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2021.03.24
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カテゴリ:作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。高校の後輩である小平由樹枝と恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。M大学に進学し、1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、飲み過ぎて記憶喪失し矢代美恵子と関係してしまった。何とか別れたい悠介であったが、美恵子は別れてくれない。しかし、数か月後、アパート代を出すとの約束でようやく別れてくれた。



写真はネットより借用
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夏休みに入っていた。悠介は毎日バイトに出かけている。仕事をしていても頭の中は全て由樹枝の事である。作業は熟知している。型枠を作り鉄筋を切断、土の上に配筋し配筋をワイヤーで縛る。砂と砂利とコンクリを混ぜて捏ね、そのコンクリを配筋の上に流す。コンクリを棒で突いて均一にする。タンパーで表面を整える。手慣れた作業である。上の空でも間違いなく作業は進められた。

作業中も食事中も寝ても覚めても、由樹枝の事を考えている。しかし考えても考えてもいい案は浮かばない。全ての責任は自分にあるのだ。春休みに由樹枝との幸せ過ぎる短い期間を過ごした。あれで慢心してしまったのかも知れない。由樹枝が自分から離れるはずがないと自信を持ってしまったのだ。だから美恵子の誘惑に負けてしまった。記憶にないが心の奥底に慢心があったに違いない。反省しても時は取り戻せない。

兎に角、謝るしかないと長野まで行くことにした。考えるだけでは埒があかない。山脇に由樹枝との話し合いの場の設定を依頼した。悠介から手紙も出せないのでどうしようもない。8月も半ばを過ぎた暑い日であった。悠介は朝早く東京を出発した。何としても謝り元通りの恋人に戻れるようにしたい、その一心であった。話し合いの場は長野市の静かにジャズが流れるカフェであった。11時待ち合わせであるが、悠介は20分も早く着いてしまった。

11時少し前に山脇がやって来た。小平由樹枝は11時ぴったりに来た。白いシャツにブルーのスカート、暑い日ではあったが、涼しそうである。もう既に何度も性体験をしているとは思えないほど清純そうに見せる。しかし、顔の表情は硬い。山脇は、「それじゃー。」と行って帰って行った。山脇が去ると悠介は、深々と頭を下げて、「申し訳ない。勘弁して欲しい。」と言った。
「もう駄目です。私はもう以前の私ではないです。あなたを信じられない。」
「それは、そうだと思う。自分でも信じられない経緯でそうなってしまった。飲み過ぎて記憶がなくなってしまったのだよ。俺は、誰よりも、由樹枝を愛している。それは間違いない。どんな時でも、いつだって、由樹枝を一番愛している。それだけは、本当の事だ。間違いない。」
「そう言いながら、他の女性と同棲しているって信じられません。どのような釈明をしても同棲は事実、言葉ではごまかしです。」
「分かってくれ、俺も辛かった。毎日のように部屋から出て行ってくれと頼んでいた。でも出て行かなかったのだ。困り切って先輩に相談し、アパート代を1年分支払う事で、ようやく出て行ってくれたんだ。」

悠介は、今までの出来事を事実をありのままに説明した。何とか、由樹枝の心を取り戻したいと熱心に口説いた。由樹枝の表情は硬く微笑みも全くない。悠介は説明疲れで喉が渇いた。冷えたコーヒーを口にした。暫く無言が続いたが、
「私は、何度説明されようが、私と言う人がいながら、他の女性と同棲していた事実は信じられません。許せません。私は、それが言いたくて来ました。これが最後です。2度と会う事はないでしょう。手紙も、電話もお断りです。楽しい幸せな期間もありました。それについては礼を言いますが、同棲と言う事実が、その幸せさえ色褪せさせました。私は帰ります。さようなら。」

最後の言葉は、力強く、由樹枝の意志の固さを言い表していた。悠介は呆然として帰る由樹枝に言葉も告げられず見送った。もうこれで駄目だ、とガックリ肩を落とす悠介であった。自分が悪いのは間違いないが、これほどまで由樹枝が頑なであるとは思わなかった。こんな態度は、付き合い始めてからなかった。いつでもにっこり笑っていたのである。悠介は何も考えられず、トボトボとカフェを出た。頭の中は真っ白だった。どのように帰って来たかも覚えていないが、東京のアパートに帰り着いた。

腹は減っているが、食べたいと思わない。酔っ払いたい、酔っ払って全てを忘れたい、そう思った。行き付けの飲める所は満腹食堂しかない。ふらふらと立ち上がって満腹食堂に向かった。お姉さんが言った。
「あら、寺ちゃん、久しぶりね? どうしていたの?」
そう言えば、矢代美恵子と同棲していた時には、一度も満腹食堂には来なかった。美恵子が食事を作ってくれたこともあるが、由樹枝と一緒に行った満腹食堂へ美恵子を連れて行きたくなかったのである。

「元気がないわねー? 冴えない表情よ。」
「・・・」
「どうしたの? 彼女に振られたの?」
悠介はこっくりと頷いた。
「まぁ、それは可哀そうに。あの綺麗な娘さんよね? 仲よかったのに。」
お姉さんに声をかけられ奥の席に座らされた。
「ビールにする?」
「飲みたい。」
「ちょっと待ってね。」

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Last updated  2021.03.24 10:13:25
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