ケヤキの木の下で            岐阜/愛知 自然素材でZEH READYの家

2020/05/15(金)10:04

高性能サッシの行方

高性能 省エネ(411)

​おはようございます 紙太材木店の田原です。 昨日の朝は10度ほどで肌寒く感じましたが、 ここ2.3日悩まされているのが鼻水。 桧も終わってますから黄砂に反応しているようで、 緊急事態宣言が解除されても暫くマスクは手放せません。 さて、 紙太材木店で使用する高性能サッシは YKKのAPW430かLixilのエルスターX。 どちらもトリプルガラスで、 枠も含めた性能的な差はほとんどありません。 サッシはガラス部分と枠に分かれますが、 この枠の性能の差が欧米のサッシとの差になっています。 つまり、ガラスから逃げていく熱と枠から逃げていく熱で性能が決まるのですが、 枠の断熱性能の差がそのままサッシの性能の差になっています。 実際日本では、ガラスの性能の進歩に比べ 枠の断熱性の進歩が遅いんですね。 枠の断面の写真などを見ると 中はいくつもの部屋にわかれていて、 熱の伝わり方を遅くする工夫がしてあります。 もちろん、製品によって異なります。 外観からは分かりませんからその断面を見てみましょう。 上の写真はサーモスLで 枠の中が2つか3つに分かれているのが分かります。 Low-E複層ガラスを使った時の熱貫流率は2.33ですから、 (Low-Eでない一般複層ガラスの場合は3.49) 住宅検討初心者の方がサッシはLow-E複層ガラスでなきゃと思われると、 このクラスのサッシを勧められることになります。 外側はアルミで中は樹脂ですから、 耐候性もいいですしお値打ちですなどと言われると 気持ちも揺らぐというものです。 ただ、残念ながら熱貫流率2.33では ヨーロッパの大部分の国では性能が低くて販売できません。 中国や韓国でもNGだったと思います。 もちろん、結露もついてきます。 熱貫流率2.33のサッシ。 今でも多くの大手HMや工務店で使用されていますし 日本では標準的なものと思われますが、 これでもここ2.3年で大きく進歩したほうです。 それ以前は熱貫流率4クラスが標準的なものでした。 5.6年前まで岐阜県で販売されるサッシのトップは、 デュオPGというアルミ樹脂のサッシで、 熱貫流率はLow-Eで4.07 一般複層ガラスで4.65。 それに比べれば目を瞠る進歩です。 でも、目を世界に転じてみれば 誰も買わない製品と言うことになります。 さて、こちらがAPW330と430の枠の断面写真 これでもヨーロッパのサッシに比べると 断面の各部屋が粗くスカスカの感があります。 特に330はその主な役割りを終えつつあるように思います。 APW430やエルスターXは今日本で手に入るサッシの中で、 価格と性能のバランスから見た時に最適のサッシの一つと思われます。 さて、最近気になるのはエルスターX。 Lixilは経営者が交代したりで、 サッシに対する販売姿勢が?なところがあります。 傾向としては樹脂サッシに注力と言うより、 アルミ樹脂サッシの販売を強化しようとしているように感じます。 以前も販売方法に問題があることを指摘されていましたが、 (その問題は既に改善されました) どうしても樹脂サッシではなくアルミ樹脂サッシの方向にもっていきたいようです。 YKKとの違いや差別化ということであればいいですが、 何かそれ以外のものを感じます。 性能的にはエルスターXもAPW430も変わりはありませんが、 価格は実はエルスターXがお値打ちでした。 ただ、ここのところそれが逆転しています。 YKKが下がったのではなくエルスターが上がってきた。 意図的に樹脂サッシの価格を上げ、 アルミ樹脂サッシに向かわせようとしているのか? と言うようなイメージがあります。 真相は分かりませんが、 設計者にとっては 消費者にとって最適なサッシをお勧めする以外ありません。 ​

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る