2015/02/06(金)06:47
APW430の結露
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
一週間が矢のように飛んでいるこの頃です。
今朝も氷点下2度の美濃地方、
東京、赤坂は1.5度で湿度89%とTVが言っておりました。
さて、APW430 (トリプルガラスです)
YKKが満を持して投入した高性能サッシです。
三協アルミのスマージュ
Lixilのエルスターと
サッシ業界の雄の三社が出した高性能サッシのの一つです。
但し、Lixilは相変わらずマスコミ向けのバルーンで
まだ市場には出ていませんから今のところ幻の商品
現在、市場に大きく流通する日本のサッシの中では
世界に通用するサッシの一つです。l
*現在日本のサッシで世界標準に耐えられるものは
樹脂サッシではエクセルシャノン、クレトイシのもの
木製サッシもごく小さなメーカーが何社か
大手では上に挙げたサッシぐらいで
その他のサッシは性能が低くて使用禁止対象
さて、そのAPW430の結露写真
フレームもガラスも結露状態
ガラスはダブルLOW-E クリア3+A16+クリア3+A16+クリア3(ガス)
LOW-Eガラスを二枚使用で3ミリの厚みのガラスが3枚
その間に16ミリの空気層(アルゴンガス入り)が二層
APW430でも結露するのか?
なんて上の写真を見て思う人もいるかもしれませんがご安心下さい。
非常に特殊な条件でなければこのようなことにはなりません。
今回はその非常に稀有な条件が揃ったので結露しましたが(^_^)
YKKの関係者の方にはちょっとびっくりだったかもしれませんね。
住宅を科学し、より暮らし易い家を提供しようとする工務店の担当者なら
下の湿り空気線図は必須アイテム
この空気線図で分かることは
気温が何度で湿度が何%なら
その空気は何度になると結露するか?
例えば
気温が4度で湿度が80%とすると
上の空気線図から
その空気は1度になると結露する、
ということがわかるとても便利な表なんです。
ですから、
今朝の東京、赤坂は1.5度で89%ですから
0.5度になると結露します。
皆さんはご自分の経験から
冷たいものの表面に
暖かい空気が触れると結露すると思ってます。
もちろんそれはそれでOKなのですが
科学的に考察すると
冷たい空気も湿度が高ければ更に冷やされると結露してしまうんです。
今回のAPW430、フレームは樹脂、ガラスは3枚
熱貫流率は0.91w/m2・Kと高性能ですが
実は上のようなシビアな環境におかれました。
というのも
紙太材木店では内装仕上げを塗壁にする場合が多いんですね、
こちらも壁の仕上げは塗り壁で
APW430が結露している写真は
塗り終わった翌朝に撮った写真です。
当日朝の気温は氷点下
まだ工事中ですから室内も2度か3度ほどでしょう。
塗り終わったばかりで、窓もほとんど閉められてますから
室内の相対湿度は95%を超えています。
この家のQ値は1を切ってますから
普通の生活の中でこのような温湿条件になることはありません。
ということで
このクラスの性能の家では非常に特殊な条件ならない限り安心です。
しかし、
逆に言えば
性能の低い家では
APW430のような高性能なサッシを使っても結露リスクが存在することを示しています。
太陽光パネルの検討の前に
サッシの性能や換気、気密の性能の検討が先なのは
住宅を科学し、
より暮らし易い家を考えている工務店にとっては常識ですが、
目先の電気代に誘惑されそうな住宅初心者の方は
くれぐれもご注意下さい。