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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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全181件 (181件中 1-10件目)

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作家

2021.02.17
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カテゴリ:作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、矢代美恵子と関係してしまった。



写真はネットより借用
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悠介はこの打開策を美恵子を紹介した北村に相談することにした。近頃バイトに来ていないと言うので、社長に伝言を頼んだ。「相談したいことがあるので会って貰いたい。」と。

駿河台キャンパスのベンチで北村と矢代美恵子が座っている。
「どうした、寺本とうまくいってないのか? この前聞いた時は、ばっちりだと言っていたじゃーないか?」
「どうして? そんな話聞いた?」
「寺本から相談したいことがあると言って来た。きっと君の事だろうと思って、話を聞いてから会おうとしているんだ。」
「まぁ、落ち込みが激しいのよ。あまり食べないし、痩せて来たみたい。」
「そうなのか? 一緒に住んでいるのだろう?」
「住んでいるけど、前の娘が忘れられないようなのよ。私が手紙を出して、その娘には引導を渡したのだけどね。」
「小平とか言っていたな、その娘は。一度会ったけど、綺麗な娘だったよ。しかし、君と一緒に暮らしたら、忘れると思ったけどな。」
「意外と純情で頑固見たい。」
「困ったな。」
「別れてくれ、出て行ってくれと、今も言われているのよ。」
「あっちの方は、やっているんだろう?」
「そっちの方は、やっている。若いからね、気持ちと身体は別でしょう。」
「君はどうしたいんだい?」
「このまま暮らしても良いけど、仲々、こちらを向いてくれないから、ちょっと疲れて来たよ。」

二人の話は続いている。実は、北村は、良い学生がいないかと美恵子から相談を受けて、寺本を紹介しようと言う事になったのである。彼が飲むと意識不明になるのでそれを利用しようと北村の書いた筋書きだったのだ。新入生歓迎会で、美恵子と悠介を会わせた。途中、美恵子に確認すると私の好みよ、と言う事で筋書き通り実行しようと、二人で飲ませたのである。
「寺本と会ったら、何といえば良いかな?」
「う~ん、困ったよ。いい子なのよ、純真で。私も好きになっているし・・・」
「じゃー、別れるな!って言うかな?同棲しているのに、別れるのはおかしい、って言うのは、不自然ではないし、経緯からしても彼に拒否権はない。」
「そう言う筋書きだけど、なんだか可哀そうなのよ。」
「情が移って来たか?」
「まぁね、毎日一緒にいるのだからさー。」
「それでも別れたいと言ったらどうする?」
「そうねー、お金で解決するかな? 今、追い出されたら行く所ないし困ってしまうよ。バイトで稼いだお金を結構、持っているみたい。」
「そうだろう、あいつ、真面目に1年以上働いているからな。遊んでもいないようだし、結構溜めているだろう。」
「でも、別れなくて良いなら、そっちの方向で話してね?」
「分かった。小平とかが忘れられないなら、そこを無理してまで一緒にいるのもどうかと思うけど、とにかく話してみるよ。」

由樹枝は、悠介から3度手紙を貰ったが、返事を出していない。別れたと言う話もなく、同棲が続いているようだし、一番好きだ、愛していると言われても信用できない。あれだけ信頼しあっていたのが信じられない。2ヶ月近く経って、心を絞られるような苦しさも減っている。その間、バドミントンに打ち込んでいた。ようやく悠介なしでも生活できると思うようになっていたのである。

始めの頃は、苦しくて苦しくて、涙が止めどなく流れるし、どうして? どうして? と思いつめ、悠介に直接聞きたい、話したいと思っていた。その時期を過ぎたら、心が虚ろになって何もしたくない期間になった。バドミントンには出かけていたが、心ここにないと言う感じで真剣になれなかった。もう悠介と話したい気持ちはなくなっていたが、寂しさを乗り越えられない。それが、つい数日前より、吹っ切れたと言うか、もういいや、と思えるようになった。ここまで来るのに、2ヶ月を要したのである。

6月下旬、北村から満腹食堂で会おうと言って来た。しかし、悠介は満腹食堂の知人が沢山いる中で、話をしたくなかった。言いたいことが言えないと思ったのだ。行ったことのない食堂や茶店も沢山ある。北村と一緒に食べたいとも思わないので、茶店へ行くことでお願いした。
「どうした?」
北村が何食わぬ顔で、悠介に聞いた。
「矢代美恵子さんの事です。」
「あー、同棲しているらしいな? 結婚でもするのか?」
「とんでもないです。彼女にアパートから出て行って欲しいのですが、出て行かないのですよ。」

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Last updated  2021.02.17 09:24:10
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2021.02.08
カテゴリ:作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、矢代美恵子と関係してしまった。



写真はネットより借用
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高橋を廊下に呼び出し性急に要件を伝えた。
「その女性って、矢代美恵子じゃーないのか?」
「え? どうして分かった?」
悠介は、もう既に同級生の間で噂になっているのかと驚いた。北村以外は知らないはずである。
「ほら、新入生歓迎会の時、北村さんと彼女が寺本の所に来たじゃーないか?」
「あぁ、高橋が席を外したので、どうしてかと思ったよ。」
高橋の話によれば、矢代美恵子について悪い噂を聞いていたと言うのである。それは、男の学生の所に転がり込んで、そこに居ついてしまい、生活費も面倒見て貰うとの事である。まさに悠介が困っているそのものである。

「それは確かか?」悠介は驚いて聞いた。
「いや、噂だよ、誰の部屋に転がり込んだとか、そこまでは知らない。そう言う噂を聞いていたもので、悪かったが、あの時席を外したんだ。」
「だとしたら、俺はまんまと引っかかってしまったようだ。」
その噂はもっと前に聞きたかった。今となっては遅すぎる。美恵子と深い関係、それも1度だけではなく、気は進まなかったが毎晩である。さらに由樹枝への手紙はもう今日、投函されているはずである。どんなに弁解しても分かって貰えないはずだ。美恵子は事あるごとに、深い関係であることを口にだし同棲を強要する。

対策は不十分でも何かせずにはいられない。由樹枝に手紙を書くことにした。返事は、高橋宛に出して欲しいと。内容は、事実を正直に書くことにした。
「酔っ払って意識不明となり気が付いたら自分の部屋で美恵子と寝ていた。出て行って欲しいとどれだけ頼んでも住みついてしまって帰ってくれない。自分自身も大変困っている。必ず別れるので、少しの間時間が欲しい。誓って言うが、自分が愛しているのは由樹枝だけだ。それは分かって貰いたい。」
このような内容にした。封をしてすぐに出した。これで美恵子の手紙と同時か1日遅れで届くことになる。そして手紙が届いても信用しないようにと言う山脇の伝言も伝わっているはずである。

由樹枝は山脇の電話になんだろう? と危ぶみながら出た。山脇と親しい話しをした事がないからである。ただ顔と名前は知っていた。悠介の同級生であったからである。要件は、「変な女性から手紙が届くが信用するな。」と言う事であった。何の事かさっぱり分からない。山脇はそれだけを言って電話を切った。手紙と言えば、悠介から届かないなー、と思っていた矢先である。きっと勉強とバイトに忙しいのであろうと推測していた。春休みの充実した日々が思い起こされ自然と口元に笑みが浮かんでしまうのであった。あれほど楽しく充実した日々が、産まれて来てあったろうか? と思うのである。

翌日、矢代美恵子なる女性から手紙が届いた。いきなり寺本悠介の新しい恋人である、と記載されており、びっくりした。何これ? と思った。まさかそんな事があり得るはずはないと確信している。それから、一緒に住んでいて、毎晩愛していると言われて幸せである。従って、もうこれから、一切、寺本悠介との連絡もしないで欲しい。会うことも厳禁である。と書いてあった。由樹枝には全く信じられない。あれほど硬い愛の約束をしたのが、わずか10日程前である。それが、急に新しい恋人が出来たなんて、嘘に決まっていると思った。そして、これが、山脇の言っていた事か、と昨日の電話を思い浮かべた。

急にこんな手紙を貰って驚いたし、そんな事はあり得ないと確信を持っていても、心配は心配である。万が一、そうであるならば、悠介が何か言ってくるはずだ、とその連絡を待つことにした。その翌日、悠介からの手紙が届いた。慌てて封を切り読み始めてびっくりした。なんと、昨日貰った恵美子と言う人と一緒に住んでいると言うのである。あの手紙は嘘でなかった。由樹枝は頭が真っ白になった。持っている封筒の手が震えているのが自分でも分かった。自分の愛しているのは由樹枝だけだとも書いてあったが、ほかの女と一緒に住んでいて、その言葉も信じられない。涙が出てきた。手紙をもう一度読む気にならない。何もする気にならない。何もかもが信じられない。5月の連休に東京へ行くのを楽しみにしていたが、それも叶わないこととなった。これからどうしようと思う気持ちにもなれず、まさしく茫然自失の状態である。

それから数日が経った。高橋の所に手紙が来ていないか、毎日確認しているが届いていない。それから、さらに数日経っても山脇からも連絡はない。居ても立ってもいられない気持ちで授業も上の空である。もう由樹枝が来ると約束していた5月の連休が来る。しかし、由樹枝は絶対に来ないであろう。きっと怒っているはずである。来られても美恵子が居るので修羅場になるだけだ。八方塞がりのまま連休がやって来た。何も出来ないまま時間がどんどん過ぎ去る。いつのまにか5月が過ぎ去り6月になっていた。その間、2回由樹枝に手紙を出した。しかし返事は来ない。美恵子とも別れていない。何度も出ていくように言ったが、全く意に介さず出ていく様子はないのである。

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Last updated  2021.02.08 09:01:02
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2021.01.30
カテゴリ:作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、矢代美恵子と関係してしまった。



写真はネットより借用
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翌週、悠介が学校から部屋に帰ると、美恵子が鬼の形相で待っていた。
「この手紙は何よ!」
それは、由樹枝から届いていた多くの手紙である。机の奥に仕舞って置いたものである。
「今日、来た手紙がこれよ。あなた、別れると手紙出してないの?」
「・・・」
悠介は何も答えられない。心の重さに耐えながら、表向きは恋人のように同棲を続けている悠介と美恵子である。どうしようと思いつつ、美恵子にも何も言えず、由樹枝にも手紙は出せなかった。

「何、これ? 読んでみてよ。5月の連休に来ると言っているよ!」
悠介は、渡された由樹枝からの手紙を読んだ。
「春休みの1週間は夢のような期間であり、如何に悠介を愛しているか再認識しました、悠介から愛していると言われて、私たちは強く愛し合っていると確認できて、とても嬉しい。これからも良い仲を続けていこうね。又、連休には1週間ほど行けると思う。それを楽しみに生きています。大学生活も順調です。」
などと書いてあった。由樹枝の申し訳ない気持ちで一杯である。自然と頭が垂れてくる。

「どうするつもり?」
「申し訳ない。俺は、この人を愛している。」
「何言ってんのよ! あなたは、毎日、私を抱いておきながら、そんなこと言う権利があるの? 頭が狂っているよ!」
「申し訳ない。どうしていいか分からないんだ。」
「すぐに、恋人ができた、あなたとは別れると手紙を書きなさい。」
「そんな事は書けない。」
「私を裏切るつもり? 私はあなたと別れないわよ。もう深い仲なんだから。」
酔って正体をなくした翌朝と同じ事の繰り返しである。違うのは、その後、毎夜交接している事であった。悠介に申し開きは出来ない。しかし、由樹枝と別れると言う手紙なんぞ書けるはずもない。美恵子とこのような仲になっても、由樹枝を愛していることに変わりはない。

「分かったわ、あなたが書けないなら、私が書いて明日出すから。いいわね。」
「それは困る。」悠介は言ったが、小さい声であった。
悠介は何とか、この事態を脱出したかった。手紙は書けない。返事が来たら美恵子に読まれてしまうからである。電話をかけようと思った。しかし、現実に美恵子と同棲している状況なのに、何と話したらいいのか? 現実は語れない。美恵子と別れてからならば、何としても言い訳は立つ、今は何も言えない。悠介は袋小路に入ってしまったように、何も出来ないのである。

美恵子は、テーブルに向かってペンを走らせている。住所も名前も分かっている。多くの由樹枝からの封筒があるのだ。

悠介は時間稼ぎをしたかった。美恵子を何とか説得して別れるまでの時間だ。美恵子は由樹枝と違って男の経験は間違いなくある。悠介と初めて行なった時に既によがり声をあげていたのだ。相当な経験があるに違いない。その事実を元に別れを迫るしかない。それにしても時間がかかる。悠介はそう思った。手紙は明日出されてしまう。そちらは時間がない。考えた末、高校の同級生に頼むことにした。それしか方法がないのである。

翌日、大学の公衆電話から、地元の役場に勤めている山脇を呼び出した。事情を大急ぎで説明し、由樹枝に変な手紙が届くが信用しないでくれと伝えて欲しい旨依頼した。しかし山脇から言われたのは、どうして女と同棲しているのか、と言う事である。由樹枝を愛しているなら、一刻も早く、その女と別れろ、でなければ、由樹枝に伝えたとしても嘘になる、と言うのである。一番厳しい所を突かれた。それが最も問題なのである。別れるが込み入った事情があり、少し時間がかかる、とそれだけ説明した。自分で電話しろとも言われた。しかし女が部屋にいる現在、直接電話し難い旨説明し、何とか状況を分かって貰いたいと懇願した。最終的に山脇は同意し、「変な手紙が届くが信用しないでくれ」と伝えることを約束した。そして、事情があり本人から電話も出来ないとも、伝えることになった。

これで一応の対策は取ったと悠介は思ったが、これで解決する訳でもない事は自分でも理解している。さらに対策も不十分であるとも思った。女が自分の意志にかかわらず部屋に住みついてしまった事を打ち明けねば、到底、由樹枝の理解を得られまいとの考えに行きついた。しかし、手紙を出してその返事が来れば、美恵子の怒りはますます強固になるであろうことも推測できた。それで又、同級生に頼ることにした。盛岡から来ている高橋である。彼の住所に手紙を送って貰うのである。良い考えであると、早速、高橋を探した。彼がいそうなキャンパスを探したが見つからず、教室に戻ったら彼がいた。

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Last updated  2021.01.30 11:24:51
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2021.01.13
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あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、矢代美恵子と関係してしまった。



写真はネットより借用
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北村と話しても、結論は出ない。全て矢代美恵子次第だからである。1日中、仕事にならなかった。食欲もない。力が出ない。頭の中は、どうしよう、どうしようばかりで何の進展もない。この日の相棒は、1年前から一緒に働いている、長友に吉武である。この二人に仕事を仕込まれた。最近は、1人前に見られて仕事を任せてくれることも多い。しかし、この日は、仕事に熱中出来ず。失敗を重ねた。

「おい、寺本、どうした体調でも悪いのか? 顔色も良くないな。」
年長の長友が言った。
「はい、体調は悪くないのですが、頭が重く、考えが纏まらないのです。」
「どうした? 飲む過ぎか? あんたは飲み過ぎると、記憶が飛ぶ悪い癖があるからなー。去年の忘年会でも読まされて酷い状況だった。」
吉武も思い出したように言った。
「昨夜、飲み過ぎて失敗しました。」
「やっぱりそうか。あんまり無理するな。失敗したら余分な手間がかかる。」
悠介は、昼食を食べたら、少し力が戻って来た。だが頭の中は混乱している。仕事に集中せねばならないと、自分に言い聞かせて、何とか1日の作業は終わった。

アパートに戻った。部屋は整理されている。料理をしている匂いがした。
「あ、お帰り、今、夕食の支度をしているからね。お風呂に入って。」
美恵子が当たり前のように、奥さんのような態度でそう言った。悠介はどう対応して良いか分からない。何か言いたかったが声が出ない。風呂に入った。そして風呂から出て来ると、おかずがテーブルの上に並んでいた。
「ビールでしょう?」
「あんまり飲みたくない。」
「ダメよ、迎え酒、飲むと体調が良くなるわよ。」
グラスを持たされてビールを飲んだ。喉に染み入るようで美味い。
「良い飲みっぷりよ。その調子。でも昨夜のように飲み過ぎないでね。」
悠介は、美恵子の元気付けに、出て行って欲しいと言えず、ビールを飲んでいる。美恵子は3年になり、和泉キャンパスから、駿河台キャンパスに変わった。ここから駿河台キャンパスは近いから便利だというような事を話す。

悠介はまだ2年なので、和泉キャンパスである。ここからだと駿河台キャンパスは、すぐ近くである。美恵子は、和泉キャンパスから駿河台キャンパスになったばかりである。確かにここならば便利である。先輩たちも3年、4年を考えてこのアパートを借りているのであった。

飲んでいる内に悠介は考えるのが面倒になった。酔って来たのであろうか? 今朝からの混乱した頭が続いている。昨夜は酔っ払って寝たのか寝てないのかも自分では分からない。ただ疲れているのは自覚できた。料理を食べ飲み終わったら、急激に眠くなった。ごろりと寝ころんだら眠ってしまった。

「こちらに寝なさいよ、そんな所に寝たら風邪ひくわよ。」
美恵子の言葉で目が覚めた。3時間近く寝たのであろうか? 時計は22時半を指していた。悠介はのろのろと起きて、パジャマに着替えた。布団の中に入った。美恵子は電灯を薄暗くすると当然のように悠介の隣に入って来た。悠介は短時間であるがぐっすり眠ったせいもあり、頭の重さは取れている。美恵子が隣に入ってきたら、性欲が突き上げてきた。美恵子も抱き付いている。
「もうこんなになっているよ、強いのねー。」
美恵子が体を押し付けながら言った。悠介は由樹枝の事をちらっと思ったが、こんな状態になって行動を抑制出来なかった。記憶にないが、既に1回行っていると言われている。1回も2回も変わらないと自棄になっていた。

愛撫も手抜きで強引に美恵子を抱いた。それでも美恵子は濡れており、喜びの声をあげている。「すご~い、すご~い」と言われ、悠介も興奮した。力強い律動に合わせて美恵子の声も苦しそうによがり声をあげている。そして終わった。

「凄いのね、悠介君、大きいから壊れちゃいそうよ。」
「・・・」
悠介は黙って、美恵子を抱きしめた。その位しなくては悪いと思ったのだ。愛しているとか、恋しいとか思う気持ちはなかった。好きでもないのに、気持ち良かったと悠介は不思議に思った。これでは、部屋から出て行って欲しいと言えないとも思った。泥沼に嵌まってしまっているようである。美恵子は悠介の胸の中で寝息を立てだした。悠介は眠くはなく、目がさえ頭もしっかりしている。眠ったので頭の重さはなくなった。しかし、胸の奥の押し付けるような辛さはなくなっていない。こんな事をしていて、どのように美恵子と別れ、由樹枝との仲を続けるとか、そればかり考えている。

こんな事では、由樹枝に手紙も出せない、と思いつつ眠りに落ちていた。

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Last updated  2021.01.13 13:35:37
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2021.01.06
カテゴリ:作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京に来て、短いが二人の充実した同棲生活を送った。しかし、そのわずか1週間後、矢代美恵子と関係してしまった。



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「悪いけど、ここを出て行ってくれないか?」
悠介が恐る恐る、矢代美恵子に話しかけた。
「何言ってるの? 夕べは泊まれ泊まれとしつっこくて、私を抱いたら、もうお役御免と言う事? 冗談じゃーないわ。夕べの約束は守って貰うからね。」
「夕べの約束って?」
「ここに私も一緒に住むって事よ。それに生活費は貴方が全て出す。それが、夕べの約束よ。そう言う約束だから、始めて会ったあなただけど、愛しているって何度も言うし、身体を許してしまったのよ。」
「そんな・・・」
悠介は居たたまれない気持ちである。まだバイトに行くのには早いが、作業着に着替えた。

「俺、バイトに行くから。」
「鍵は置いて行って。私、荷物を取りに行って、ここに来るから。」
「それは、困る。俺には彼女がいるのだ。」
「何言っているの! 彼女がいるのに、私を抱いたの? 騙したのね!」
「騙したなんて・・・」
「そうでしょう! 騙したのじゃーなくて、どう言うこと?」
「いや、すまない、全然覚えていないんだ。飲み過ぎたんだ。」
「大変な事をしておいて、飲み過ぎで済まそうと思っているの? 私、絶対に許せない。」
「じゃ、どうしたら良いの?」
「約束を守ってくれる事よ。」
「それは、困る。」
堂々巡りである。矢代美恵子は、絶対に引きそうにない。あくまで同棲生活を始めると言う。それが約束だからと言うのである。確かに身体の関係を持ってしまったら、美恵子の言う事も一理ある。悠介には言い訳が出来ない。

美恵子はさらに追い打ちをかけた。
「私は、もう貴方のものよ。夕べ愛していると言ったのに偽りはないよね? 北村さんと新宿からタクシーで送って来た。泊まって行け、愛していると言った言葉は、北村さんも聞いている。証人もいるのだからね。恋人同士になった事は、もう北村さんに知られているのだからね。」
悠介に言葉はなかった。何も言う事が出来ない。
「その彼女と言う人とは別れてよ。1日も早く。もう絶対にその人と会ったらだめよ。私がいるのだから。」
由樹枝と別れるなんて事は考えられない。つい先週、離れがたい生活を送ったばかりなのである。わずか1日で、とんでもないことになってしまったと、悠介は悔やむ。打開策はなさそうだ。時間を置いて、何とか美恵子を説得しようとバイトに出かける事にした。

部屋の鍵は、美恵子に差し押さえられた。強引に持って部屋を出る訳には行かない。悠介に落ち度がある故、仕方なく鍵を渡したのである。悠介は頭が重いし、朝食を食べる意欲もない。バイト先に出かける為玄関へ向かった。ドアを開けるとまだ全裸の美恵子が言った。
「行ってらっしゃい!」
元気な声であった。もうここに住みつく事を決めたような挨拶である。

バイト先の事務所には、まだ誰も来ていなかった。早過ぎるのであるが、あのまま美恵子のいる部屋に留まりたくなかった。これからどうしよう、そればかりが頭をぐるぐる廻っている。しかし、解決策がない。出て行ってくれと頼むしかないのである。暫くすると従業員たちが三々五々集まった。北村も来た。
「お早う、寺本、大丈夫か? 昨夜はずいぶん酔っていたな。」
「お早うございます。覚えてないのですよ。」
「矢代さんはどうした? 君が泊まって行けとしつっこく誘っていたけど?」
「そんな事言いましたか?」
「言ってたよ、かなりしつっこかったぞ。矢代さんも君を一人で置いて帰れないって、止むなく泊まると言っていたけど?」
「そうなんですか・・・」
「覚えてないの?」
「全く覚えていません。」
「矢代さん、コンパの頃から、寺本を気に行っていたようだから、泊まって行けと言われて、嬉しかったのじゃーないか? どうしているんだ?」
「どうしているって、部屋にいるのです。困りました。」
「困る?」
「だって、北村さんも知っているように、僕には恋人がいます。」
「そうだったか。それにしては、昨夜の言動は良くないな。矢代さんをその気にさせるよ。」
「困りました。本当に困りました。荷物を持って引越して来ると言うのです。」

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コロナ感染の容疑者であり、自粛生活中故、執筆活動の時間は十分にあります。
構成を練り、執筆にも力が入ります。

悠介の人生を決める難しい場面に遭遇しています。
はてさて、この難関を切り抜けられるのかどうか?

どんな展開になるのでありましょうや?







Last updated  2021.01.07 08:57:18
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2020.12.31
カテゴリ:作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京にやって来た。短いが二人の同棲生活である。



写真はネットより借用


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矢代美恵子はそう言うと、悠介に握手を求めて来た。女性から握手をして来るのは珍しい。悠介は、少しおどおどしながら手を差し伸べた。由樹枝以外の手を握るのは始めてかも知れない。
「今日は、無礼講だ、がんがん飲もうぜ。」
北村はそう言うと、悠介の為にウィスキーの水割りを持って来た。自分のグラスと矢代美恵子のグラスも持って来た。
「乾杯!」
「乾杯!」
悠介は飲み過ぎに注意しないといけないな、と思いつつ、美味しいのでグイっと飲んだ。
「あら、強いのねー。逞しいわ。」
美枝子が頼もしそうに悠介を見る。悠介もそう言われて悪い気はしなかった。美恵子は由樹枝と違った美しさがあった。由樹枝の方がずっと美しいと悠介は思うが、美恵子には、何故か人を惹き付ける何ものかがあった。大人の魅力のような妖艶さである。

悠介は飲まされて酔っ払って来た。新入生歓迎と言う目的にしては、新入生と一言も話してないな、と思いつつ、矢代美恵子との会話が楽しく、酔い過ぎては行けないと言う感覚も忘れてしまっている。北村も時々来ては、悠介に酒を薦めて、又、別のグループへと去って行く。

2時間半余りの新入生歓迎コンパも終わりの時間が迫っているようである。司会者がその旨告げている。悠介は飲み過ぎて気が大きくなっていた。もっと飲みたい気分なのだ。これが、悠介の一番いけない所である。意識不明になった事が数回あるが、今夜もそうなりそうな気配がしている。本人は気分が良くて、何ら気にしていない。北村がやって来た。
「寺本よ、2次会に行こう! 矢代さんも一緒だ。」
気分が高揚している悠介は、後先も考えず、「行きましょう!」と返事した。

2次会は、そんなに遠くない新宿の居酒屋へ行った。北村と矢代美恵子、さらには、悠介の知らない男女が数人一緒だった。それから、悠介は、何杯かウィスキーを飲んだまでは覚えているが、その後は全く記憶を失ってしまった。

気が付いたのは、自分の部屋であった。頭が痛かった。寝返りを打ったら、柔らかい肌が手に触れた。いつのまに由樹枝が来たのかと思い、抱きしめた。由樹枝もそれに答えて、腕に力を入れたようだ。頭は重いが由樹枝ともっと肌を合わせたくて横向きになった。しかし、何かが違う。由樹枝とは感覚が異なるのである。おかしい? と思い、半身を起こすと、そこには、矢代美恵子が寝ているではないか?

「えーーー、どうしたんだ?」
悠介は頭が混乱した。どうして、自分の部屋に矢代美恵子がいるのだ? しかも彼女は全裸である。悠介自身も全裸だ。夢か? と思った。しかし夢ではない。悠介は頭を掻きむしった。
「どうしたの?」美恵子が起きたようだ。
「どうなってんだ? どうして貴女がここに寝ているんだ?」
「何言ってんの? 貴方が無理やり泊まるように迫ったんじゃないの?」
「いや、俺は、知らない。何にも知らない。」
「あなた、責任回避するつもり? 昨夜、何て言ったの? そして私に何をしたの? 愛しているって何度もいったわ!}
「し、しらない、俺は、何にも知らない。」

悠介は、慌ててパンツを穿き、パジャマも着た。そしてそこに座り、夕べ何があったのか、思い出している。新入生歓迎コンパに参加した。ウィスキーを飲んだ記憶がある。その後、誘われて2次会に行った。そこまでは覚えているが、その後の記憶がない。全く記憶が飛んでいる。とんでもない事をしでかしたのかも知れない。悠介は焦った。全裸の矢代美恵子は布団を被って天井を見ている。悠介の顔を見て、矢代美恵子が言った。
「あなた、責任を取ってくれるのでしょうね? 夕べの約束。」
「夕べの約束? 何も覚えていない。」
「しらばっくれるつもり? ひどいよ! ここに来て一緒に住もうと言ったわね。それに同意もしていないのに、貴方は私を抱きしめて、無理やりしたわ。」
「え? 何をした? 俺は覚えていない。」
「ずるいよ、なら、どうして私もあなたも裸なの? あなたは私を犯したのよ。」

悠介は焦った。何も覚えていない。しかし、状況は全く不利である。新宿からどのように部屋に戻ったのかも分からない。まして、美恵子を抱いた記憶もない。美恵子は犯されたと言っている。由樹枝と言う愛する恋人がありながら、他の女性に手を出す自分ではないと、重い頭で考える。こんな所を由樹枝に見られたら、どんな風に思われるのか、それを考えると恐ろしい。どうしたら良いか、どうしたらこの状況から脱却出来るのか? 考えても考えても思い浮かばない。悠介は虚ろな目をして頭を抱え込んだ。

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Last updated  2020.12.31 10:17:56
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2020.12.25
カテゴリ:作家


第102回は、公序良俗に抵触する可能性がありますので、掲載を中止しました。
このブログが削除されないようにしたいので、ご理解の上、ご了承願います。

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あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京にやって来た。短いが二人の同棲生活である。



写真はネットより借用

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悠介も由樹枝も、大きな喜びと快感、その疲れでぐったりと横になった。
「ハァハァ」と大きく息をしている。暫くそのまま動けない。
のろのろと悠介は起き上がって、テッシュを取った。由樹枝の中心の後始末をしてあげる。そこに触れると由樹枝はびくっと身体が動いた。達した後の余韻である。悠介も自分の部分を綺麗にすると、再び由樹枝の横に寝そべった。

「良かったよ、気持ち良かった。愛しているよ。」
「わたし・・・、こんなの始めて。怖かった。」
「そうかい、積極的でよかったよ。」
「エクスタシーって言うの? それが来たみたい。」
正直に快感を語る由樹枝が愛おしい。悠介は静かに口づけをした。衣服を付けて二人は満足感に浸りながら、ぐっすりとした眠りに落ちて行った。

悠介は全く目が覚めずに朝を迎えた。由樹枝は既に起きて朝食を作っている。バイトに行きたくない気持ちである。悠介は仕事が好きだった、嫌いではない。行きたくないのは由樹枝と一緒にいたいからであった。でもその気持ちを振り払って悠介は起きて布団を片付けた。今夜も明日も由樹枝はいる。明後日長野に帰っても、5月の連休には、間違いなく会える。そう思えば気持ちを切り替えられるのであった。

「準備出来たよ。そちらに持って行くね」
テーブルは既に出してあった。
「良い天気だなー。」
窓の外を眺め、悠介が言った。心からの幸せを感じている。明日1日したら、その翌日は長野に帰ってしまう由樹枝だ。それを思うと寂しい気もする。由樹枝は手放せないと思う。絶対に愛し続けて行くと、悠介は自分に言い聞かせた。

あっと言う間に2日間は過ぎた。由樹枝が長野に帰る日である。名残り惜しそうに朝方もこの日は交わった。暫く会えないと思うと愛撫にも気が入った。由樹枝もその愛撫に答える。愛し合う者同士、心のこもった快感を伴う行為である。1週間以上滞在したが、あっと言う間に過ぎ去った。短い期間であるが、始めて二人だけで過ごした。二人の関係は以前にも増して、濃密となった。お互いに言葉を交わさずとも分かりあえる仲である。信頼し合っている。この関係がどんなことがあっても壊れるはずがないと二人とも思っていた。

東京まで由樹枝を送って帰って来た。東京駅で別れる時は、他の人の目も気にせず、しっかり抱き合って送り出した。アパートへの帰り道は何かを落としてしまったように心に空洞が出来たようである。寂しさとこの1週間余りの楽しくも心地よい時間を思い出して複雑な心境である。悠介は電車の中でこの1週間の事は絶対に忘れないと思っていた。二人だけの生活となると会話が少なくなって気まずい思いはしないかとか、そんな事さえ心配していた。しかしながら、気まずい事など全くなく、楽しい事ばかりであった。悠介が産まれて来て、こんなに楽しい日々はなかったと思うのである。

由樹枝が長野に帰って2日目、新学期が始まった。そして次のバイトの朝、先輩の北村から声をかけられた。新入生歓迎コンパがあるが出ないかと言う事である。悠介は興味ないので断ったが、先輩、特に2年生の人数が不足している、何とか出て欲しいと熱心に誘われた。北村は、悠介がアパートを引き継いだ橋本の後輩であり、引越前から世話になっている。その北村から熱心に勧誘されており、無下にも断れなかった。コンパは、来週の金曜日、4月14日との事。
気は進まないが、面白くなければ、早く帰ってくればいいと参加する事にしたのである。

歓迎コンパ当日である。場所は新宿の大きなレストランであった。立食パーティ形式であるが、凄い人数の学生が集まってる。70~80名はいるであろうか? 政治経済学部だけでなく文学部も来ていると聞いた。同学の高橋も来ていた。盛岡出身で一時期、東京生活に嫌気をさしていたが、バイト先の本屋で女子高校生と出会い、恋人になった。彼女のお陰で大学を中退しなくて済んだのである。
「まだ、彼女と付き合っているんだろう?」
「付き合っているよ。彼女、もう就職したんだ。」
「そうか、良かったなー。」
一頻り、高橋とその後の近況などを話し合った。ビールも飲んでいる。体調が良いのか、満腹食堂と違う雰囲気が良いのか、ビールも進んでいる。

北村が、綺麗な女性を連れてやって来た。高橋はその二人を見ると、じゃーな、と言って別の場所へ移動していった。
「矢代美恵子さんだ。寺本君の1年先輩、俺の1年後輩だ。」
「寺本です。」
「矢代です、よろしく。」

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Last updated  2020.12.25 11:06:14
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2020.12.22
カテゴリ:作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京にやって来た。短いが二人の同棲生活である。


写真はネットより借用
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翌日も良く晴れた良い日であった。浅草の雷門から仲見世でお土産を見ながら歩き浅草寺に行った。それから、上野動物園へ行き、上野公園や不忍池を歩いた。今夜もどこかで食べようと悠介は思っていたが、由樹枝はアメ横を歩いていて、今夜は刺身を買って家で食べましょう、と言い出す。豪華な食事も良いけど、悠介と二人で部屋で食べる方が落ち着くらしい。昨日、今日と歩き詰めだったから疲れた事もあるのだろう。

大きなマグロの刺身を買った。疲れたと言うので、早めにアパートに帰った。由樹枝は早速、マグロを切っている。
「冷凍だから、早めに切らないと、解凍できないよね。」
「今夜はマグロで一杯だな。楽しみだ。」
悠介はテレビを見ながら、由樹枝に返事をした。幸せだなー、としみじみと感じる。これ以上の幸せはないよな、と自分に言い聞かせる。
「何か手伝う事ない?」
「いいよ、テレビ見ていて。マグロを切って、野菜を切るだけだから。 マグロと生野菜で良いかな? あと、何か作る?」
「いいよ、俺、マグロ大好きだし、沢山あるから、ご飯も食べられるかな?」
「6時頃から食べられると思うよ。まだ2時間あるわね。」
「早いけど、風呂の準備するかな? 笑点を見たいからさー、早めに入ってゆっくりしよう。」

悠介は、日曜日の5時半から始まる笑点を楽しみにしている。特別な用事がない限り毎週見ている。大学生になってからは、バイトで遅くなる時が多く、見られない。この日のように見られるようならば、準備して見たいのである。風呂を準備しゆったりと入っても5時半にはまだ時間があった。笑点までぼんやりして過ごした。そして、ようやく笑点が始まった。司会は、立川談志である。
メンバーは、三遊亭圓楽、林家こん平、毒蝮三太夫、桂歌丸、柳亭小痴楽の5名、高級な番組ではないが、笑えるのであった。

夕食の準備も終え、由樹枝も風呂に入り一緒に笑点を見る。面白い。悠介と由樹枝は時々、顔を見合わせながら、テレビに見入る。30分はあっと言う間に過ぎ去った。
「じゃー、食べようね。」
「そうしよう。」
「解凍出来たけど、まだ少し冷たいよ。」
「そう?」
悠介が一切れつまんで食べて見た。
「大丈夫、大丈夫、問題ない。美味しいよ。」

お互いのコップに、ビールを注ぐ。
「では、乾杯!」
「昨日、今日と、東京見物、ありがとう!」
「いや、もっと行きたい所もあったけど、これから、いつだって行けるし、面白い所、探しておくよ。コンサートとかも行きたいよね?」
「うん、行きたい。」
悠介は、由樹枝と色んな所へ行きたいと願った。これからの楽しみが増えた。由樹枝が大学受験の3月まで、会いたいけど会えない日々が続いた。これからは、最低1ヶ月に一回は東京に来ると言う。その時は、バイトを休もうと思った。部屋でゆっくりしても良いし、どこかへ出かけても良いし、二人だけの時間をたっぷり楽しめる。

他愛のない話しをしながらも楽しい夕食は終わった。由樹枝は片づけを行う。悠介は、テレビを見ている。「8時だよ、全員集合!」を見たかったが、それは土曜日の放送であった。
「明日、明後日はバイトで、その次の日に帰るんだったね?」
「そうよ、早いわね。」
「じゃ、水曜日はバイト休んで、東京まで送って行くよ。」
「大丈夫よ、無理しないで良いよ。」
「別に無理している訳じゃーない。社長にも彼女がいる間は休んでも良いよ、って言われているんだ。」
「社長さん、お小遣いはくれるし、気を使ってくれるわね。」

その後も寝転がってテレビを見ていた。由樹枝の横顔を見ていて、悠介は急に興奮して来た。毎日、寝る前に交わっているが、最近、悠介の部屋に来てから、由樹枝の興奮度が以前とは違うように感じている。以前は声を押し殺しているような感じであったが、今は、自然と声が迸るようになっているのである。
自ら、気持ち良いとも言う。大学にも合格して、悩みが消え、性交に気持ちを注げるようになったからかも知れない。そんな由樹枝に絶頂感を与えたいと悠介は思うようになった。よーし、今夜は時間もあるし、十分な前技を行い、行くまでやってやるか、と悠介は、早いけど寝ようと、由樹枝に声をかけた。

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Last updated  2020.12.22 12:12:45
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2020.12.20
カテゴリ:作家
幻冬舎からメールが届きました。

出版をして見ないか? と言う内容です。

実は、これは、推測していました。







実は、今年の5月から6月にかけて、小説コンテストに応募したのです。
  黄山紀行
  チェンマイに佇む男達 山川純一の場合
の2作をメールに添付して送付しました。

下記の写真のように、締め切りは6月10日です。
発表は、8月末と言う事でした。







本件、どなたかから応募を進められたのですが、幻冬舎はお金を
とって個人出版を薦める会社なので、その商売の一環だろうな
と思いました。

でも、メールで送付ならば、お金もかからないので、応募して見ようと
送った次第です。

しかしながら、作品が届いたとの返信も、何らありません。
8月末の大賞発表にも関りがありません。(当然ですが。)

作品が届いた位の返信はあって当然であろう、と思いましたわな。
何と非常識な会社であろうとも思いました。

しかし、そんな事は忘れてしまいました。

そしたら、数日前に、出版しないか? とメールを受領したのです。
やはり商売の為に、セカンドライフ小説コンテストを行ったのです。
応募者全員にメールを出している事でしょう。

その内容は、電子書籍出版ならば、費用180万円、印税は30%
紙本では、1130部作って、費用は270万円、印税は不明。

と言った内容です。

そんな金出して、出版する訳ないでしょう? 阿保か! と言いたい。
180万円もあったら、チェンマイで2年近く暮らせます。

それに、アジアの星一番 は、「でじたる書房」で既に64冊を出版して
いますが、出版費用は無料です。そして、印税は50%です。
印税のお金も手数料無料で振り込んでくれます。

その他、アマゾンのキンドル(Kindle)だって出版手数料は無料ですよ。
キンドルの場合、送金時に色々とお金が必要なので、問題はあり、と
聞いていますが。

ま、そう言う事で、出版数だけならば、アジアの星一番 は既に大作家
ありますし、幻冬舎なんぞで、出版するつもりはありませぬ。


あいつら、メール送信しても返事もよこさなかったので、今回の
メールに対しては、こちらも無視する事にします。






Last updated  2020.12.20 08:03:31
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2020.12.08
カテゴリ:作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。春休み、希望大学に合格した由樹枝が東京にやって来た。短いが二人の同棲生活である。


写真はネットより借用


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「だって、悠介と初めての東京デイトだから。」
「いいよ、何でも買ってあげるよ。」
由樹枝は絵葉書を買った。気分に応じて、原宿や明治神宮、表参道など、机の上に飾りたいとの事である。もっと高い物を買えば良いのに、と思う悠介であった。原宿から少し戻る事になったが、表参道も歩いた。そして明治神宮に行った。神宮内には、結婚式らしい花嫁花婿、そして親族らしい方々が列をなして歩いていた。

由樹枝はそれを見て言った。
「ねぇ、悠介、私たちはいつ結婚出来るかな?」
「そうだなー、まず大学を卒業しないとね。」
「まだ、長いね、先が。」
「そうだけど、由樹を愛する気持ちは変わらないよ、何年でも。」
「ふふ、嬉しいわ。私も変わらないからね、絶対!」
由樹枝が繋ぐ手を固く握りしめた。

「渋谷へ行って、夕食にしよう。今夜はご馳走だ。」
「あんまり無理しなくて良いよ。ラーメンでもカツ丼でも何でも良い。」
「いや、社長から食事でもしろと、お金を貰っているんだ。」
「そうなの? 社長さん、優しいのね。」
「うん、だから、豪華な夕食を食べて、社長に報告しないと。」
「分かった、じゃー、ご馳走になります。何食べる?」
「フランス料理のコースにしよう。お店は調べてあるんだ。」
二人は、渋谷への道を歩きながら話している。明治神宮から渋谷まで、ゆっくり歩いて、20分少々である。夕食には丁度良い時間となった。

その店は、道玄坂を少し登り、左手の2階にあった。白が基調の清潔そうなお店である。2名である旨告げると、ウェイターが席に案内してくれた。そして、椅子を引いて、席を薦めてくれた後、メニューを恭しく差し出した。
「フランス料理は初めてです。良く分からないので教えて下さい。」と悠介は正直に話した。ウェイターは、コース料理を選ぶか、単品で注文するか方法は二つあると説明する。悠介は決めていた通り、コース料理を頼んだ。コース料理は3種類があった。料理の内容も分からないので、社長さんから貰った小遣いの範囲内の一つを頼んだ。
「緊張するなー。フランス料理なんて初めてだから。」
「私も初めてよ。それにフォークやナイフがこんなに沢山ある。どれを使ったら良いか分からないよ。」
「それも聞いて見るけど、外側から使えば良いと本で読んだよ。」
「それなら分かり易いね。」

飲み物の注文を取りに来た。
「コースの肉料理に合う赤ワインをグラスで下さい。それにお水を。」
無難に注文を終えて、暫くすると、オードブルが運ばれて来た。グレープフルーツとタコのマリネである。ウェイターが丁寧に説明してくれた。有難い。
初めてであると言ったことで、一品ずつ説明してくれるようである。次は、ベーコンと玉ねぎのコンソメスープが来た。
「う~ん、これ美味しい! タマネギの甘みがあるね。」
「そうだね、ベーコンの旨みもあるよ。美味しいな。」
メインは、鮭のムニエル。口直しには、桃のソルベである。いつ飲んで良いのか分からないが、赤ワインは既に運ばれて来ていたので、飲んでいる。

肉料理は、牛フィレステーキだ。
「柔らかいね。良い味。」
ワインのせいで、ほんのりと桜色に頬を染めた由樹枝が言った。
「美味しいなー。料理は日本食と思っていたけど、フランス料理も仲々良いね。」
牛肉を食べてお腹も膨れた。満足な夕食である。ナイフやフォークも間違いなく使用したようで、スプーンが残っているだけである。
「デザートのクリームブリュレでございます。」
こんがりと焼けた表面にスプーンを入れると表面がパリッと割れた。中にはトロっとしたクリームが入っている。

「あぁ、美味しかったねー。」
小さなお菓子とコーヒーが運ばれ、コーヒーを飲みながら悠介が言った。
「それぞれの量が多くなかったから、お腹一杯になるかな? と思いながら食べていたけど、食べ過ぎるほどよ。ほんと、美味しかった。ありがとう!悠介。」
由樹枝が満足そうに笑みを浮かべながら言った。
「喜んでくれたら、俺も嬉しいよ。俺は、由樹の作ってくれる料理で大満足だけど、こんな雰囲気の所で食べるのも良いね。」
「うん。たまにはね。」
「バイトで稼ぐから、次に来た時もどこかに行こう。お店を探しておくよ。」

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Last updated  2020.12.08 13:25:24
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