異境の地② ギリシャ・メテオラの修道院ギリシャの観光地というと、バルカン半島の先端の首都アテネだとか、エーゲ海に浮かぶ島々が中心だが、内陸部にもちょっとした穴場がある。メテオラがそのひとつだ。 ブルガリア国境に近い都市テッサロニキからアテネに鉄道で下る途中にメテオラはあった。 よく中国の写真で、こんな形の岩山の田園風景を見掛ける。 同じような風景がギリシャにもある。 どうだ、そっくりだろう。どうやら、石灰岩の大地が風雨で浸食された結果、こういう地形が出来上がるらしい。 中国の岩山とメテオラが異なるのは、その岩の頂上に人が住んでいる点だ。頂上をよく見ると、ほら、岩山のてっぺんに建物が今にも落っこちそうな格好で乗っかっている。 どうやらギリシャ正教の僧が中世の昔から、文字通り下界から隔絶されたこの岩山のてっぺに築いた僧院で共同生活し、修行しているそうな。大きめの岩山のてっぺんは数百坪くらいあって、建てられた僧院も立派なものだ。観光客が見学できるように、岩山のふもとからてっぺんまで階段が掘られていたりする。 小さめの岩山のてっぺんはたぶん100坪やそこらしかないのではないか。観光客が見学する余地もないし、階段もない。…しかし、階段がないとなると、どうやって下界と行き来するのか?滑車とロープで上げ下ろしするのである。 高所恐怖症だとか閉所恐怖症の人にはちょっとこういうところで生活するのは困難でしょうな。 |