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2010/07/31(土)01:37

完走インタビュー

マラソン/山/トライアスロン(227)

―完走おめでとうございました。まずは一言ご感想を。 ありがとうございます。まあ、満足です。 ―「満足」の前に「まあ」が付きましたが、100%満足とまでは行きませんでしたか(笑)。 欲を言えば、12時間を切れていたならば100%満足でした。レースに集中しようと思って、バイクの1周目のラップをチェックした時点以降、時計を見るのを止めたので、最後のゴール前の電光表示板を見るまでどのくらいのタイムで走れているのか分からなかったんですよ。結構調子よく走れて「もしかして11時間台で完走できてるかな…」という淡い期待を抱いていたもので、表示板のタイムが12時間台になっていたのを見てちょっとだけガッカリしたもんで(笑)。 ―昨年初完走したアイアンマン・ケンタッキーでの“不完全燃焼”感が、今回のアイアンマン・レイクプラシッドへの挑戦の動機だったと記憶していますが、今回も“完全燃焼”までは至らなかったんでしょうか。 …いや、今年は不完全燃焼感はないです。悪天候やパンクなどといった予定外の出来事に見舞われることもなく、ほぼ目論見どおりのレース展開ができました。トレーニング期間中も、計画したメニューをほぼ消化できて、しかも今回、全世界20箇所くらいで開催されているアイアンマンの中でも1、2を争う難コースとして知られているレイクプラシッドでその成果を出せたので、充実感は高いです。練習試合で打てていたホームランを決勝でも打てた時の満足感に近いかも知れません(笑)。 ―タイムも30分近く更新されたんですよね。 はい。でも、さきほどちょっと触れたとおり、一口にアイアンマンと言っても、アイアンマン・フロリダみたいな平坦なコースのもあれば、レイクプラシッドみたいな難コースもあって、当然難コースの方が完走に時間が掛かりますから異なる場所でのアイアンマンのタイムは本来比較できません。また同じアイアンマンでも、去年は悪天候だったのに今年は絶好のコンディションだったりもするわけで、同じ場所でのアイアンマンでさえ単純に比較はできません。そういう意味で、タイムより順位で比較するのが指標として適切かも知れません。 ―順位でいうと。今回は総合で870位でしたっけ。 最新の記録を確認したら869位になってました。ぼくの前に1人失格者でも出たのかも知れませんね。2611人が出場して、時間内完走者が2500人くらいですね。40-44歳男子の年代別では、463人中168位です。 ―上位3分の1といったところですね。 はい。去年のアイアンマン・ケンタッキーでのぼくの順位はたしか上位45%くらいだったと思いますが、平均的なタイムでデビューしてから、1年で上位3分の1まで前進できたと思うと、なかなか満足感があります(笑)。 ―もう満足したからアイアンマンはもう卒業してもいいと(笑)。 う~ん、まあ少なくとも「来年もやらねば。」という理由はこれでなくなりましたねえ。なにせ、アイアンマンをマトモに完走しようと思ったら、プライベートな時間のほとんどをトレーニングに割くくらいの決意が必要じゃないですか。それを思うと、毎日ヒマさえあれば自転車に乗り、走り、泳ぐという異常な生活をまた1年繰り返す必然性はもう自分の中にないな、と思います。 ―え、「卒業」というのは冗談のつもりで言ってみたんですけど、ほんとだったんですか(笑)? はっきり言って、ぼくの年代でアイアンマンに参加している人たちは、職場では比較的安定した中堅的な地位について、家庭では子供たちが手の掛からない年齢に成長して、このまま惰性で日々を重ねて老化していく前に何か大きなことに挑戦したい…といった動機で挑戦している人が多いと思うんですよ。なんか、そういう同世代の参加者を見ていると、仕事は契約社員で家庭も持たないという制約のない気楽な立場でアイアンマンに向けてトレーニングできるぼくの身分というのは、なんだかズルをしてるような気になるんですよね(笑)。 ―そういえば、先日のつぶやき日記で、子供が応援している連中には敵わないとか書いてましたね。 まあ、子供でも妻でもいいんですけど、自分のためだけにやってるぼくみたいな独り者に比べて、「愛する者」のためにやってる連中は強いですよね。たとえばぼくだったら、仕事がイヤになったら辞めればいいわけですが、「愛する者」がいる人は同じ立場になっても妻子のことを思って踏ん張るわけですよねきっと。同じことです。妻子の側は実は内心「バカみたい」と思いつつ熱血オヤジに付き合ってるのかも知れませんけど(笑)、オヤジの側は「愛する者のために命を賭ける」くらいのつもりでやってますから(笑)。 ―(笑)。ということは、次は自分もまず愛する家族を持つところから始めようと考えているとか? …いや、そこまでは考えてません。ぼくが言いたいのは、何をするにせよ、自分だけのためにやってても、つまらなくなってすぐに飽きるということです。登場人物が自分しかいない物語みたいなもんですから。何か、「ほかの誰かのためになる」ことをするところから始めたいなと。 ―そういえば去年は「ボランティア活動とか農業でも始めようか」とか言ってませんでしたっけ(笑)? はい、去年すでにそんなこと言ってましたね(笑)。なんというか、アイアンマンに掛けるくらいの時間とエネルギーを、中年オヤジらしくまずは「仕事」に掛けたいかなと。ぼくがプロ並みの潜在能力を持っているならアイアンマンのトレーニングに賭けるのも悪くないのかも知れませんが、自分が能力のないことがはっきりしている分野に時間と労力を費やしているのは、すごく非効率的なことをしている感が抜けません(笑)。もう寿命も限られているわけですから、どうせなら同じ努力を自分が多少なりとも能力を持っている分野に費やすべきかと。 ―なるほど。いよいよアイアンマンを卒業して、本業に労力を注ぎたいということでしょうか。 まあ、肝心の「本業」がはっきりしていないのが問題ですけど(笑)。でも、アイアンマンも決して卒業というわけではなく、今後も水泳・自転車・ランニングは続けるつもりですし、そう遠くない将来にまたアイアンマンに復帰すると思います。このまま「本業」が決まらなければ、来年も引き続きアイアンマンやってる可能性もありますし(笑)。

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