ケヤキの木の下で            岐阜/愛知 自然素材でZEH READYの家

2019/07/15(月)18:52

基礎コンクリートの下の防湿フィルムは本当に必要か?

家づくりのたいせつな話(511)

​​​​おはようございます、 紙太材木店の田原です。 今日も、雨模様の美濃地方 気温は24度で湿度は90% 少し体を動かすだけで そう、ほんのちょっと椅子をあっちに持っていたりする程度でも 汗が噴き出てきます。 屋外では90%ですが、 通風の良い室内は88% 風通しのいい家だとそうなりますね。 湿り空気線図を見ると 24度で湿度90%の空気は 22度で結露します。 通り土間のある、一昔前の昭和の家では こんな具合になります。 式台の手前、 土間コンクリートの表面が濡れていますが 水を撒いたわけでは訳ではありません。 床と壁の取合いのところは空気が淀んでますから 結露しているのがよくわかります。 ここだけではなく 土間コンクリートが打ってある店のカウンターの周りも同様です。 普段目が行く場所と言うこともあり このような現象が起こるのは当たり前のことと理解してますが 一般の方の中にはなかなか理解できない方もいます。 似たような現象はサッシのガラスでも起こっているのですが サッシの結露は普通でも、土間床の結露は異常と言うことになりますが きちんと物理の法則を説明すれば分かっていただけます。 さて、この現象は通り土間ですから普段目にしますが 床下でも起こっている可能性があります。 古い日本家屋の床下は石の上に束と呼ばれる木で床を支えています。 石や束には結露の痕が確認できますが 現代の住宅の場合 束は鋼製束あるいはプラスチックの束になっていて 古い家屋のように木材が使われているわけではありません。 木部は一般的に床の土間コンクリートから35~40センチほど上にあります。 床下のコンクリートが結露をしたとしても それほど神経質に考える必要はないでしょう。 ただ、温度や湿度の条件が揃えば小屋裏でも室内でも結露するわけですから 設計者は十二分に水蒸気の動きに留意する必要があります。 ちなみに、現代の住宅の多くはべた基礎ですが 基礎コンクリ―トの下に防湿フィルムを敷きます。 住宅用プラスチック系防湿フィルムA種の透湿抵抗は0.082(m2・s・Pa)/ng 厚さ10センチのコンクリートの透湿抵抗は0.0336(同上) 防湿フィルムの40%ほどの透湿抵抗があります。 厚さ15センチのコンクリートは0.054(同上)ですから 66%の透湿抵抗があります。 本当に防湿フィルムを敷く必要があるか 設計者は常識をちょっと疑うことも大切です。 布基礎の時の防湿コンクリートの厚みは6センチでOKでした。 床下の結露は地中から上がってきた湿気ではなく外の空気が持っている水蒸気が原因です。

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