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~亀さんのピアノ~

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October 26, 2006
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きょうは、ほぼ一日、カウンセリングルームにいました。

とりあえず、遅刻してなんとか登校するものの、
そこで、遊ぶ約束をして、10時には下校してしまう子。

彼女たちは、なんと中学3年生。
立派に受験生。

卒業したらどうするつもりなんだろうと、こちらが不安になってしまいます。
その中で、一人で黙々と勉強する女の子がいます。

「先生、私の受験する高校の入試科目には、社会科はないけれど、公民だって勉強しなきゃ、
中間テストで、ひどい点取っちゃうよね?」

私「そうね、公民って生きていくうえで大事だと思うよ」

公民の教科書には、バリアフリーや共生、パラリンピックなどという言葉も出てきて、
私としては「こんなことまで、学校で教えてくれるのね」って感じ。


彼らが大人になったら、ひとりのピアノが好きな老人を助けたくて、
大勢を敵にまわした私の気持ちがきっと理解されるのではないかと思いました。

ピアノが好きな老人に対し、足が不自由なら、教室に通う必要がないと言ってのけた公民館長が正しくて、その老人にエレベーターを使わせてほしいとお願いした私が悪者になることはないでしょう。

そんな日が一日も早く来てくれることを願わずにはいられません。


(それにしても公民を教えているはずの夫が、家事を全部私に押し付けて、自分では全くしようとしないのは何故? )


彼女は、私が使っていた大きなテーブルに教科書を持ってきて、
一生懸命勉強していました。

お昼近くになり、そろそろ給食をとりに行く時間になると、
彼女は、私が仕事をしていると、邪魔をしてはいけないと思ったのか、
小さなメモ用紙に「先生、給食を取りに行ってきます」と書き、
静かにカウンセリングルームを出て行こうとしました。


正直、いまどきの中学生に、こんな気遣いができる子がいるとは思いませんでした。

私は、たいした仕事をしていたわけではなかったので、
「どうぞ、いってらっしゃい」というと、

彼女は「先生、邪魔しちゃってごめんね」といいました。

「いいのよ、そんな気にしなくて。その気遣いはとてもうれしいし、こういうことできるあなたも
素敵な女の子だと思うよ」
と返しました。

そのときの彼女の笑顔もまた、とても素敵でした。

どうして、こういう子が教室に入れないのでしょう?
疑問です。

大人の社会と同じで、間違ったことが正論として教室の中でまかり通っているのではないかと、
ものすごく不安になりました。






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Last updated  October 26, 2006 07:12:39 PM
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