チェンマイに佇む男達 寺本悠介の場合 第24回 ~
あらすじ悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、すくすくと育った。長野高校に進学し、2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会に参加した。2か月後頃、突然、小平由樹枝と付き合っているか? と怖い先輩に言われる。その噂の理由は、由樹枝が言い寄る男達を避ける為の口実であったのである。翌年冬、その由樹枝から手編み手袋を貰う。手紙のやり取りの後、2人の仲は、デートするまで進展する。さらに春、手を握る。さらにキスするまでの仲の恋人となる。===================================中間試験も終え、期末試験も終わった。その間、悠介と由樹枝の仲は、益々親密となり、会えば、一目を忍んで抱き合い、口づけを交わしていた。そして、夏休みも間近に迫った。バドミントンを終えて、いつもの焼きソバ屋である。「俺さー、夏休みに入ったら、北海道へ出発するよ。」「そっか、いよいよ、出発だね。会えなくなるから、寂しいなー。」「会えないのは、寂しいけどね。見知らぬ北海道を歩き回って見たいんだ。」「うん、分かっている。私は、バドミントンと勉強、頑張るよ。」「それから、推薦も上手く行きそうだ。」「先生と話したの?」「そう、確約は出来ないけど、たぶん、問題ない。と、言ってくれた。」指定校の推薦は、まず、募集を行い、その後、校内選考があり、推薦される生徒が決まる。複数の生徒が同じ志望校の場合、成績と考課の高い生徒が優先されるのである。悠介の場合、東大、京大などを目指す生徒に次ぐ成績なので、希望校に複数の生徒が志望したとしても、悠介を優先可能となるのである。「頑張って来た甲斐があったよ。」「良かったね。」「でも、決定ではないから、完璧に安心は出来ないけどね。」「悠介なら大丈夫よ。私も悠介に教えて貰ったお陰で成績も上がっているし、悠介が恋人で良かったよ。」「そうかい? でさー、北海道から帰って、推薦校が決まったら、本当の恋人になろう。」「本当の恋人って? もう本当の恋人でしょう?」「いや、だって、まだエッチしてないよ。」「いやらしい!」「おれは、由樹の全てが欲しい。来年は、離れ離れになるんだ。東京へ行ったら、あまり会えなくなる。」「そう言う事しなければいけないの?」「おれは、由樹の全てが欲しい。」悠介は、真剣な目をして、由樹を見て言った。悠介は経験もない童貞であるが、友人達との耳学問で、どうすれば良いのか知っている。キスしながら由樹を抱いていると、無性にもっと触りたくなる。そして、やりたいと思うのであった。「ねぇ、いいだろう? 俺は、由樹が好きだ。東京へ行くまでに、絶対に離れられない関係になっていたいんだ。」「もう離れられない関係でしょう? 私、悠介以外の人とは絶対に付き合わないから、大丈夫よ。」「それは、分かっているし、信用しているけど、由樹の全てが欲しいよ。」由樹枝は、仲々、了承してくれない。悠介は、少し焦っていた。もうすぐ夏休みで、1ヶ月近く、若しくは1ヶ月以上、北海道へ行く。帰ってくれば、大学へ入学するまで、半年余りしかない。離れ離れになったら、由樹枝は絶対に大丈夫と言うけれど、美人の由樹枝である。男達が言い寄って来るに違いないと思う。それで、深い関係になっていたいのである。それに、キスしたり抱き合っていると、由樹枝の秘部に触りたいと思う。手を伸ばしたこともあるが、やんわり拒絶されて、まだ、触れていない。自分でも自分をコントロール出来ない心の深部からの欲求があるのであった。「よく、考えておいてくれる? 北海道へ出発前に、返事が欲しい。」「・・・」「いい返事を貰えないと、北海道旅行が辛いなー。」夏休みに入った、5日目、悠介は北海道に旅立つ日となった。長野市内の運送会社を訪ね、東北方面へ行くトラックがないか聞き回った。何社目かのトラック会社で、毎日ではないが、福島県まで行く仕事があると聞いた。それで、毎日、いつ出発か確認に行った。昨日の夕方、明日の、夜8時に出発するから、8時前には、事務所に来て待つようにと確認できたのである。当日は、由樹枝が送るついでに一緒に夕食を食べたいと言う。悠介も暫く会えないので、勿論会いたかった。トラック会社に近い電車の駅で待ち合わせし、その近くの食堂に入った。悠介は何を頼むか迷ったが、由樹枝と同じカレーにした。「いよいよ出発ね。忘れ物ない?」「うん、大丈夫だよ。着替えだけだからね。」「お金は? 1ヶ月も行くのだから、お金必要でしょう?」「いや、無銭旅行するつもりだから。途中、どっかでバイトしながらね。」「そうなの? 大丈夫? 心配だなー。」===================================本日は、ワナカに滞在、氷河を見に行く予定でしたが、大雨の日となり、往復4時間も歩くのは、不可能。それで、宿に待機です。時間があるので、短編小説でも、と思いましたが、いいモデルさんに出会っていないし、暫く、寺本悠介をアップしていないので、アップしました。悠介と、由樹枝、良い仲になりましたねー!彼は、彼女を置いて、北海道に旅立ちます。しばらくは、北海道の旅の内容になろうかと思います。