髪処 禅 ブログ

2010/11/15(月)18:34

ハサミについて

「美容師ならでは」の話(3)

美容師なら知っているけど、一般の人はあまり知らなく、その業界にいると当たり 前の事でも、紹介したら面白いのでは?と考え「美容師ならでは」の話のカテゴリ を作成してみました(PCの人はブログ画面左のカテゴリより入れます)。 今回はハサミの話。 1日に何度も開閉するハサミですが、一番使う道具だけに、毎日メンテナンスをして います。止めてあるネジの部分に髪の毛が入り動きが悪くなったりするので、油を さして髪の毛を追い出したりして、開閉をスムーズにします。 刃自体も返り刃(と呼んでいる妙なひっかかり、急に切れ味が悪くなることもあり) が出たりするので、セーム皮(鹿の皮)で毎朝拭くようにしています。カット中も 返り刃の影響で切れなかったすると、拭いたりも。 詰まった髪の毛が、なかなか取りきれない場合には、分解しちゃいます(酒井です、 他の美容師はやっているかは知りません)。 この止めているネジも、専用工具でないと回らないネジもあるのです。さらに接点 にベアリングを使って開閉を滑らかにしているハサミなど、様々。 このハサミは耐蝕、耐磨に優れた合金で、ハイカーボン、ハイタングステン合金を 使用しています(カタログより)。その他ハサミにより様々な材質で作られている のです。ちなみに「おお、ハイタングステンか、凄げ~」みたいな萌え方は、私はし ませんが、こだわっている美容師もいるかも?しれませんね。 酒井がメインで使っているハサミ達。長さ、刃先の形状など様々。 ハサミの長さ以外にも、色々と特長があり、髪の毛が濡れた状態で切るのに使う物、 乾いた髪を切るのにいい物、たくさん量が取れるもの、ホントにちょこっとしか量しか 取れないもの、ハサミを滑らせて切るのにいい物、等々と用途によって使い分けもし ているのです。 メンテナンスをしていても、切れ味は落ちてくるので、そんな時は「研ぎ」に出して 切れ味を戻します(自分で研ぐ人もいます)。 切れるハサミは、「髪の毛がまるで豆腐のように」気持ちよ~く切れ、仕事をしてい てストレスがありません。反対に切れないハサミはストレスですし、髪の毛のダメー ジにもつながるもの。プロであれば道具のメンテナンスは当たり前なのです。 ハサミの持ち方が悪かったり、開閉のやり方が悪かったりするといいカットはできま せんし、腕が腱鞘炎になりやすかったりもするのです。 たまに髪と一緒に指も切ってしまう事もありますが、スパッと切れた傷は治りやすく 割と早く復活します。ただし傷口にパーマ液はもの凄く染みて、痛いのを我慢してい りもするのでしたっ。

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