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カテゴリ:作家
あらすじ 悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、別れたいが別れさせてくれない。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職したが、実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。由美子の父親に会い、慰謝料も支払い問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まったが、女性問題がありタイのシラチャへの出張が決まった。シラチャーでの仕事、恋愛も順調である。2年強のシラチャ生活を終え、鹿沼に帰り2年が経過した。そして2年振りに心がときめく女性を会う。橋本千恵子と言う女性である。何とか彼女を誘い赤城山、伊香保温泉の旅にでる。 ![]() 写真はネットより借用 ================================ 第202回 2026年5月10日(日) 二人で藤屋食堂の暖簾を潜った。店内は大きくはなかった。4人テーブルが4つあった。それにカウンターテーブルである。カウンターには6名ほど座れるであろうか? テーブル席は2つ空いていたので、入口に近い席に座った。 「いらっしゃいませ!」 愛想の良い小太りのおばさんが注文を取りに来た。メニューを見るまでもなくソースカツ丼に決まっている。しかし一応、お値段も見なければならないので、メニューを見せて貰った。ソースカツ丼定食にした。ちょっきり1000円である。結構高い。 暫く待たされたがほどなく湯気が立っているような揚げたてのカツ丼が出された。二人は早速フーフー言いながら食べてみた。 「ちょっと甘辛いね。」 「そうだね、カツはサクサクしている。柔らかくて美味しい。」 紅ショウガ、キューリ、黄色い沢庵の漬物も付いている。それに、わかめと絹豆腐のかつおだしの白みその味噌汁も付いている。 「この味噌汁、美味しい!」 千恵子が思わず言った。カツ丼も味噌汁も確かに美味しい。桐生市のソウルフードと言われるだけある。二人は黙々と食べた。言葉は要らない。それほど美味しかった。 食べ終わって熱いお茶を貰った。悠介はこの前言い出して聞けなかった千恵子の過去の事を聞きたいと思った。悠介ともあまりに簡単にキスをした。きっと経験があるに違いない。現に吉田が訪ねて来てキスしていると言った。笹川とも付き合っていると信じがたい事を言ったのである。その頃、既に悠介ともキスをして一度モーテルまで行き裸になっているのである。 「あのさー、千恵子は可愛くて綺麗だからもてるよね? 今まで何人位キスしたの?10人位した?」 「そんなにしてない。」 「そんなにしてないって、何人位?」 「数人よ。」 「そうか、俺と、吉田と笹川で3人だよね。高校時代にも付き合っていたのじゃーないの?」 千恵子は下を向いていたが、小さく頷いた。 悠介はやっぱりそうか、と思った。お茶を味わう余裕はないが、茶碗を持って啜った。ずいぶんキスは上手であった。高校時代から長い期間やっていたに違いない。ずるいと思ったが、どんどん知りたくなった。 「始めてキスしたのはいつ?」 千恵子は黙って下を向いたままである。 「高校1年?」 千恵子は小さく首を振った。 「じゃー、高校2年?」 千恵子はこくんと頷いた。と言う事は2年もずっとキスする関係の男がいたのである。そうなるとキスだけでなく、胸も触っているだろうし、若しかしたら下半身にも手を伸ばして触らせたかも知れない。悠介に猛烈な嫉妬が湧いてきた。 「その男とはまだ付き合っているの?」 「東京へ行った。専門学校。」 「別れてはいないのか?」 千恵子は黙っていた。暗い眼差しである。あの快活で弾けるような笑顔はどこにもない。悠介は推測するにはっきり別れていないと思った。別れていないにも関わらず、吉田とも笹川とも付き合い、そして悠介とも付き合っている。どう言う性格をしているのか信じがたい。 高校から付き合っている男の話も聞きたいが、吉田や笹川の話にした。 「吉田や笹川とは別れてないのか?」 千恵子は顔を上げて言った。 「この前も言ったけど、もうあの人達とは会わない。」 「別れたのか?」 「もう会えない、と言ったけど、まだ誘って来る。吉田さんはこの旅行の帰りに鹿沼まで帰ったら迎えに行くと言っていた。」 「どうするんだ?」 「勿論、行かない。もう勘弁して。誘われても行かないから。わたし、誘われたら仲々、断れなくて・・・。何と言うか・・・。心が弱いのよ。」 悠介には、誘われても断りにくく、誘いに乗ってキスをする、それも同時に3人もの男と。それが全く信じられなかった。若しかしたら、それが彼女の素直な良い面かも知れない。しかし恋人としては堪ったものではない。これからも誘われたらのこのこ 出かけて行くかも知れない心配もあるのだ。そして悠介が思うのは、俺でなくても良かったのではないか、と言う事である。吉田でも笹川でも、さらに親しくなって恋人になったかも知れない。いや、なったに違いない。たまたま悠介が二人より先行しただけである。 悠介は高校時代から付き合った小平由樹枝を思い浮かべた。長野で最も美しいと思われる美少女であるが、悠介一筋であったのだ。まさかあんな美しい彼女が自分を選ぶとは思ってもいなかった。しかし何故か彼女は自分を選んだ。不良っぽい先輩が教室にやって来て、小平と付き合っているのか?と聞かれ、訳が分からなかったが、付き合っていると言った方が良いと一瞬で判断し、付き合っていると答えた。 ================================= お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.05.10 14:14:02
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