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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2026.06.03
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カテゴリ:作家

これは、中国、杭州市の肖山にて働いている、とある日本人が、中国語も
話せないのに、無謀にも、現地ツアーに参加した記録である。行先は、
世界遺産での黄山である。

ロープウェイでは待たされたが頂上へ着いた。うら若き女性を4名と
共に、黄山を歩き始める。

上海旦那が上海ラーメン男である事が昼食で判明。とある日本人は
レストランで具沢山のラーメンを食べて、少し元気を取り戻す。
西海に来た。断崖絶壁の、その壁であるが角度、45度もあろうかと
言う、石段が、その絶壁に作られていた。右側は絶壁、左手は谷、
手摺などない。落ちたら命はないだろう。

そこを降りるのであるが、疲れた足はガクガク、加えて高所恐怖症故
さらに足腰はガクガク、急坂をいざりながら降りて行った。



写真はネットより借用

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第12回 2026年6月 3日(水)

2番目美人の女子大生が、われの腕を取って、行こう、と言うが、
力なく、手を目の前で横に振り、もう駄目だ、と伝える。
上海ラーメンおじさんは、その前に、もう出発していた。あの軟弱な
日本人と一緒に行動は出来ない、と言っているかのようだ。
ラーメン男に軟弱と思われたくはないが、足が動かないのであり、仕方
ないのである。残念だが・・・。悔しいが・・・。
上海ラーメン男の食べたラーメンは、たぶん2元以下のはずだ。われは
と言えば、14元だ。彼のラーメンには、麺しかなかったはずだ。一方、
われはと言えば、野菜や肉もたっぷり入っていた。それなのに、全く
負けている。悔しい。残念。だが、仕方ない。

一人で、その小さな棚に腰を掛けて、景色に見とれていた。
その小さな棚の後ろには、小さな岩があり、風除けにもなっていて、
ちょっとした休憩所のようだ。大自然の作った休憩所である。太陽も
射してポカポカと暖かくなって来る。気持ちいい。
ふと横を向くと、「山垃圾池」、と書いたちっちゃい池のようなものが
あった。そう言えば、その文字と池のようなものが、其所此所にあった
事を思い出す。ちっちゃい池の廻りは赤く線で塗装されている。
その時は、知らなかったが、これはゴミ箱なのである。
自然が作った休憩所とその時は思っていたが、ちゃんと人間の手が入って
いたのである。もっとも自然に、あの石段が出来る訳ないので、人間が
作ったに決まっているのであるが。

上海ラーメンおじさんご一行様は、しばし待てど、仲々帰って来ないので、
恐怖の45度石段を、早めに登ってしまおうと考えた。
いざり登りは、断崖絶壁の景色が見えるので、登りには向かない。
よつんばいになって、一歩ずつ登る。みっともないが仕方ない。
時間をかけて、景色を見ないようにしながら、ゆっくりと、登る。
上から、中国人男性ご一行様が、十名程、降りてきた。見上げると
「何をしてんじゃ、この男!」、と言うような顔つきをしている。
われは、よつんばいになったまま、壁際にへばりつき、彼らが行き過ぎる
のを待った。まるで、将軍様が通り過ぎるのを待つ、町人になった
気分である。情けない。全く情けない。恐ろしく情けない。
中国人ご一行は、平然とした足取りで、降りて行った。
恐るべし中国人。情けない日本人。誰でもない、われのことだ。くそ!

ようやく、45度急角度石段を登りきり、広い場所へ出た。
「フー」と大きく息をした。ほっとした。ほんまに、ほっとした。
そこはかなり広い場所であり、高所の恐怖は去り、疲れによる、足の
震えだけになった。座り込んで、上海ラーメンおじさんご一行様を待った。

ラーメンおじさんを先頭に、ご一行様が帰って来た。
「すっごく、綺麗だったよ!」
「せっかく、来たのに残念ねー。最高だった。」
女子大生、一番美人と、二番美人が、それぞれわれに言った。

関心なさそうに、「ふーん」、と言ったものの、美しく青い空、尖塔の
ような岩と、奇松を何気なく見ながら、情けない心を覘かれまいと、
内心、「悔しいなー」、と思っていたのである。


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最終更新日  2026.06.03 06:34:44
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