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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2021.06.10
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カテゴリ:作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。




写真はネットより借用

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悠介、人生初めての司会である。司会の原稿は完璧に覚えているし、万が一忘れてしまった時に備えて、原稿も持参してある。名前を間違えては失礼に当たるので、挨拶余興リストも作成し持参した。それでも、緊張する。披露宴は司会次第で印象が良くなったり歩くなったりするであろう。

早めに会場に到着した。ちょっと早すぎたようであるが、受付を頼んだ人と思しき人達が既に来ていた。名前は知らないが大学で見かけた学生が礼服を着ていたので挨拶をした。
「今日、司会を担当する寺本です。よろしく。」
「受付の山本です。よろしく。」
暫く雑談した後、受付の準備が出来た。受付は両家で4名である。お互いに挨拶が始まったので、悠介は、受付を去り会場の現場に移動した。

披露宴は恙なく終了した。特にハプニングもなく順調であった。参列者の方々も披露宴を盛り上げるのに協力的であった。特に高橋の友人たちは座を盛り上げてくれた。M大の校歌を唄う時は、花婿の高橋も呼び、悠介も加わって盛大に歌った。花嫁の友人たちは、着物を着て華やかである。悠介の目を引いた女性もいた。披露宴が終了し、花婿花嫁とその友人たちで2次会をする事になった。高橋の友人が手配していたようである。花嫁花婿は、披露宴を行ったホテルに1泊し明日、新婚旅行に出発する。お金もないので行先は箱根で3泊して来ると聞いていた。

2次会はホテルの隣の小さなスナックを貸し切りである。12名で満席と言う小さなスナックだ。悠介が良いな、と思った女性も来ていた。若者たちだけの2次会である。
「2次会の司会をする山本です。どうぞよろしく。」
受付を担当した山本が、この2次会を仕切るようである。全員が一斉に拍手した。ビールで乾杯した。男性陣はもう飲んでかなり酔っ払っている者もいる。悠介は司会で飲めなかったので、ごくりと飲んだビールは格別に美味しかった。大役を果たし終えた満足感もある。乾杯のあと、山本の指名で、自己紹介が始まった。酔っているので自己紹介の途中でヤジを入れたり質問したり、和気藹々とした2次会で悠介も楽しい気持ちになった。

「司会、お疲れさまでした。」
自己紹介が終わった後、悠介が良いと思っていた女性がビールを持って注ぎに来てくれた。
「いえ、終わってほっとしています。初めてだったから。」
「唐橋由美子です。新婦の高校の同級生なんです。」
「あぁ、そうでしたね。じゃーまだ20歳ですね?」
「ええ、でも成人式は過ぎましたから、飲めるのですよ。」
悠介も彼女のコップにビールを注いだ。
「結構、飲めますか? ビールで良いんですか?」
「ビール以外、飲んだ事がないものですから。」
人見知り気味の悠介も飲んだ勢いもあり、且つ、2次会の気楽な雰囲気も手伝って話がスムースである。女性とこのように話すのは久しぶりのような気がした。そう言えば矢代美恵子の部屋へも2ヶ月ほどご無沙汰である。夏休みの暑い時期に訪ねただけであった。

唐橋由美子と親しく話す暇もなく、山本のリードでゲームが始まった。山本はこのような会には慣れているようで淀みなくしゃべる。悠介の比ではない。臨機応変に対応している。唄も歌ったり楽しい2次会であった。
2次会は終了した。その後唐橋由美子と話す機会もなく、皆で新郎新婦をホテルまで送り、解散となった。出来れば唐橋由美子の連絡先でも知りたかったが、その機会もなく帰って来た。

久しぶりに矢代美恵子に会いたくなった。しかし、もう20時過ぎである。いくら親しくても、いきなりこの時間に訪ねては失礼である。お互いに電話は持っていない。しかし、美恵子の会社の電話番号は聞いていた。明日、電話して訪ねる日を確認したいと思った。会いたいと思ったら気が急いて来た。
翌日、電話した。早く会いたい旨を伝えたら、私も話したいことがあるから、明日来て欲しいとの返事であった。話したいことって何だろう? 彼氏でも出来たのかな? それしか考えられなかった。

翌日、指定の19時、美恵子の部屋に着いた。
「久しぶり! 元気だったの? 連絡もないしどうしているのかと思っていたのよ。」
「実は、友人が結婚して、その司会を頼まれてさ、ちょっと忙しかった。」
「そうなの? で結婚式はいつ?」
「一昨日、終わった。責任は果たしてほっとしたら、急に会いたくなった。」
「急に会いたくなったの?」

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Last updated  2021.06.10 11:58:56
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Re:チェンマイに佇む男達 寺本悠介の場合 第123回 ~(06/10)   ご隠居 さん
楽しく拝読しました。
緊急宣言も解除されるか解りませんが、今は仕込みの時期、お手伝いさんを雇い、毎日懸命に働いています。6月22日に1回目のワクチンを打ちます。 (2021.06.13 21:17:59)

Re[1]:チェンマイに佇む男達 寺本悠介の場合 第123回 ~(06/10)   アジアの星一番Ver4 さん
ご隠居さんへ

ワクチン接種も順調に進んでいるようですから、徐々に普通の
生活に戻るのではないでしょうか?

でないと、経済破綻が進んでしまいます。
チェンマイも、店を休業したりたたんでしまう店も多いです。

(2021.06.14 07:08:36)


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