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カテゴリ:作家
あらすじ 悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、別れたいが別れさせてくれない。実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。由美子の父親に会い、慰謝料も支払い問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属されたが、女性問題がありタイのシラチャへの出張が決まった。シラチャーでの仕事、恋愛も順調であった。2年強のシラチャ生活を終え、鹿沼に帰り2年が経過した。そして2年振りに心がときめく女性を会う。橋本千恵子と言う女性である。何とか彼女を誘い赤城山、伊香保温泉の旅にでた。悠介は気になっていた、3人と同時に付き合っていたことを聞く事にした。赤城山の旅から帰り1週間後、アパートを探しに行く。 ![]() 写真はネットより借用 ================================ 第206回 2026年6月7日(日) 悠介は支払いを済ませてアパートの部屋に戻った。ビールを1本飲んだだけであるが少し酔っぱらったようである。足元が少しふらついた。酒豪の悠介にしては珍しい。千恵子や過去の女性を思いながら、女将さんの話を聞いたせいかも知れない。悠介は女将さんの7~8名の付き合いがあったと言うのは、かなり多いのではないか思った。この頃の女性の結婚年齢は、悠介の知る限り、23歳程度であり、例えば18歳から毎年1名と付き合うにしても、最高で5名である。そんなに上手い事毎年付き合えるとは思えないので、多くても数名ではないかと推測する。結婚前の男関係は、1~3名位が普通ではないか。そうすると、女将さんの7~8名は多いなー、と感じる。若しかしたら結婚年齢が高かったのかも知れない。28歳位で結婚すれば、独身時代が長いから、ちょっとした付き合いでも深い関係になった人数も含めれば、7~8名になってもおかしくはない。しかし答えにくい事を良く女将さんは答えてくれたなーと改めて感謝せねばならないと思った。 結婚前の男性経験が1~3名とすれば、橋本千恵子は処女だったのであるから、拾い物であると言える。キスした位、どうでも良いとも考える悠介であった。悠介の処女との経験は、小平由樹枝と二人目である。小平由樹枝とは未知からの交際で、二人で開発したような心が震えるような交際であった。不安も悩みも何もなかった。恋愛に没頭していた。会える喜びが日ごとに増していき、彼女の為にも頑張って信頼できる大人になろうとしていた。大学を卒業したら結婚しよう、とその思いだけであった。橋本千恵子を愛していると思うのであるが、そこの所が小平由樹枝とは大きく違った。 堂々巡りである。悠介はもう考えるのを止めようと思った。現実を戻す事は出来ない。このまま流れていくだけである。このまま付き合って行けば、心が変わるかも知れない。変わらないかもしれない。自分の心が分からない。分からない以上、そして付き合いを止めない限り、このまま付き合って行くしかないのである。 風呂にも入った。ビールも飲んだ。まだ早いが悠介は寝る事にした。明日は月曜日、出勤である。2泊3日の旅に出かけただけであるが、長い期間休んだような気分であった。短い期間であるが色々な事があったのである。 悩みはあるものの、ぐっすりと眠れた。月曜日の朝である。悠介は起き上がって大きく背伸びした。1週間の始まりは、少し緊張する。しかし仕事はもう慣れており何ら問題はない。仕事とは関係なく、1週間の始まりは緊張するのであった。1週間はすぐに過ぎ去った。廊下で千恵子に会うか他の部署へ行く時やトイレに行く時に気になったが、この週は一度も会わなかった。そして日曜日となった。 悠介は会社のバス停まで車で行った。千恵子が日曜日だけど毎日乗っているバスの方が良いと言うからであった。悠介にとってアパートから車なので、どこでも大差なかった。 「お早う!」 「お早う! 早く車に乗って。誰かに会うと拙いから。」 誰かに会うとどうして拙いのか? 悠介は考えもなくそう言った。恋人同士である事を知られても良いのならばそうは思わないし言わないはずである。 千恵子が車に乗ったら、悠介はすぐに車を出した。 彼女はジーンズに白いブラウスを着ている。清潔そうである。改めて可愛くて美しいなー、とハンドルを握りながら思った。 予約して置いた不動産屋へはすぐに着いた。 「お早うございます。」 「お早うございます。本日はよろしくお願いします。」 担当者は、40歳位の男性の方だった。如才なさそうに挨拶をした。 「大芦川が見える部屋をご希望でしたよね?」 「ええ、出来れば、そう言う部屋が良いかなと思いまして・・・。」 「あんまりそう言う案件は多くないのですよ。ここから遠くなりますが、それでも良いですか?」 「遠いと言うとどれ位遠いのでしょう?」 「鹿沼工業団地にお勤めでしたよね?」 「ええ、そうです。」 「西大芦地区に何件かありますが、鹿沼工業団地まで車で40分位かかります。住むには静かでとっても良い環境の地区です。」 「車で40分位なら、通勤範囲内ですね。そこを見たいです。」 「それでは、私の車で行きましょう。こちらの方は奥様ですか?」 予想もしなかった質問に悠介はどぎまぎした。 「いえ、そうではないです。」 「それは失礼しました。余分な事を言いました。」 千恵子はちらっと悠介を見て、下を向いて微笑んだ。嬉しそうである。 車は西大芦地区に着いた。2階建ての家の前に駐車した。大きな家で、1階が家主さんの住居、そして2階には1DKの部屋が2つある。それを貸し出しているとの事である。今は1軒のみ空いている。2階に上がるには、外付けの階段を登って行けるので、大家さんと顔を合わせる事なく部屋へ行けるようになっている。中を見せて貰った。築何年か分からないが、内装は綺麗である。まるで新築のようだ。6畳1間にキッチンの部屋がある。小さめなテーブルを置く事が出来るスペースはある。キッチンで料理を作り、二人でテーブルに座って食べられる。しかしここには窓がない。密室のような部屋である。そこがちょっと悠介は気になった。 ================================= お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.06.07 15:23:02
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