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カテゴリ:楽天トラベル成功のコンセプト
※前回からのつづきです
その2■宿泊予約システム事業5ヶ年計画 話をサービス開始前に戻します。 「インターネットに置き換えられるのでは?」と着目した宿泊予約について、早速、事業の5ヵ年計画の策定に取りかかりました。 当時の日経新聞でも、ITの発達はこれまでと比べて7倍くらいのスピードで(いわゆるドッグイヤー)発展すると言われていた頃であります。スピードが重要であるとの認識から商品開発にあたり、まずはシティホテル・ビジネスホテルに着手すべきだと考えました。 なぜなら一般的にレジャーで宿泊施設を利用する場合、一人の利用頻度はせいぜい年に2~3回程度ですが、出張用途であれば毎月、多い人なら毎週利用するからであります。 それだけの頻度で利用するお客様にとってみれば、サイトでいつでもリアルタイム情報をチェックできる仕組みは受入れられるであろうと考えたからです。 日本国内には、シティホテル・ビジネスホテルは約8,000軒、民宿・旅館やレジャー系宿泊施設を合わせると約80,000軒ありました。(※実はこの数値は現在もあまり変化していません) そこで仮説を立てました。 シティホテル・ビジネスホテルの平均客室数は100室、その平均稼働率は70%であります。 つまり8,000軒のホテルは平均70室を365日販売し続けているということであるのです。 よって、まずはこの一部をインターネットで販売できるようにしたうえで、宿泊料が1部屋当たり10,000円としたうちの5%(だいたい500円)くらいの手数料を貰えないだろうかと考えたのです。 次に、サービスの認知度とシェアについての関連を考えてみると、 意外に聞こえるかもしれませんが、データとしては業界最大手のJTBは国内の全旅行(この「旅行」には東京の人が東京ディズニーランドに遊びに行くようなものも含む)の4%を扱っているに過ぎないのです。そのようなシェアにもかかわらずJTBの名は誰でも知っています。 つまり、誰もが知っているJTBでさえシェアとしてはそのくらいの数字なのだから、我々もビジネスホテル予約全体(70室×365日×8,000軒)の5%のシェア(約1,000万泊)を取れれば、相当広く認知されるであろうと目安を掲げたのです。 ここに前述の5%くらいの手数料が貰えれば(実際には成功報酬6%を手数料としたが)、これが年間50億円になるわけで、事業として充分魅力的なものになるのではと考えたのです。 そうしてまずはシェア5%、年間売上50億円を目標にして動きだしました。 ※5ヶ年計画で策定した年間50億円の目標は、実際には7年経って(2003年)到達。 つづく ■1999年7月「ホテルの窓口」から「旅の窓口」へとリニューアルオープン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 25, 2008 06:17:14 PM
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