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2021.04.03
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カテゴリ:作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。高校の後輩である小平由樹枝と恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。M大学に進学し、1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、飲み過ぎて記憶喪失し矢代美恵子と関係してしまった。何とか別れたい悠介であったが、美恵子は別れてくれない。数か月後、アパート代を出すとの約束でようやく別れてくれた。そして由樹枝との仲を戻すべく努力したが、完全に振られた、



写真はネットより借用
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食堂のお姉さんがビールを運んできた。そしてお酌をしてくれた。悠介はそれを一気に飲み干した。
「あんまり飲み過ぎると良くないわよ。誰だって失恋位するから。」
そう言いながら、又、お酌をしてくれた。親切心が身に染みる思いである。
又、一気に飲もうとして、お姉さんに止められた。
「ゆっくり飲みなさい、誰も邪魔しないから。何かおつまみサービスするわ。」
「はい。」
悠介は力なく頷いた。どんな言葉を返して良いかも分からない。
「どうぞ。」
野菜のたっぷり入ったお皿にコロッケが2個乗っていた。悠介が良く頼むつまみである。箸を取って食べた。味も良く分からない。ビールで流し込んだ。ビールの2本目を頼んだ時、知り合いの職人さんたちが入って来た。

「おー、寺ちゃん、久しぶり、どうした? 元気だったかい?」
ビールを1本飲んで少し酔い始めた悠介は、3人の職人さんに向かって答えた。
「元気じゃーないです。」
「どうしたんだ? そう言えば、あの綺麗な彼女はどうした? 来ているの?」
「振られました。」
「えー? 振られた? あんなに仲睦まじかったのにか? 何があった?」
3人が悠介の座っているテーブルにやって来て座った。
「俺たちにも、ビール頂戴!」
「そう言う時は飲むに限る。」
「元気出せって言ったって元気は出ないさ。時が解決してくれるんだ。」
「今夜は飲もう!」
口々に言って、お姉さんの持ってきたビールを悠介のコップに注いだ。

「まぁな、今は何を言っても無理だよな、飲むに限る。俺たちも皆失恋の経験はあるんだ。力は入らんし、寝ても覚めても振られた彼女の事ばかり考えてしまってさ、でもな、2、3ヶ月すれば、楽になるよ。」
悠介には先の事は考えられない。由樹枝と元に戻れないのは、人生に先がないのと同じに思えるのだ。
「又、彼女は出来るよ。なんたって、世の中半分は女なんだから。」
皆、親切に言葉をかけてくれるが、その言葉も悠介の胸には入って来ない。悠介の人生始まって以来の失恋である。考えて見れば、悠介のこれまでの人生で挫折を味わった事がなかった。元々、慎重で無理をしない性格であった事もあるが、高校受験も大学受験も希望通りであった。希望が叶わない事はなかった。全て順調に生きて来たのである。

ビールから酒に替わった。コップ酒である。皆に声をかけられながら悠介は飲んだ。呂律が回らなくなって来た。これ以上飲むと記憶を喪失するシグナルである。職人さん達と飲んでも気持ちは休まらない。無理して別れて貰った矢代美恵子に会いたくなった。
「すみません、行く所があるので失礼します。」
「そうか、大丈夫か? 真っすぐ歩けるか?」
ふらふらしながら悠介は立ち上がった。足元はおぼつかないが、外へ出た。暑い夏の夜である。美恵子に慰めて貰いたかった。あれほど別れたいと願い、何とか別れて貰ったにも関わらず、自分勝手な考えである。

「やっぱり帰ろう。」
美恵子へのアパートへ半分位来た所で悠介は立ち止った。かなり酔ってはいたが、まだ正常な心が残っていた。あまりにも手前勝手であると反省したのである。美恵子の肢体がちらちらと頭を掠める。抱きたい、抱きしめて貰いたい。しかし、その想いを振り切り、ふらふらと来た道を戻って行った。

翌朝、ぐっすり寝たものの頭が重かった。それでも、起きてバイトに出かける準備した。考える時間は欲しくなかった。何かをして気持ちを紛らわしたい。仕事をしていた方が気が紛れる。体にも力が入らない。何か食べねばならないと無意識の内にも思う。食べ物は買い置きのパンしかない。仕事をする為にも食べねばならないと満腹食堂へ向かった。朝定食が何種類かあるのだ。ご飯と卵を食べたいと思った。
「あぁ、お早う! 昨夜はたくさん飲んだわね? 大丈夫?」
「ええ、良く寝ましたから。」
「水、飲む?」
「いえ、お茶下さい。それからノリたま定食下さい。」
「はい、ちょっと待ってね。」
悠介は卵かけご飯が好きだった。食欲がない時でも、するするとお腹に入っていく。好きな冷奴もあった。ご飯を食べると、力が湧いて来たような気がして来た。胸のもやもやは消えないが、仕事に行く気力には必要な力であった。

バイトの毎日が過ぎ去り夏休みが終わった。

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Last updated  2021.04.03 12:31:13
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