連峰を登り、高千穂鉄道訪問というプランで「彗星」の指定席も取ったのですが、もうダメと思っていた北海道行きの航空券がなんとか取れそうなことが判明。せっかくの機会なので北海道へ行こうということにしました。

【1日目】

INもOUTも千歳空港なのですが、行きは関西国際空港、帰りは中部国際空港です。関空は案外我が家からは時間がかかり、朝6時半に家を出ます。
昼前の便で関空を発ち、午後1時に千歳着。今日は、明日の黒岳~旭岳縦走に備え、今日のうちに層雲峡まで入ってしまいます。空港駅からの快速電車で北海道汽車旅の第一歩を記したわけですが、初めて乗る路線というものはドキドキ感がたまりません。
今回は、基本的に18きっぷで移動なのですが、札幌~旭川が普通列車でうまくつながらず、Sきっぷ利用で札幌からは特急ライラックの客となります。
スキー以外の観光で北海道は高校の修学旅行以来。しかもその時は、道内主要観光地を無理無理バスで巡るというプランだったため、印象があまり残っていません。今回は好きなように列車に乗れるので楽しみです。
途中からはだいぶのどかな風景が広がり、旭川で上川ゆきディーゼルの乗換え。ここで停車中の711系を発見。本州で言えば113系といったところで普段の私なら興味の対象外となりそうですが、初めて見る車両のせいか魅かれてしまい夢中でシャッターを切ります。
16時11分発の上川ゆきは1両で、そこそこ席が埋まって出発。さすが北海道で、9月にもかかわらず旅行してる風の方がちらほら見えます。列車はごとごと走り、上川に17時半前に到着。大きい駅を想像していたのですが、窓口は営業時間外で閉ざされ、人も私の他には1人しかおらずなんだかさびしい状況です。
上川からは道北バスで層雲峡へ向かったのですが、結局、最後まで乗客は私ひとり。層雲峡の温泉街もへんに観光客ずれしておらず、ひなびた感じが素敵です。ここではペンションに泊まるのですが、私はペンションに泊まったことがなく、どんなところなのか興味津々、半信半疑だったのですが、私が泊まったところは小ぎれいで、ご主人も親切に外の温泉を案内してくれました。畳敷きの部屋で、学生時代の下宿ワンルームみたいで楽しかったです。高い金だして高級旅館に泊まるだけがゆったりした旅行ではないと再確認させられました。

【2日目】

テレビのニュースによると台風が九州へ近づいている様子。当初の予定どおり九州へ行っていれば、登山どころではなかったでしょう。こちらは好天のきざし。今日は、黒岳~旭岳と縦走の後、旭川から小樽へ入り泊となります。
朝6時ちょうど発のロープウェイで黒岳五合目へ向かうはずが、観光客がわんさかいて次便へまわされます。どうやら層雲峡泊・翌朝ロープウェイで五合目から眺望を得た後ホテルで朝食、という行程が確立されているようです。ロープウェイの車窓からは高度をかせぐにつれて峰々を間近に見ることができるようになり、「さあ、登るぞっ」という気にさせてくれます。
五合目から七合目へさらにリフトに乗換え上り続けます。背にはリュック、手には手提げかばんという姿だったので、リフトこわかったのですが、無事七合目到達。準備体操なぞして、ここから登山開始です。
いつも最初をがんばりすぎてばててしまうパターンが多いので、歩幅を小さくつとつとと登っていきます。天気が良いので長袖のシャツに汗がにじみます。登山道脇の繁みで何度かガサゴソ音がするので何事かと思っていたのですが、なんとシマリスが。動物にはさほど興味がない私ですが、これは感動。なんとかわいらしいのでしょう。この後、2度ほどお姿を拝見しました。
6時50分に七合目を出たのですが、7時50分に黒岳山頂着。七合目までリフトなのでさほど苦労はないだろうなあと予想していたのですが、あっけなく山頂に着いてしまいました。何人か登山客がいましたが静かで、しばし景色に見とれたりします。
10分ほどの休憩で出発。14時35分の旭岳ロープウェイ~旭川駅のバスに乗らなければならないので、最初でゆっくりしているわけにはいきますまい。
あるのは山と私だけといった感じの雄大な景色の中をひたすら歩き続けます。黒岳石室に8時21分着。ここで協力金式のトイレを借りてすっきり。その後は北鎮岳分岐を目指します。途中の御鉢平では三脚に超望遠のレンズを付けた方々がおられ、何かのシャッターチャンスを待っておられるようでした。プロの方々だったのか厳かな雰囲気で、素人の私はじゃまにならない場所で荒涼とした景色をしばし眺めたりします。それにしてもこの辺りは風がびゅうびゅうで寒かったです。あまりにも風が冷たいので、この辺だけ手袋をしていました。
北鎮岳分岐9時30分着発。中岳分岐9時52分着発。天気が良いので雄大な景色の中を歩くのが本当に気持ち良いです。夏休みを使い果たし、有給休暇を3連チャンで取って来たかいがありました。この景色であれば、会社での評価なぞどうでもよろしいですわ。あはははは。
間宮岳10時10分着発。ここではたくさん人々が休んでおられました。ここまではあまり人の姿を見なかったのですが、旭岳から縦走してくる人たちと多くすれ違ったりするようになります。途中20人ほどの集団とすれ違い、その中のおばさんが道を譲ると「おおきに」と言うではありませんか。「関西の方ですか?」と尋ねると大阪から来られたとのこと。やっぱり遠くから来る人もいるんですなあ。
間宮岳のあたりでは人が多くて休み場所が余ってないようだったので、先へ進みます。先ほどから小休止はポイントポイントでしているものの、大きな休みは取っていないので「体がもつのか?」と心配になってきます。それに旭岳山頂へは登りが待っているはずですが、大きな山の姿が壁のように広がっています。うーん大丈夫だろうか?
しばらく下りが続き、これから行く山道がすじになってずうっと先まで続いているのが見通せます。私は地理がよくわからないのでどれが旭岳が不明だったのですが、やっぱり眼前にどーんと立ちはだかっている山がそれのようです。しかも急な斜面を直線で登っていくようです。行く先におののいてしまい、ふもとでしばし休憩。「さあ、登るぞ」と自分に言いきかせてアタック開始。踏み跡がところどころわからない上に、足元は崩れやすく、このコース最大の難所と見た。勾配は急で、登りでよかったと思わさせられます。
旭岳山頂11時06分着。ロープウェイ方面から来る人々が三々五々休憩を取る中、のそのそと到着。ここまでの景色も素晴らしかったので、山頂に来て圧倒される景色というわけではなかったのですが、峰々が見渡せてすばらしいです。本当に来てよかった。普段は電車の写真しか撮らない私も、今回はあちこちで立ち止まってシャッターを押しました。
ここで昼飯とします。層雲峡のコンビニで買った惣菜パンですが、ここまで歩いて来たという充実感でおいしく感じられます。
ありがとう大雪山系、ということで11時50分下山開始。どこかのサイトで旭岳ロープウェイ~旭岳~黒岳と縦走するほうが私のとった逆コースより楽という話を拝見しましたが、どーもその逆のような。下山路は崩れやすくえんえんと登りが続くので、これって私がとったコースのほうが黒岳の登りが少ないのでだいぶ楽なのでは。途中追い抜いたご夫婦に「層雲峡から縦走してらしたんでしょう。すごいですね。私たちも明日は黒岳登山です」とおっしゃるので、「ここの登りのほうがしんどいから。黒岳はここより楽ですよ」と答えます。それとも私の足が疲れてきてしんどく感じているだけなのでしょうか。
何はともあれ、斜面には噴気をあげている様が見られたり、かたや下界には湿原が広がる様が見られ、気持ちがよいです。旭岳石室12時45分着。このあたりでは姿見ノ池に来たであろう観光客の姿がちらほら。
姿見駅12時57分着。縦走終了です。景色がすばらしく本当によかったです。来夏も北海道で登山したいものです。
この後は旭岳温泉のペンションで日帰り入浴の後、バスで旭川駅へ。JRを利用して小樽へ向かい、小樽築港駅近くのヒルトンに泊まります。実は私、結婚式をあげる際、名古屋のヒルトンにも行ってあったのですが、内装のきれいさにただただ圧倒されたのでした。費用がすごくて「見てるだけー」で終わったのでしたが、断りの電話を入れた際に「どういった理由でダメでしょうか。なんとかなることでしたら対応させてもらいますので、なんとか再検討を」と言ってくれた担当の方の真摯さに感動させられてことが懐かしく思い出されます。
宿泊検索サイトにも書き込みがあったのですが入り口がわかりにくく、大きいリュックをしょっておしゃれなモールの中をうろうろします。ようやく入り口を見つけてチェックイン。やはり内装はすばらしいです。部屋もツインの一人利用で広々していて快適。明日は普通のビジネスなので、今日はゆっくりさせてもらいましょう。

【3日目】

今日も天気がよいです。今日は蘭越駅の硬券を捕獲して千歳から北海道に別れを告げる行程です。
8時前に小樽築港駅を出発。小樽で長万部ゆきに乗り換えます。この列車1両しか車両をつないでおらず、席がほどんど埋まって出発となります。
最初の行程では羊蹄山登山を考えていたのですが、うまく日程が組めず大雪方面となったのでした。ニセコあたりはひなびた感じで、来年はこっちに来ようかなと思ってみたいもします。
蘭越駅10時04分着。私の前を一人走っていきます。やっぱり同好の士で「硬券全部」とか言っています。私は行き違いの小樽ゆきで戻るのですが、なんと私の前の人が補充券類を頼みだすではないですか!しかも料補、出補とフルコース。こんだけしか時間がなくて後に同好者もいるのに。私は唖然としました。気持ちはわかるけど、そこまで頼むのかと。その人しきりに「すみません」と謝ってたけど、ちょっとひどすぎるのでは?結局、私は時間切れ。硬券を出してもらっている頃に列車が入線。「申し訳ないけど郵送で」と駅員氏から切符のリストや駅の住所が載った紙をもらい、小樽ゆきの客となります。こんなのだったら切符は郵送で頼み、今日なんかはニセコあたりの山に登っておいたのに。もうがっくりです。
「列車の交換時間だけではやはり厳しい。余裕を持たせなかった自分自身も悪い」「あの人、改札口までダッシュして1番乗りだったから優先権はあの人にある」と自分を納得させて、次なる目的地の余市へ。駅前の柿崎商店で昼食とします。いろいろなメニューに目うつりがした末、うに丼を選択。がつがつ食べ、1時間後の列車で小樽乗換え、新千歳空港へ着きます。
空港へ着くやいなや郵便局へ向かい、蘭越駅宛てに硬券の郵送依頼を出します。三重から出すより、道内から出して少しでも早く切符を手に入れたいとの気持ちがあったためです。 楽しかった北海道滞在もこれでさようならなのですが、電光掲示板のこれから乗る中部国際空港ゆき便には「運行検討中」の文字が・・・。17時の便なのですが、16時頃に運行するかどうかの判断がくだされるそうです。で、土産など買い時間をつぶしロビーに戻ると、どうやら飛ぶようで、ただし荒天の場合は羽田着とのことです。「羽田着になったら新幹線で宿泊地の浜松入りか?こいつは面白そう」とか思いながら、機上の人となります。結局、飛行機は予定どおり飛びました。が、風がすごくバス発着場は吹きさらしのため、風がびゅーびゅーでした。
中部国際空港からは名鉄バスで岡崎駅へ。客は私ひとりでした。岡崎駅からはJRを利用し、浜松駅前の宿に無事到着しました。

【4日目】

この浜松の宿はさして期待していなかったのですが朝食がとてもおいしく、気持ちよく出立することができました。
今日はいったん三重に背を向け岳南鉄道を訪問してから帰宅します。18きっぷもちょうど今日で使い切りです。それにしても台風の影響なのか、ばらばら雨が降ったりします。
岳南鉄道は4度目くらいの訪問になるのですが、これまでは吉原本町~吉原しか乗車したことがありませんでした。まず、吉原でこれまで買いもらしていたJR線内行きの硬券を購入。以前から欲しかったのですが、ようやく手に入れることができました。金額式の他に東京都区内ゆきを、「高いけどいいんですか?」と言われながら購入。私はJRにしろ私鉄にしろ、東京都区内ゆきの硬券を持っていないため、今回はこれにターゲットをしぼっていました。
ホームに行くと電機機関車が停まっていたので、これ幸いと写真をぱちり。いまどき私鉄の電機は珍しいのでしげしげとながめてしまいます。
スーツ姿のサラリーマンらしきグループも乗っており、工業地帯を実感しながら最初に比奈駅へ。構内は貨物の扱いのためか側線が広がり、古き良き時代を感じます。今回の収集にあたり過渡期ということで地紋や券色がいろいろあると聞き、他掲示板さんの情報を参考にすべての種類を網羅すべく収集してみました。いま家に帰って机上に並べて券をながめてみると、表記、色、地紋、いろいろあってなかなか楽しいです。また、最近は落穂拾い的な収集が多かったのですが、一挙に自分が持っていない券が多量に入手できるのは今回が久しぶりな感じがします。
比奈駅の次は吉原本町駅へ。この駅は二度めの訪問なのですが、こんなに待合スペースが広かったっけ?というくらい記憶がとんでいました。ここに来た最大の目的はJR連絡の往復硬券です。沼津までの券を購入。これでだいたいの券種は網羅したはずです。
収集も終わり、明日は仕事です。今回は青春18きっぷ使用ですので在来線にゆられて帰宅しました。

<おわり>



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