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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2025.06.05
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カテゴリ:作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、別れたいが別れさせてくれない。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職したが、実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。由美子の父親に会い、慰謝料も支払い問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まったが、女性問題がありタイのシラチャへの出張が決まった。シラチャーでの仕事、生活は順調である。2年強のシラチャ生活も去ることになる。



写真はネットより借用

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約束通り、悠介とハンサは毎日会った。そして心行くまで愛し合った。悠介の送別会も行われたが、遅くなってもハンサは悠介の部屋に来た。先にハンサが部屋に来て待っている事もあった。

そして別れの日はやって来た。移動は休みの日を選んだ。バンコク発日本行きである。ハンサは勿論バンコクまで見送りに行くと言う。しかし総務課の課員もバンコクまで送ると言う事になった。山下課長も大森も来る。女性はハンサだけでなく、チムリンも来ると言う。技術課の丸山も来る。悠介を含めると6名である。会社から車2台を出してくれる事になった。車は2台である。悠介とハンサは別の車になった。それで話は出来ない。悠介はむしろその方が良いと思った。皆さんの前で涙の別れはしたくなかった。

山下課長と大森と同じ車であった。
「色々と頑張ってくれたね。我々も助かったよ。」
山下課長がそのように労ってくれた。
「いや、希望して建設の最後まで勤務させて頂きありがとうございました。大変貴重な経験をさせて頂きました。新入社員でこのような体験は出来ないと思います。」
「そうだな。貴重な経験だよ。日本にいてはこのような大プロジェクトの経験は出来ないし。出来たとしてもこちらとは違う。」
大森が言った。そして続いて気になる事を聞かれた。
「ところで、ハンサとは上手く別れられたの?」
「ええ?」
思わぬことを聞かれて悠介は戸惑った。知られていないと思っていたのである。いや薄々気付かれていたとは思っていたのであるが。
「ハンサと付き合っていたのだろう? 皆んな知っているよ。」
「あぁ、そうだったのですか。慎重に行動はしていたのですが・・・。」

山下課長が言った。
「会社の勤務に影響もないし、楽しそうにやっていたので、特に意見を言う立場になかった。恋愛は自由だしね。しかし日本へ帰る事は分かっていたので、上手く別れられるのか、それが心配であった。」
「はい、実際、簡単ではなかったですが、親がいるので日本には行けないと言う事で、別れる事になりました。苦しい選択でしたが止むを得ません。」
「そうか、それは残念だね。」
しみじみと山下課長に言われ、悠介は感情が込み上げて来た。涙がこぼれないように、窓の外を見ていた。

シラチャからバンコクの飛行場まで2時間で着いた。

車から降りて、全員集合した。空港で昼食を食べようと決まっていたので早く着いた。まだテイクオフまで3時間以上ある。悠介は、チェックインだけ済ませて皆さんの所に戻った。
「では、食事に行こう。豪勢に送り出してあげたいから、どこが良いかな?」
山下課長が皆さんを見回して言った。
「そうですねー? お店を見て回りますか?」
大森が言って歩き出した。悠介は大森の後に続いた。ハンサは、一番後ろを歩いているようだ。悠介は気になっているが、大森と話ながら歩いている。日本食レストランがあった。

「ここにしよう。今日は会社持ちだから、何でも食べて良いぞ。」
山下課長が胸を張るようにそう言った。
「そうですか、ご馳走になります。」
大森と丸山が声を揃えて言った。悠介も遅れてご馳走になります、と伝えた。
座席は、悠介とハンサが隣になるように、全員が気を配ってくれた。
「ビール飲むだろう?」
「私は車の運転があるので、と言いたい所ですが、運転手がいるから飲めます。」
「そのつもりで来たのだろう?」
大森が頭を掻いている。丸山もビールは好きだ。悠介もハンサも遠慮せず、ビールを貰った。チムリンは飲めないので、ジュースにした。

「じゃー、乾杯しよう。長い期間、2年ちょっとかな? ご苦労様でした。いよいよお別れで寂しいが、乾杯だ!」
「乾杯!」全員が声を揃えて言った。
「長い期間ありがとうございました。お陰様で大変貴重な経験をさせて頂きました。この御恩は一生忘れません。それにハンサもいたので私生活も大変充実していました。ハンサ、ありがとう。」
その言葉を聞いてハンサは涙ぐみ、ハンカチを出して涙を拭いている。
食事は豪勢で美味しい。しかし、心は弾まない。悠介もハンサも言葉は少ない。その分、山下課長や、大森、丸山が話題を見つけて盛り上がてくれた。

食事も終わり、悠介はいささか酔った。皆さんに送られて出国ゲートに進む。ゲートの前まで来た。皆さんと最後の握手をした。ハンサが傍に寄って来た。悠介は、皆さんの前であるが、ハンサを抱き寄せた。激しいハグをして最後のお別れとした。ハンサは涙を流している。

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Last updated  2025.06.05 13:01:52
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